冴草君2


 冷蔵庫のインコ、まだ発見されてなかったんだな。
 体はやせ衰え、目には精気がなかった。
 けど、もう少しがんばれよ。さすればお前はインコ界の阿闍梨になれるだろう。
 俺は知らなねぇけど。
 
 ザマッチの家へ行くため、俺達は駅へ向かった。
 道中奴の便意は思いもよらぬ幸運をもたらす。
 用足しで立ち寄ったコンビニで、偶然にもみちゃんに会えた。
 彼女はいつも、なかなかどうしてさり気なくエロい。
 分厚い唇のグロスは濡れっぽくて、二の腕は半袖チラリズム。齧ってと言わんばかりだ。
 たまんねぇ。俺、実は二の腕フェチな。
 そんな男のエロ目線なんぞ知らないみっちゃん。彼女は興味ありげに俺のアロハとGパン(ヴィンテージ)を褒めてくれた。
 うむ。目の付け所がよろしい可愛子ちゃん。小憎いよ。
 しかしながら、ザマッチのために俺が警察署へ行ったこと、既に知られていたとは。
 女の情報網恐るべし。驚きだ。
 理由を深く聞かれなかったけど、そこはそれ、気を使ってくれたんだろうな。
 さすがいい女は違う。
 まあ俺だって、口が裂けても身元引受人で行ったっなんて言うつもりなかったけど。
 もし言ってたら、パン一姿にコート着たアホが、早朝公園で見知らぬ女性を追っかけ回していた事を話す羽目になりかねなかったし。
 ともすればあの日、俺だって未成年飲酒が署内でばれかけたんだ。
 そんなしょうもない警察沙汰、言えるわけがない。
 俺は名残惜しかったが、ジャージ姿のアフロ変態がコンビニの便所から出てくる前に、何とかみっちゃんとの立ち話を打ち切ろうと努めた。
 奴がいるとまたややこしくなる。
 幸運にもみっちゃんの携帯が鳴ったおかげで俺達の話はそこで途切れた。
 俺は彼女と別れ際、今度二人だけで飲みに行く約束をした。
 みっちゃん、待ってろよ。あと一ヶ月で必ず落としてやる。
 へへへ。
 だからそれまで、もうちょい髪伸ばしててくれよ。