Neetel Inside ニートノベル
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貧乳少女ペタンは男装趣味の露出狂
第三話「パイズリなんてしたくない」

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 クラスメイトの女子達が、好きな男子に朝の挨拶代わりにパイズリするのを、今日もペタンは物憂げに眺めていた。
「パイズリしよっか?」
「うん、ありがと」
 そんな気軽にパイズリ行為が行われるようになったのも、現在放送中のNHK大河ドラマ「パイズラーアカネ」が人気沸騰中のせいだ。胸の大きい女子高生はまるでパイズリすることが義務であるかのように、惜しげもなく乳房を露出させ、好きな相手のちんちんをその肉に挟んで射精させている。飛び散る精液の放つ臭いにみんなすっかり慣れてしまった。
 ちなみに校則違反ではないのでパイズリは黙認されているが、本番行為は禁止である。だって女子高生は未成年だから。
 みんなみたいに気軽にパイズリ出来たら、普通の恋愛してたのかな、露出趣味も男装癖も持ってなかったのかな、とペタンは思う。胸に肉がないというだけで、教室の朝を精液臭くする権利も与えられない。貧乳の身としてペタンは「パイズラーアカネ」を観るのが辛かった。一昨年の「露出狂王みく」の主演女優のサインは家宝にまでしているというのに。

「ペタンさんはどうしてパイズリなさらないの?」
 クラス一のイケメンをたった今射精させたばかりの赤富士ボボイコは、乳房に飛び散った精液をウェットティッシュで拭きながら、嫌味たらしくそんなことを言った。
「ボボイコさん、おっぱいはパイズリするためにあるのではなく、子供に乳を与えるためにあるのですよ」
「そんなこと言ったって、胸がなければ子供を産むどころか恋人を作ることもままならないのでは? よしんば産めたところで、あなたの乳首を赤ちゃんは吸ってくれますかしら。掴めるところもないのに、肉と乳首の区別すら難しそう」
「私の子供がテクニシャンでないはずがないわ!」
 そんないつもの風景をスルーして今日も退屈な授業にペタン達は飲み込まれていく。休み時間にはまた栗の花が咲き、昼休みと放課後にはどこかでひっそりと校則違反が行われる。ボボイコもその一人であり、ほとんど人の来ない、第三視聴覚室(性教育映像専門)脇の女子便所でパパンがパンとセックスに励んでいた。しかしそこはペタンが下校前にひっそりとブラジャーを外すために立ち寄る便所でもあったのだ。
「ふが、ふ、ふふふ、ふは、ふがが、あーっはっはっは」押し殺すことの出来ない喘ぎ声がボボイコの口から漏れる。相手の男子は少しばかり引き気味で、ちんちんも少し萎えかけていた。
「お前なー、演技でもいいからもうちょっとどうにか出来ない?」基本的にデリカシーのある男子高校生なんてこの世にいない。え、何? と自身の錯乱っぷりを意識していなかったボボイコは困惑してしまった。
「もういいからパイズリしてくれ」
「うん……」
 隣の個室で聞き耳を立てつつ股間をいじくっていたペタンもさすがに同情してしまった。胸があるせいで、胸にしか価値を見出されないという非劇もあるのだ。射精後、男子生徒が一人そそくさと便所を後にしたのを確認してから、ペタンはおもむろにボボイコの前に姿を現わし、精液まみれの彼女をぎゅっと抱き締めた。
「ペタンさん? う、うお、うおおおおお」
 優しさの不意打ちという凶器に撲殺されて、ボボイコは涙を流しながら吠えた。制服越しにではあるが、二人の乳首が重なった。

 翌朝、ボボイコはいつものように「パイズリしよっか?」と言いながら明るい笑顔を作っていた。ただし男子生徒にではなく、ペタンに向けて。
 ペタンはちんちんを持っていなかったので断った。しかし、悲しそうな顔のボボイコに「いつかちんちんが生えてきたら、お願いするね」と声をかけると、ボボイコは破顔一笑し、「その時はパイズリどころじゃないことを!」と声高に叫んだ。しかし運悪くそのタイミングで担任の教師が教室に入ってきたため、ボボイコは停パイズリ一週間を命じられてしまった。
 年頃の女子高生にとってのパイズリ禁止がどれほど辛いことかは、一瞬レズに目覚めかけたボボイコが、禁の解けた途端学校中の男子をパイズリして回ったことからも知れる。
 健康のためにも、する方もされる方もパイズリはほどほどにね!

       

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