Neetel Inside ニートノベル
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 人目につかないロケーション。ポリ公の巡回は滅多に来ない。
 電波妨害一切なし。広い駐車場。付近に敵対組織の物とおぼしき建物ゼロ。
 確かにここは地球司令部に間違いないだろうよ。
 当たり前だ。この胡散臭さは只もんじゃない。
 某ローカル列車下車後徒歩約一時間。村営バス乗車後約一時間。バス下車後徒歩約三十分。
 そこはマイナスイオン出まくり地帯。まるで天然保護区域だ。
 山、川、谷、森。リス、兎、鹿? 熊! 
 つまりはど田舎だ。
 大自然の中過ぎて、どう足掻いても人目につかねぇ。ポリ公以前に交番すらない。
 電波妨害、何だそりゃ。風呂は薪で焚いてそうだし、車なんてそこらに停め放題だろ。  
 付近の敵対組織以前に、隣の家はこの先何キロにあるよ。
 そしてこんな辺鄙な所にある文房具屋へ、一日に一体全体どれだけの人間が文具を求めてやって来る? 精々隣近所の婆ちゃんがおはぎ持って来るくらいだろ。
 先ず文房具が要るような学校や事務所らしき建物を来る途中全く見なかった。
 生計成り立ってるのかこの店。
 ザマッチ、おまえの実家って大丈夫なのか?

 なあおい、『座間文具店』の息子さんよ。
 
 帰省の時まで変なカチューシャを外さないアフロ野郎を俺はぼんやり眺めた。
 そう言えば俺、こいつの友達なんだっけ。
 

       

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