Neetel Inside ニートノベル
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SmileGame ~笑ったら死ぬ!?~
第一話

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俺、山田太郎は
金なし職なし彼女なし。
おまけに顔が悪い
嫌われるために生まれてきたようなものだと思う。

舐めちゃいけないのは、この顔の悪さ。
唯一の友人によると
「おまえ・・・顔だけで人殺せそうだな」
という事らしい。泣くかと思った。

だが、こんな俺にもチャンスが巡ってきたらしい。
まさに、俺にしかできない。
俺のための、俺だけの、俺のみが得をする。
そんなイベント。

それを発見したのは、ついこの間。
まだ、蝉が鳴き始めた頃だと思う。

俺は、コンビニのバイトから帰る途中
ビデオセラーに寄ったんだ。
別に何も借りる気はなかったけど
暑くて死にそうだったからな。

その店は、DVDだけでなく、漫画も貸し出しているタイプの店なんだ。
一冊手にとって、立ち読みしようとした時。
一枚のメモ帳のような物が、ハラリと落ちたんだ。

なんだ?っと思って手に取ると、QRコードだった。
コード以外何も書いてなくて逆にそれが、俺の冒険心をくすぐった。

コードをポケットに入れて、そそくさと店を出た。
あの時の俺は若干ニヤケていて、いつも以上にキモかったと思う。

早足で家へと帰り、そっとテーブルの上にコードを置いた。
ポケットから携帯を取り出し、読み込める状態にした。
準備は万端、鬼が出るか蛇が出るか!!

ピッ!!

読み込み完了の音が鳴る。
この瞬間、色々な想像が頭を駆け巡った。

詐欺!?ウィルス!?
いや、個人情報を特定されたりするのかも。

はぁ、しまった。
こんな事、全然考えてなかった。
最後の最後でURLに飛び込む勇気が出なかった。

しかしだ、逆にこれで金を盗られるといっても、盗るほどの金も無いだろう。
ウィルスと言っても、俺の携帯の個人情報など乏しいものだ。

最後の最後の最後!!
太朗を動かしたのは自嘲心!!

太朗はURLの文字の海へと飛び込んで行った。
そこにあった物は

「SmileGame?
笑ったら・・・負け・・大会?」












     

「SmileGame?
笑ったら・・・負け・・大会?」

読み進めていくと笑みが止まらなかった。
慌てて口元を隠すが、笑みはどんどんこぼれ落ちていく。

書かれていたことを読み解くと、こういう事らしい。

笑ったら負け大会
通称SmileGame
笑ったら負けという大会で
もし、笑ってしまったらその場で罰ゲームを実行するらしい。

開始日時は、来週の水曜日午後3時。
終了日時は書いていなかった。
優勝者には賞金3億円という事らしい。

一番驚いたのは賞金の額ではない。
この大会主催者の正体に驚いたのだ。

「鷹仁名グループ!?」

鷹仁名グループとは、芸人のみを取り扱う事務所のようなものだ。
だが、その力は絶大で、芸人のみではなく
球団や動物園やホテルなど、様々な事業に手を出している。

社長【鷹仁名 修】はまさに
大大大大大大富豪といっても過言ではない。

その大富豪が主催しているという事は、それだけの信憑性がある。
という事は、優勝すれば3億は必ず手に入るという事!!

芸人を主に取り扱っているから、笑ったら負け大会というのも
なるほど、合点がいく。

「やるしかねぇよな・・・」

太朗は震えていた。
もちろん恐怖などではない。

武者震い

まさに、そう。
自分の力が最大限に生かせる。
そんな、状況に太朗は
体中で歓喜していた。

その夜食べたカップラーメンは、とてもおいしかった。





       

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