Neetel Inside ニートノベル
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さて、このバイト。面接とか一切ないらしい。
バイトに来る人は居るが、バイトが始まって数時間で逃げるらしい。
逃げるってどんなバイトだよ・・・。
この部屋、ゴミだらけだから掃除だと俺は思うが・・・。
「さっそく、はじめてもらうわよ」
「はい。で、どんなバイトですか?」
「簡単よ、部屋の掃除」
「わかりました。でも、道具無いですね・・・」
「安心してちょうだい。あそこにあるから」
「あそこ・・・・・・」
指を指された方向を見てみても、道具なんて一切見つからない。
ただ、ゴミが続くだけ・・・ゴミの山、どうする。
「それじゃ、わたしそこのソファでやることがあるからよろしくね」
「わかりました」
行った。秋さんがソファに向かっていった。
「探しますか」
指差されたところをゴミを掻き分け道具を探す。
「みつからねー」
十分後
「いったいどこにあるんだ」
三十分後
「くそー、・・ゲホォ・・ゲホッ、ゲホゲホッ・・・くそー、みつかんねーよ」
五十分後
「あった、・・・この箱の中だな」
やっとの思いで掃除道具入れを見つける。
その中には、ゴミ袋が百袋ぐらい。多い。
マスクに、手袋。
基本的な道具が盛りだくさんだ。
「まずは、ゴミ処理からか・・・最初はここらいったいだな」
なにげに部屋全体がやけに広い。
逃げ出す理由は今のところ見つからない。
一日ゴミ掃除で五万なら少しぐらいの労働軽いな。
一時間後、時刻は午後六時を回った。
ゴミ袋三十袋くらい片付けたが・・・一応に減らない。
「逆に増えてね?」
さて、俺の後ろにはゴミ袋の山・・・これの処分が先だな。
「秋さん、ゴミ捨てたいんすけど・・・どこらへんですかね?」
って、これでわかるのか?
「えーと、どこら辺って・・・ビルの下の向かい側にあるわよ」
「はーい、ありがとうございます」
さて、中身が今にもはちきれんばかりのゴミ袋が三十袋。
ゴミ置き場はビルの向かい側。
このビルに入るのに階段下りて狭い路地をすこし通らねばいけない。
三袋づつもって行こう。

「くそぅ、つっかかりやがる・・・ぬけろー」
ぬけた、あとはゴミ置き場にっと・・・これで六袋。
このペースであと五回。いける。
「よいっしょっと・・・おわったー」
後の四回は楽に終わった。
「このペースで残り三回くらいで今日は帰らせてもらおう」
二回目が終了。
さらにラストの一回も終了。
「秋さん・・・今日はこのへんで帰ります・・・・って反応なし?」
俺は秋さんのほうに向かってみることにした。

「・・・・・・」
「寝てる・・?」
秋さんに近づきほっぺを軽くつつく。
「起きない・・反応なし、寝てるな・・・それなら・・・・・・・・・・よしっと、じゃお疲れ様でした秋さん」
紙に、軽く掃除をしておいたことと金は一ヶ月まとめて振り込んでもらうようにしておいてと書いておいた。
「これで一応大丈夫か・・・弁当もおいといたし」
俺は紙と一緒にコンビ二弁当を置いといた。
食べてくれれば幸いかな・・・なんて。
「しかし・・・あのゴミ屋敷はどうにかしなければいけないな、本当に至難の業だ」

       

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