Neetel Inside ニートノベル
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噂の変態が、目の前に姿をあらわした。


カーディガンにシャツを着て、
ジーンズにコンバース。
探せば結構いる服装。
この定番っぽさを覆すのが
顔に被った、プリキュアの仮面。


「なあ、頼みたいことがあるんだが。」

そういって、変態はこちらへと近付いた。

「キュアホワイト、やってくれないか。」

私はこの仮面を、完全に変態だと認識した。


「ブラックだけだとどうも、」
「町の平和を守れそうにないんだ。」
「もうね、ドツクゾーンに負けっぱなし。」
「ぶっちゃけていうと、仮面の下は」
「あざだらけだ。」

「正義のヒーローは、どれだけ戦っても」
「来週までには怪我も疲れも大丈夫みたいだけど」
「実際は、そうでもないみたいで」
「増してや、普通の生活の方でもまあまあ」
「風当たり、強くてさ。」

「僕は、待ってたんだ。キュアホワイトを。」


変態の背景をべらべら喋られたところで
私の勢いは止められない。私は死ぬんだ。
変態を横切って、柵へと向かった。


「君に出来るか。」

変態の声が、私をとらえた。

「確かに、そうすることでドツクゾーンから」
「逃げられるかもしれない。」
「僕の口からこんなことを言うのもなんだが、」
「僕も何度も考えたよ。」

「だが、君に出来るか?」


出来るさ。

「出来ないね。」

出来るよ。

「学校から逃げるくらいだもの。」

うるさい。

「死ぬのを受け入れることは、もっと怖いよ。」


「うっせぇんだよ、そっから見てろ!私は出来るんだ!!」

       

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