奥の空間に入ると、直ぐ様透明な扉がスライドし閉じ込められる形になった。戸惑いを隠せない英正をニヤリと不敵な笑みで一瞥した生徒会長はコンテナの外に響くほど大きな声で高らかに宣言した。
「これより、ヒーロー創造計画を実行する!!」
 その言葉に引っ掛かりを覚えたが、そんなものを嘲笑うかのようにコンテナの装置は起動を開始した。数秒霧状の何かが噴射され、吸うまいと息を止めた。次の瞬間シャッターが降り空間全体が暗闇に閉ざされた。そして、一瞬眩い光が英正を照らす。それに驚き思わず情けない声を上げた。体中を何かが覆う感覚を覚える。重みはさほど無いが少し体が締め付けられている。
「さあ、ニューヒーローとのご対面だ」
 シャッター越しのくぐもった生徒会長の声を聞いた。次にシャッターがゆっくりと上がる。まるで特撮の演出をするかのように、ゆっくりと。
「全身に噴出されたナノマシンが、特殊な光により記憶された形状になる」
 薄暗いコンテナ内を照明が照らす。スタッフの男は感嘆の声を漏らす。自分がどうなっているのか分からずにいると、女のスタッフが徐に壁を指さした。そこには全身が映る位の大きな鏡が設置してあり、それを見た英正は自分の変わり様に声も出なかった。
「この技術を開発した者達は世界の進歩と発展を担う技術になるようという期待を込めてこう呼んだ」
 全身に装備された装甲。肩に装着された火器が目立つが、多分全身に何かしら装備されているのだろう。
「Progress(進歩・発展)-HERO、P-HEROとね」
 顔面に装備された装甲が丸で鬼の面のように見え、お面のヒーローにはもう戻れないのだろうと英正は確信した。