Neetel Inside ニートノベル
表紙

魔道普岳プリシラ
第四十九章『霧島薙と担当教諭』

見開き   最大化      

 霧島薙は学校というモノに戸惑いを感じていた。自分と同じぐらいの背丈の子供と、机
を並べて学ぶ。
(考えられん……これは、アレか? 一種の嫌がらせか?)
家は、今は山城アーチェと一緒に暮らしている。この前の件で厳重注意を受けた。しばら
くは、オヤツ抜きと言われていた。
『色眼鏡で依怙贔屓しないのが、私の教育理念です!』
彼女に凄まれては仕方ない。それに――
(あの、普岳プリシラとか謂う女王と、その腰巾着。どうも、活け好かん)
ここは、山城アーチェに従う他なかった。もっとも、穏便に事を運ばなくても、この国を
制圧する自信と、それを裏付けられるだけの戦闘力&カリスマを有してはいる。騎士団を
不知火に嗾けたのは失敗したが、アレは殺すつもりなど毛頭なく……
(今や、二十万の兵を率いる大将軍。それが、何故、子供と一緒に勉強しなければならん
っ)
霧島薙はイライラしていた。ロリの外見を維持できるから初等部なのではなく、実際の年
齢も、まだ、子供なので別に不知火の様な生理痛とかではない。
(回収したガルフェニアの改修も進んでいる。高機動化は目前だ――)
パコッ――
「いった……何をする!」
教壇に立っていた蒼龍カシスは出席簿の角で彼女の頭を叩いた。
「油断大敵」
「なん……だと……」
(この教師、余に喧嘩を売っているのか?)
霧島薙は剣幕な顔で担任を睨みつけた。
「授業に集中していれば、今の攻撃など、君は回避する事ができた。違うのか?」
「余にも事情がある」
 フンッ――
 と、霧島薙はそっぽを向いたので、やれやれ、僕は叱責した――と、担任は言った。
「――で、あるからして、天と地の間隔と比較すれば、黄泉の狭間と現世までの距離を目
測する事ができる」
カシスは授業に戻り、文教族の児童達はこの國の帝王学を学んでいた。

       

表紙

片瀬拓也 [website] 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha