Neetel Inside ニートノベル
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魔道普岳プリシラ
第六章『フェンリるなイト』

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 その活躍は、中央貴族の耳にも知れ渡っていた――
「軍に組み込むのですか?」
それは空戦機甲開発計画の第二次中間報告の会議で立案された。
「私は反対です。彼等はまだ若過ぎます。それに、人を殺める軍の任務を快くは思ってい
ません」
山城アーチェは答弁したものの、却下された。
「開発費は国が拠出していると言えど、国防費を当てているのであるから、その責務を全
うしてほしい」
「しかし……」
いくら彼女が食い下がっても、暖簾に腕押しであった。
「任務については普段の授業と同じように、単位互換を認めよう。我々から彼等のような
若者にしてやれる事は、これぐらいなのだ、少佐」
アダマンタイトの件の様には上手くいく筈もなかった。彼女の軍内部でのポジションは、
微妙なのだ。
「分かりました。生徒達にも、そう伝えて措きます」
結局、山城アーチェは何もできぬまま、一方的な、会議が終わった。

     


       

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