Neetel Inside ニートノベル
表紙

見開き   最大化      


ひとしきり言いきった私の目から
ぼたぼたと涙がこぼれ始めた。
よく泣く日だ。


「今吐きだしたのは、間違いなく君の」
「汚い部分だった。」
「でも、今流してるのは間違いなく」
「君の綺麗な部分のはずだよ。」
「上を向こう。綺麗な部分まで流しちゃ駄目だ。」

そう言って変態は、
仮面をかぶった顔で天を仰いだ。

変態の首元がちらっと光ったように見えた。

「学校を受け入れられる覚悟が無いと、」
「どうやら死を受け入れるのも難しいみたいなんだ。」

変態は柵に近付いて手首を見せた。

「ありとあらゆる手段を使ったよ。」
「縦にも裂こうとした。だけど駄目だったんだ。」
「いざという時に手とか震えちゃうんだよね。」
「僕はどうやら、この世界に好かれてるらしい。」

手を広げて、自らを抱きしめて見せた。
台詞ががった言葉が、自虐的に聞こえた。

「君に何があったかは分からない。」
「でも、もう少しだけ死ぬのを送らせてみないか?」

手を差し伸べる。


「君にぴったりの仕事があるんだ。」
「キュアホワイトを、やってみないか。」


柵をかけ上り、変態に力いっぱいの
ローキックをかました。
変態は右足を抱えてうずくまり、
疲れた私の足にもなかなかこたえ、
私も真似をしてうずくまった



この日から私は、キュアホワイトになった。

       

表紙
Tweet

Neetsha