Neetel Inside ニートノベル
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凛としてアナルファックピストルズ
レスポール「残像だ」

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 世界で初めて市販されたエレキ・ソリッド・ギターは1950年のブロードキャスター。
 名前を変えてテレキャスターになるが、これはどちらも当時開発されたばかりのテレビジョン放送技術に由来する。



「その時代の痕跡はその時代の楽器や曲から窺うことも出来るんだ」

「歴史を感じるわね」

「例えば新世紀エヴァンゲリオンのED曲にも使われている『Fly Me to The Moon』も、1960年代にフランク・シナトラがカバーしてヒットしたけど、背景には当時はロケット技術の幕開けとしてアポロ計画の真っ只中にあったことも少なからず時代の人々の夢を投影している」

「Fly Me to The Moonってもともと原題は『In other Words』だったのよね。サビのところの歌詞ね。ちなみに私はここがいつも「稲沢~」に聞こえるわ」

「君にしては心底どうでもいい話だね」


 †


「アメリカには3大負け犬ソングと呼ばれる曲があった。ニルバーナの『スメルズ・ライク・ティーンスピリット』、レディオへッドの『クリープ』、ベックの『ルーザー』」

「なんと身も蓋もない」

「自虐的な歌詞で一時期シーンにショックを与えた存在でもある彼らだが、今になってみるとどうみても商業的には勝ち組な件」

「ニルバーナは特に持ち上げられ方が凄いわね」

「グランジというジャンルで一躍スターになったニルバーナ。二大巨頭としてパールジャムとセットで名前を挙げられることが多いね。意外だけど日本での人気と裏腹に音楽的な評価は実はパールジャムの方が高いんだな」

「おやまぁ」

「まぁポールギルバートで有名なMR.BIGもアメリカではどちらかというとあまり人気がなくて日本での人気が高かったりそういう例もあるだろう」

「本家イギリスで評価されてないポール・スミスみたいなものかしらね」

「『ポール・スミスは日本のブランドだよ(笑)』なんて皮肉があるくらいだしな」


「ファッションブランドの逸話としてはGUCCIの創業者グッチ氏の

 イタリア訪問中のエリザベス2世が店を訪問した時、女王付の侍従が彼に「何か陛下にプレゼントを」と進言したので、鞄を女王に進呈したが、女王一行が去った後、報道陣がまだいるにもかかわらず「金も払わん乞食はもう来るな」と発言した。(Wikipedia)

 という話が僕は結構ロックで気に入ってる」


「so cool」


 †


「本格的に放課後のダベりみたいなノリになってきたわね」

「そうだね」

「そろそろ読者も…さ、ストーリーのテコ入れというか、バンド物語的なものを」

「ものを」

「期待してるんじゃないかなー、なんて。てへぺろ」

「慣れてないニッチな流行語を使って媚びる姿は滑稽だな」

「う、うる…さっ!」


 たまにいるよねこういう無駄な知識ばかり披露する人。
 だって僕らはアナルファックピストルズ。
 リアルでやられると結構うざいぜ。

 凛と咲いて。


       

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