Neetel Inside ニートノベル
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バイトをして帰ったら晩飯がないことに気づく俺。
今から作るのも面倒だし何より、買ったほうが安いしな。
コンビニに直行だぜ。

「な・・・な・・なぜ?弁当が一つもない・・・それにおにぎりにパンまでもが・・・まだ九時だぞ!くそっ」
どうする?こんなことがあっていいのかコンビニに弁当が一つもなくて・・・それにパンにおにぎりまで・・・。
「とほほほ・・・どうしたもんかな・・・探すしかないか・・・はぁー」
コンビニを出てもう一つ最寄のコンビニに。
「なぜだ・・・なぜない・・・おぉー神よ、これは一体何なのですか・・・教えてくださいませ」
しかし、神は非情だ。弁当の補給すらこない。
「もう一つ行くか」
そうして何件も回った。
余談だが、ここでスーパーでも行けばいいのにコンビニ周りをした俺はバカだと後で気づく。
今は関係ないが。
どんどん都心に近づいていく。
そんなところで秋さんに出会った。
しかもバイトであったときとはまるで雰囲気が違った。
バイトのときとは違いまさにできる女。キャリアウーマン?みたいな感じ。
格好も黒スーツにコートだ。
声でも一応かけておこう。書置きだけでは失礼だしな。
雇われてる身だし。
「あのー、秋さん?」
「ん?はいどなたかしら・・・あら龍刀君」
「どうも、あと龍刀じゃなくてリュウって呼んで下さい」
「そう、どうしたのリュウ君?」
「はい、実は・・・・・」
俺は事情を説明した。
つーか状況説明とか書くのめんどくせーとかは決死って思ってはいない。
「そうだったの・・・・」
「はい、」
腹の音がなる。
「あら」
「はははははは・・・はぁー」
「これから一緒にご飯でも食べにいかないかしら?」
「ご飯ですか・・・でも金が・・・」
「お金の心配はしなくてもいいわよ、奢りでいいわ」
「そんな・・・いいですよ」
「ふふっ、子供が遠慮しないのよ・・・さぁいきましょう」
「あ、秋さん」
秋さんに無理やり腕を引っ張られれる。

着いた場所はというと・・・・・ここはどこ?
めちゃくちゃ豪華な内装。そしてどこかは分からないビルの上。
俺以外の客は全員、秋さんもちゃんとした高そうな感じの服を着てしっかりときまっている。
「なんですか、ここ」
「ここはたまに食べに来るお店なのよ」
「たまにこんな高そうな店に来るんですか?」
「高い?そんなことはないわよ、ふふっ」
秋さんって一体何者ーーーーー?
なに、この店どう見ても高いでしょ。
こんなところ俺なんて一回もきたことないよってことはないけど絶対高いよー・・・。
「いらっしゃいませ、古代様。どうぞこちらへ・・・夜景の見えるお部屋をご用意しました」
「ありがとう・・・さ、いきましょうリュウ君」
「あ、はい。秋さん」

なんか、個室に来た・・・綺麗な都会の夜景つき。
いったい全体どういうこと・・・秋さん何者ですかーーー。
心の叫び、一旦終了。
「何食べる?」
「え、えーと・・・どれ食べればいいんでしょうか?」
「それなら、私と同じの食べる?」
「あ、・・・はい、そうしてくれれば」
「わかったわ、ちょっといいかしら」
秋さんが呼ぶとすぐに誰かが入ってきた。
「はい、ご注文おきまりでしょうか?」
「料理はいつもどうりコックのおすすめでお願い、飲み物は彼にはジュースを。私はワインでお願い」
「かしこまりました。少々お待ちください」
コースって何ー・・・コースって・・・フル?みたいなやつですかっ。
あぁ、だんだん混乱してきたぞ。秋さんって何の仕事してるんだー。
そうか、聞けばいいのか。
「あの、秋さんってどんな仕事をしているんですか?」
「あら、突然どうしたのかしら?」
「いえ、気になったもので」
「そうね・・・な・い・しょって事でどうかしら?」
「内緒ですか・・・内緒・・」
「納得できないかしら?」
「いえ、別にかまいませんよ。」
「ふふっ、そう」
ドアがノックされた。
料理が運び込まれてきた。
テーブルに順番に並べられる。
見たこともない料理ばっかり。
しいていうならテレビの高級料理店の料理にこんなのあったかなーみたいなのばっかり。
「さ、食べましょう」
「・・・・・!は、はい」
一つ一つ食べていく・・・。
庶民には分からぬ味だが、とにかくうまい。
いつもならパパッと食べてしまうが・・・ここではそんなまねできない。
お行儀良く食べなければ。
「おいしいいですね、秋さん」
「そうね、これも食べてみてちょうだい・・はい、あーん」
「いいんですか?・・・それでは、あーん・・・・おぉ、うまい」
「ふふっ、そうね。前にもこれは食べたの。おいしかったからあなたにもね」
「ありがとうございます」
しかし、見たこともない料理ばっかり。
何がなんだかわからん。
これは一体何?見たいな料理ばっかり。
ばっかり、言ってばっかり。
自分で言っていてさむい。
そこからは、他愛もない世間話なんだけどちょくちょく意味の分からない話が秋さんから聞こえてくる。
そこは流す。とにかく流す。
「きょうはおいしい料理ありがとうございます。それに奢ってもらって」
「いいのよ。そうだ、バイトは明後日にまた来て頂戴」
「わかりました。それじゃ、ありがとうございました。さよなら」
「さようなら」
俺は手を振って家に帰る。
「とにかく秋さんって何者?そこだけが無性に気になる」
家に着くとシャワーあびて後は寝るだけ。
俺は必ずいつも同じ時間に寝る。0時ピッタリに。
テレビではいつも同じ時間に起きるのがいいらしいが。

それから一週間はとくには変わったことはなくバイトをして学校いってそれだけだった。
あいかわらず、ゴミは減らないが。
笹野が学校で急に話かけてきた。
「ねぇ、ちょっといいかしら」
後ろから突然の声。後ろ・・・ってまさか。
「笹野?どうした?」
「この前の続きよ」
「このまえ?」
はて、この前とは一体何なのか・・・思いだせん。
「まさか、覚えてないなんてことはないわよね?」
「覚えてねーわ」
「・・・・・」
「怒ってらっしゃる?」
「もう、いいわ。覚えてないならこの話はなしね」
「あー、ちょっと待って・・・今、思い出すから」
話?いつ話した。いつだ・・・いつのことだ。
思い出せー、俺。
はっ、そうか・・・あの時話そうとしていたことか?
「あのー、五月始まってすぐの放課後の続きだよな?ほら、俺が笹野にスネを蹴られたときの」
「そのとうりよ。よく、覚えてたわね」
「まぁな、」
いやー、よかった。首の皮一枚ってところか。
いや、三枚か。
「で、続きってなんだよ」
「放課後でいいわ」
「って、なんだよ・・・まったく」

「放課後になったぞ。話ってなに?」
「偉そうね、」
「え、偉そうではないです。はい」
「行くわよ、」
「は、行く?」
笹野に連れられどこかに行くことになってしまった。
道中見覚えのある場所を通り・・・ついた場所が。
「ここか」
「えぇ、ここよ」
ゲーセンだ。一ヶ月前くらいに行ったゲーセンだ。
「でも、なぜまたここに?」
「負けっぱなしは許せないからよ」
「あぁ、そうですか」
「さ、やるわよ」
最初は前と同じシューティングだ。
ここは俺があっさりと勝利。
「なんでよ、練習したのに」
「練習したんだ。俺、結構これ苦手なんだよ。ゲーセンのシューティング」
「苦手ですって・・・。ふんっ、もう一回よ」
それからもう一回やった。俺の圧勝。
もう一度と笹野が言い出しやがった。
それから何度やっても俺が勝ち。
最後にもう一回と言ってきたから最後だからばれない様にわざと負けようと思ったけどやっぱり圧勝。
「イラつくわね、次よ」
「次って・・・」
次はレースゲームのようだ。
俺の一応得意としているゲームだ。ゲーセン限定だけど。
一応得意って事だから圧勝。
距離をあけての圧勝。
俺が住んでたところはゲーセンなんて一つか二つしかない。
モールの中にあるやつだ。
種類もないし金もない。ゲーセンなってほとんど行ったことないんだよね、実は。
これ言ったら、殺されるな。
「次、いくわよ」
「って、おい。待てっつーの」
それ以降あいつの奢りでどんどんゲームをしていった。
百円をでっかい袋から一枚一枚取り出していた。
何円持ってきてんだ。
「おい、金は大丈夫なのかよ」
「心配無用よ。頼んでこの袋に百円玉作ってきたから」
「そうか・・・」
最終的にクレーンゲームで最後の勝負になった。
「で、どうやって勝敗を決めるわけ?」
「簡単よ、何回目でこれを取れるかよ」
「あー、そゆこと」
一回目、笹野の挑戦
人形を掴む・・上に持ち上げる・・・移動。
落ちる、入る、出る。
「やったわね、一回で人形をとったわ。次は龍刀、あなたよ」
な、なにーーー。
一発だと・・・おれはこの前はカッコつけてまぐれで取っただけなのに。
終わりか・・・どうにでもなれ。
「んじゃ、いきます」
百円投入。結果は取れず、負け。
当たり前。
クレーンゲームは一番苦手だからさ。
「負けだよ」
「本気だしたの?」
「だしましたとも」
「嘘じゃないわよね?この前のはなんなのかしら?」
「この前のはまぐれだよ、見栄張ってカッコつけただけ」
「まぁ、いいわ。それじゃそろそろ帰りましょう」
「へいへい、帰ります帰ります」
結構ゲーセンにいたな・・・二時間くらいか、?
ゲーセンを出たところで笹野が待っていた。
「あれ、車まち?」
「なんのことを言ってるの?行くわよ」
「行くってどこに!?」
笹野が駅に向かって歩き出す。
どこに行くのやら、ついて行くしかないか。


       

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