場所は風子ちゃんの部屋
若葉「数学の宿題むずかしいねー」
風子「ねー」
若葉「分からなかったら教えあいっこしようね」
風子「うん」
若葉「……とこでさ風子ちゃんって好きな人いるー」
風子「ううん、いないよ」
風子「若葉ちゃんは?」
若葉「いるよ」
風子「ほへー。若葉ちゃんって大人なんだねー」
若葉「風子ちゃんってそういう話あまりしないよね」
風子「あ、うん。あたし、好きな人あまりできたことないんだ」
若葉「だったらあたしとエッチなことしようよ。あたしを好きになればいいじゃん」
風子「えっ、わかばちゃん?」
若葉「ちゅっ」
風子「わ、若葉ちゃん、いま……」
若葉「キスなんてみんなしてるよ。女の子同士だし大丈夫だよ」
風子「わ、若葉ちゃんのエッチ! わーん」
若葉「あっ、風子ちゃん……いっちゃった」
場所は体育用具室で2人きりで体育の時間使ったものを片付けてる
若葉「ねえ風子ちゃん。昨日はごめんなさい」
風子「うん」
若葉「それ持つよ」
風子「うんありがと」
場所は下駄箱前
風子「あめやまないねー」
若葉「風子ちゃん傘はないの?」
風子「うん」
若葉「わたし傘持ってきたから一緒にはいろ」
風子「うん。図画工作の作品あるから真ん中に入れていいかな」
若葉「いいよ。じゃあいこ」
場所は田んぼがある土手
若葉「昨日さ、好きな人いるっていったじゃん」
風子「うんー」
若葉「あれ風子ちゃんのことなんだ」
風子「あたしも若葉ちゃんのこと好きだよ-」
若葉「風子ちゃん違う。それ違うよ。わたしの好きはそうじゃなくって」
風子「わかばちゃん?」
若葉「もういいよっ!」
風子「若葉ちゃんの好きはあたしの好きとは違うの?」
若葉「もういいから」
風子「あ、うん。ごめんね」
場所は観覧車の中
風子「みてみてっ。すっごい綺麗な眺めだよー」
若葉「ほんとすごい綺麗だね」
風子「わ-、すごいな。すごいなー」
若葉「ねえ風子ちゃん、こっち見て」
風子「んー」
若葉「ちゅっ」
風子「ほえっ」
若葉「またキスしちゃった」
風子「へ、変だよ。若葉ちゃん変だよ」
若葉「変じゃないよ。みんなしてるよ」
風子「そ、そんなの。だって。変だよ」
若葉「みんなしてるから変じゃないよ。今まで全然してなかった風子ちゃんが変なんだよ」
風子「ちがっ、ちがう。だって、変だもん」
若葉「変じゃない」
場所は観覧車から降りた場所
若葉「風子ちゃんだいじょうぶ」
風子「うん」
若葉「ひどいこと言っちゃってごめんね」
風子「うん」
場所は風子の部屋
風子「遊園地たのしかったねー」
若葉「そうだったね」
風子「雨降らなくてよかったー」
若葉「あーうん」
風子「わかばちゃん?」
若葉「突然だけど、あたし風子ちゃんの恋人になりたい」
風子「ええー! む、無理だよ。だ、だってわたし達女の子同士なんだよ」
若葉「女の子同士の恋人なんて今時めずらしくないよ」
風子「け、結婚だって女の子同士じゃできないし」
若葉「風子ちゃんはあたしのこと嫌いなの?」
風子「そ、そんなこと言われたって」
若葉「試しにつきあってみようよ。駄目だったらその時考えればいいんだしさ」
風子「で、でも、でも」
若葉「でもはなし」
風子「うーん、うーん」
風子「どうしても若葉ちゃんのこと好きになれなかったらまた友達に戻ってくれる?」
若葉「約束する」
風子「うん。な、ならいいよ」
場所は若葉の部屋
若葉「風子ちゃん、舌をべえってして」
風子「べえー」
若葉「ぱくっ。もにゅもにゅ」
風子「ふえっ。わ、わかびゃひゃん!?」
若葉「もにゅ、もにゅもにゅ」
風子「ひゃん、ひゃん」
若葉「もにゅにゅ。ふはあっ」
風子「ぷはー」
若葉「今のがディープキスなんだって」
風子「ふえー、息できなくて苦しかったよー」
若葉「なれれば気持ちよくなるの」
風子「若葉ちゃんは気持ちよかったの?」
若葉「気持ちよかったよ」
風子「ふえー」
場所は旅館の大部屋
風子「若葉ちゃんおきてるー?」
若葉「もちろん」
風子「せっかく修学旅行に来たのに班がべつべつでざんねんだったねー」
若葉「ほとんど話できなかったよね」
風子「みんなはもう寝たかな?」
若葉「寝たんじゃない」
風子「2人だけのひそひそ話たのしいね」
若葉「風子もそう思ってるの?」
風子「うん」
若葉「ねえ、風子ちゃん」
風子「なーに?」
若葉「風子ちゃんの布団にいってもいい?」
風子「うん、いーよ」
若葉「おじゃまするね」
風子「いらっしゃーい。あっ、えっ」
若葉「ふふ、どうしたの風子ちゃん」
風子「えっ、だ、だって」
若葉「ん、なに」
風子「だって、若葉ちゃんの手、あたしのむねにあたってて」
若葉「違うわ。あてているのよ」
若葉「風子ちゃんは子供だね。なにしようとしてるのか分からせてあげる」
風子「ひゃぁぅ」
若葉「ふにふに。風子ちゃんのむねは暖かくて柔らかい」
風子「ひゃっ、ひゃぅ。わ、若葉ちゃん」
若葉「ふにふにふに。くすぐったいの? 大丈夫よ、そのうち気持ちよくなるから」
風子「な、ならないよ」
若葉「なるの」
風子「ふえー」
場所は森
そんなこんなで数ヶ月後
若葉「風子ちゃんこのあたり足場がふあんていだから手を離しちゃだめだよ」
風子「うん」
若葉「あっみて。木の上に蝉がいるよ」
風子「うわー、ほんとだー」
若葉「おおきいねえ」
風子「すごいねー」
風子「あっ、もうすぐプールの時間だよ」
若葉「だったら駆けていこう」
風子「うん」
木漏れ日が差す森の中をあたしたちは駆けていく。
つないだ手は離さず。
この手はきっとこれからもずっと離れたりしない。
だってあたしたちはとっても仲良しなのだから。