Neetel Inside 文芸新都
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ポニク団ポリディー襲撃事件の約1週間後、ポパイの通うドルフィーナでも基礎戦闘実習もはじまろうとしていた。

この1週間、特に変わった事といえば、コテツの態度だ。さぼることなく授業もうけていた。
・・・あの件で相当考えさせられるものがあったのだろう。・・・というよりは悔しくて仕方なかったのだろう。

「コテツっ、おめぇ次はぜってぇあのPOのやつぶっとばすぞ!!」とロックスター。

コテツのやる気、ロックスターへの思いが伝わり、話す事ができるようになっていた。


ポパイも、負けてはいなかった。実習開始に備え苦手な勉強も意欲的にこなしていた。

「ガッチュ、いよいよ実習だね。がんばろうね!!」

「うん、戦闘ってこわそぉ・・・でもがんばるっ」
ガッチュもポパイの期待にこたえようと頑張っていた。



「おはようございます!!それでは初回実習ルームに案内します。みんなついてくるように。」
コリー先生の誘導で空間コントロールで広大な荒野、森などの作られた部屋に集合した。

「これが噂の部屋かぁ~、すげえな。」
コテツもこの部屋は初めてのようで驚きをかくせない。
コテツだけではない。皆が驚愕していた。


「どうだ?すごい部屋だろう?ここで今まさにみんなとパートナートイとの実習が始まるわけです。」


「なんだか緊張するわね。」
ポパイ、コリンもいよいよ始まる実習に緊張していた。


「いきなりだが、この中で今から君達には1つチップを手に入れてきてもらう。この部屋の土地には自動トイが数知れず散らばっている。そのトイ1体にはそれぞれ1つチップを装着している。そのトイから君達にはチップを勝ち取ってきてもらう。もちろんチップ装着済みのトイだ、初心者の君達にはそう簡単に倒す事はできないよ。」
コリー先生の突然の試練に皆はまた驚愕した。

「大丈夫、ここの自動トイ達は自ら相手の戦闘不能を察知したらとどめはささない。そして何より今回は自分1人で勝ち取れとは言わない。誰と協力してもいいんだよ。」

「だって、よかったぁ。ポパイ一緒に頑張りましょ♪」
コリンはポパイは同行を約束した。


「それではまずは何も戦闘アドバイスはなしだ!!制限時間は今日の日没。時間がきたら部屋のコントロールをオフにしてただの部屋に戻すからちゃんと帰ってこれる。」
「さぁ!!みんながんばってこいっ!!」
コリー先生の大声で初回戦闘実習が開始された。



それにしても広い。

勢いよくとび込んでいったクラスメイト達はもう見えなくなっていた。



「コリン、いこうかぁ」
ポパイとコリンも進んでいく、湖が見えるのでまずはその方向に向かうことにした。

と、後ろからドシドシと足音が・・・
「いきなりトイかな?・・・」
2人は恐る恐る後ろを見ると・・・

「おぉ~、お前らか。ったく、コリー先生にヒートチップ没収されて出遅れたぜ。」
遅れをとっていたコテツだった。

「まっ、アレがあくても俺は強ぇ~からな。ほらっ、いくぞ!!」
コテツはコリンとポパイを引っ張りリーダー気取りで歩き出した。

「まったくぅ~」




しばらく歩いただろうか。湖にやってきた。周りは木々が生い茂り不気味な雰囲気が漂っている。
湖自体は澄み渡りとてもきれいな場所だ。


「にしてもお前らのおんぼろアヒルとひらひらリボンは戦えんのか??」

「失礼ね、リボンだってトイです、ちゃんと戦えるわよ。」
コリンは自信をもって言い返した。

「・・・」
ポパイは自信がなかった。本当にガッチュは戦えるのか・・・自分は戦いにたえられるのかを。




・・・湖の水面になにか浮かんでいる。

すこしずつ近寄ってくる。


トイレットペーパーだ!!


トイ :トイレットペーパー
質  :紙
チップ:ウォータープルーフ


「ひひひっ、早速おでましたっ!!ロックスター軽くけちらそうぜっ!!」
そう言うとコテツはロックスターに体当たりを命令した。

「だめよ、コテツっ!!そんな事したらロックスターは湖に落ちてしまうわ。もっと冷静に。あいつが来るのをまちなさい。」

「う゛ぅっ」
コテツは落ち着き、踏みとどまった。


「うぅ・・・」
ポパイは恐怖心にうちかてずにかたまっている。



トイレットペーパーは水面から陸にあがってきた。

「ターゲットカクテイ・・・ドルフィーナセイト、コテツ。」

トイレットペーパーはくるくると紙を出し、ロックスターに飛び掛るっ!!

「ロックスターけちらせっ」

ロックスターが激しく動き紙を掻き分けるがきりがない・・・あまりの量にロックスターが完全につつまれてしまった。


「しまった!!くそっ、ヒートチップさえあったらこんなやつ。」

「リボンっ、ロックスターを助けてあげてっ」
コリンがリボンを戦闘に参加させた。


リボンは必死に紙を引っ張りむいているがロックスターは見えない。

「コリンちゃん、だめだわ。きりがないの。」
必死のリボンも手のうちようがない。


トイレットぺーパーはくるみこんだロックスターを引きずったまま、水面に逃げ込んでしまった。

「ロックスターっ!!湖に落ちちまったらあいつは戻ってこれねぇ。くそっ。」

「でも自動トイ達は安全だってコリー先生がいってたし、、、そんなことには-」


アナウンス「みんなげんきだったかい、ヒヒヒ。ポリディーです。俺様がやられっぱなしなわけねぇ~だろ??ちょいと自動トイ達に細工しといたから。健闘いのってるわっ。」


「ポリディー!!あいつ何で・・・って事はあのトイも・・・ロックスターが危険だわ。」

「くそっ!!ロックスターぁぁ!!返事をしてくれっ。」
コテツの叫びはむなしくロックスターに反応はない。


その間にもトイレットペーパーはかなり湖を進んでいる。

すると立ち止まり、紙をほどいている。
ロックスターを湖の上で落水させるつもりだ!!


「っ・・・;;」
ポパイはびくびく見ているしかなかった。

「ポパイっ!!いいのかそれで!!友達ぢゃないの??コテツやコリン、ロックスターを助けなくていいの?確かにコテツとロックスターは嫌なやつだけど・・・友達だろ?ポパイっ!!」


・・・涙ぐむポパイからガッチュは飛び出した。すると湖の水面に着水し、トイレットペーパーの元に泳ぎだした。



すごい速さだっ!!
ポパイはガッチュの速さ、仲間を思う勇気に心動かされた。

       

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