Neetel Inside ニートノベル
表紙

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 玄関で出迎えたザマッチの母ちゃんは地球司令部の最高司令官。
 その後ろに亡霊のように立っていた婆ちゃんは情報補足官長。
 女子高生の妹は身柄を拘束中の凶悪犯。
 爺ちゃんが囚人監視員。
 最後に父ちゃんが息子(長男)で、地球司令部の重要幹部。
 ザマッチは俺に自分の家族をそう紹介した。
 ついでに、
「妻と次男はまだ遠く宇宙の彼方、本国にいる」
 ということらしい。
 はいはいはい。妻と次男ね、本国ね。
 いつも思うけど、その本国って何だよ。
 ここが座間家の外なら俺は間違いなくこいつを5発どついている。


「妹、さっき爺ちゃんに金もらって晩飯の材料買いに行ってたぞ」
「何を言ってるんだ冴草君。あのお札は囚人監視員殿が凶悪犯に渡した外出許可証だ」
 随分可愛い凶悪犯だな。それにいい子だ。ちゃんと逃げずに返ってくるなんて。
 どうせなら俺が連れて一緒にどこかへ逃げてあげればよかった。
 不憫な妹よ。
 
 どうやら座間家で変人なのはこのアフロ息子だけらしい。他は皆普通の人たち。
 何でこんなのが生まれたんだか謎だ。
 因みに晩飯は普通の人間が食べられるすき焼き。肉と野菜とかの。
 これを食って一夜明けると俺は見知らぬ草原で寝ていた。なんてことも絶対ないだろう。
 当たり前だ。
 だって俺の友達、宇宙人でもなんでもないし。只の変人か変態だから。
 そしてここは宇宙人の基地でもなんでもないし。だたの日本庶民の家だから。

「ザマッチ、後で酒とタバコ買いに行くからつきあえよ」
「……ふ、不良エスパー」
 またいつものキモイ目。
 けど今は座間家にいる。さすがにどつけない。
 ああ面倒臭せ。早く帰りたい。
 何より早くみっちゃんに会いたい。 
 それからあのインコ、まだ生きてるかな。
 死にかけ具合がちょっと面白くなってきた。へへ。
 
 てか、酒とタバコってどこに売ってんだこの村。

 
 つづく

       

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