Neetel Inside ニートノベル
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世界を救うのは俺だ!
プロローグ

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○プロローグ「世界終焉のお知らせ」

 20××年、世界各国の宇宙研究施設に、地球外生命体からのメッセージが届いた。

 ご丁寧に、各国それぞれの言語にて綴られたメッセージ……ちなみに日本に送られたメッセージは以下の通り。
『突然ですが、この星をいただく事にしましたので、死ね』
『攻撃は七日おきに行うので、素直にやられてください』
『捕虜もいらないので、人類は終了ですね』

 この余りにも唐突で理不尽な内容を前に、これが本当に宇宙人からのメッセージであると信じる者は少なかった。ハッキングやウイルスなど……とにかく、最終的には平和な解決が望めるような可能性を信じていたのだ。
 しかしその可能性は、火星付近に謎の大型飛行物体が確認される事で潰えた。宇宙船らしきその物体こそが、恐らくそのメッセージの送り主なのだろうと、誰もがそう考えたのだ。

 だが奇妙なことに、人々はさほど大きな混乱を来たさなかった。人類に対する攻撃を宣告されていながらも、人々は心のどこかで、彼らの襲来を期待していたのかもしれない。
 勿論、その期待という言葉の中身は色々だ。終末思想や、楽観視から来る好奇心、話せば分かるだろうと言う能天気な思考……そして――

 そして、「敵」そのものに対する、期待。


 そうして宣告の日から丁度一週間経ち、地球に……巨大なドラゴンが襲来した。

 宇宙より飛来したそのドラゴンは、太平洋上空に降下し、そこから日本に向けて移動を開始。周辺各国の軍が協力し、攻撃を開始するも……そのどれもが効果的なダメージにはならず、結局ドラゴンはほぼ無傷の状態で東京湾へと到達した。

 けたたましく鳴り響くサイレン。慌てふためいて逃げ出す人々。日本は完全にパニックに陥っている。
 勿論、日本だけではないだろう。偶然日本が最初の標的になったと言うだけで、このドラゴンを放っておけばいずれ人類は滅ぶのだ。
 人々はようやくその事を実感し、絶望を募らせていく。

 そして後はただ、願うしかない。救世主の出現を。

 さあ……その時は来た。

       

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