Neetel Inside ニートノベル
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「よくできたな、お前はほんっと優秀だ!!」



黒板の問題を解いた山岡は、
先生に誉められると、なんだか
けむたそうな顔をして
席へとむかった。




山岡のことを、須藤が次の様に話した。

「なんつーんだろう。うーん・・・
 ただの優等生だったら、目にも
 止まらない感じで、なんも喋らないで
 特に関わりもない感じで終わるじゃん。
 生理的に受けつけないとか、
 そういう言葉で片づけたらそれまで
 かもしれないけど、とにかく雰囲気が
 なんか好かないね。あっ、」

思い出したような顔をして須藤が続けた。

「数学の授業あてられたときにさ、
 もう全然分からなくて、馬鹿やったら
 なんとなく許されるんじゃねって思って
 軽くふざけたんだ。そしたらすっげえ
 先生に怒られてさ、出てけって
 言われたんだよね。そんときに山岡が
 一番前の席に座ってて
 ちらっと眼が合ったんだ。」

「すっげえ気持ち悪い顔でにやにやしてたんだよ。」

「それまでさ、俺、嫌いなやつとか
 別にいなかったんだ。たしょう苦手な奴とか
 はいたんだけど、不快って感じにまでは
 いかなかったんだ。合わねえのかな、くらいの。
 あの日のそれ以来から、なんとなく
 山岡が目の中に入ると、軽くいらついてるんだよね。」

「やめようやめよう、なんか昼休みもったいない。」

頭をぐしゃぐしゃとかきむしる。

「しかしそんな当てつけみたいな理由だとは・・・」

「いやあ、俺も思うわ。」
「でもなんか、考えれば考えるほどドツボ。」



ちらっと山岡に目をやった。

机にむかって何かをつぶやいていた。
僕もこいつを嫌いになりそうになっていた。

先入観おそろしや。

       

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