星の調書
冴草君3
ザマッチのいない座間家。
親父さんと酒を交わし、妹と散歩して裏山の小屋でセックスをする。
俺は友達の家族とかれこれ半年以上そんな付き合いをしている。
ザマッチの伯父さんとも実はこの田舎の家で知り合った。
当初俺は日焼け具合から伯父さんの仕事は農業だと想像していた。
しかし伯父さんは町の公園にいるホームレスだった。
ホームレスである諸事情は多々あるらしく、あまり突っ込んだことは知らない。
てか、知る気もない。
「あん時ゃ、アミちゃんには世話んなった。わしゃ全財産あの子にやったって構ぁねぇ」
伯父さんはザマッチからガムテープをもらった時のことを思い出してはそう言う。
その一件は俺にとっても忘れられない迷惑な思い出だ。
が、座間家ではそんなこと、所詮酒の肴の笑い話で流されていく。
にしても伯父さん、あんたの全財産って何もないだろ。おい。
最近だって、またガムテープもらってたくせに。