Neetel Inside 文芸新都
表紙

見開き   最大化      

2011.08.27 20:19
私の部屋には悪魔がいる
そいつは口から入り込んで肺に浸透する
そいつは血液に乗って私の脳に入り込んで
私を支配する

母親のようでありたいと思ったのは日が登っている間で
日が沈んだ部屋にいると首に手が回る

手足が重くなり思考は奪われる
蛍光灯に虫がたかる
私の頬に張り付く
叩き潰して食べる
何者にも侵入を許さない
生物を排除しなければならない

死体が転がっている
皮膚のかけらがへばりつく
足の裏に髪の毛が
嗚咽と共に吐き出して
私の四肢はもげていく

悪魔は指をすり抜けて
天井から私を見下ろす
何も言わず
私は殺してやると言って
窓を閉めきって
私の吐く息でこの部屋を埋め尽くす
呼吸が荒くなり
私は叫び
私の思考と脳みそで部屋が赤く染まり
私の拳は宙を切り
悪魔はそこに浮かんだままで
だれか殺す方法を
悪魔を殺す方法を

       

表紙
Tweet

Neetsha