Neetel Inside ニートノベル
表紙

神林さん
第壱話【すごくいたい】

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僕の名前は鬼塚 由(おにづか よし)

小学六年生だ

そんな僕の家には鬼がいる

昔々、僕のご先祖様のご先祖様の時代

日本には鬼がいた

鬼はその見た目から人々に嫌われていた

しかし僕のご先祖のご先祖はその鬼達と友達になった

いつしかご先祖のご先祖は【鬼塚】と呼ばれ、鬼の力を借り、戦争などに力を貸していた

今も僕の家は鬼と共にさまざまな仕事をこなしている

そんな鬼塚の名を持つ僕にもついに仕事が回ってきた

それは神林 かえで(かんばやし かえで)の護衛だ

じいちゃんは言った

「いい加減働け」

まさか小六でそんなこと言われるとは思わなかったけど我が家は特別なので仕方がなかった

勉強しなくていいのは嬉しいけど護衛なんてヘヴィな仕事を一人で任せられるとは思わなんだ

一ヶ月間、僕は新潟の山の中にある神林家に住むことになった

が、

     

「いやー来てくれて助かるよ!なかなかあの子話を聞いてくれなくてさぁ」

「はぁ…」

神林家までの道に道路はない

よって歩いて登ると聞かされた時は驚きついでに帰りたくなった

「年の近い子の方がきっと心を開いてくれるよ!がんばってね!」

「はぁ…」

さきほどからこの延々と続く山道を軽快に登りながら話をするのは神林家のお手伝いさんだ

やや肥満気味のどこにでもいるおばさんにしか見えないがこの長い山道を汗一つ掻かずにのぼっている

やはり神林家も特別な何かを持っているのだろうか

「あの…護衛と聞かされてきたんですけど…」

「あぁ…行けばわかるよ!」

なるほど



登り始めて小一時間、やっと神林家に着いた

お城のようにデカイ家だった

家もそこそこ広いがこれはかなりだ

「し…死ぬ…」

「ごくろーさん、今お茶持ってくるから居間でくつろいでてね」

そうさせてもらう…と思ったが居間の場所がわからず迷ってしまった

     

なんだこの家、迷路かよ

襖だらけでどこを開けても襖だ

おのれお手伝いさん、あまりにひどい仕打ち

重い荷物を引きずりながらひたすら襖という襖を開けた

そのとき他の襖とは柄が違う襖を見つけた

蓮だ、蓮の花が二枚の襖に描かれていた

これだ!と思い勢いよく開けた

瞬間、

目の前に「目」が現れた

「へ?」

「近い」

プチュッ!

一瞬で全身に電流が走った

気がするほど強烈な一撃を喰らった

股間に

意識が薄れ倒れ行く最中、僕は見た

蔑んだような目で僕を見る神林 かえでの姿を。

       

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