Neetel Inside ニートノベル
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 ザマッチは限られた特定の文字を除いて多くの字が読めない。
 なんでも、脳みそが認識しないんだそうだ。
 原因は誰にもわからない。
 ザマッチの母ちゃんいわく、字は読めないが不思議と書くことはできるらしい。
 が、書いた端から自分の字が読めないので、筆記の意味は殆どないのもまた事実とな。
 つまり奴が書く調書自体、本人にとって何の意味も成さない代物なんだそうだ。
 医者の見解ではザマッチの脳は単なる異常としか判断されておらず病名はない。
 高卒前、突然起こったこの病のおかげで、奴の進学は芸大へと決まった。
 その後トイレで知り合ったあの日から、俺はこの奇妙な男の友達(傍観者)となった。
 そして俺は初めて座間家に来て以来、何度か星の調書をこの家へ届けている。
 ザマッチは心底、自分がチェス版と小石で調書内容を座間家(地球司令部)へ送信していると信じている。困ったもんだ。まあ、いいけど別に。
 こんなノート、どうせなら郵送してもいいんだけどな。
 凶悪犯呼ばわりされてる妹、可愛いんだよな。だから俺、つい来ちゃう。

       

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