Neetel Inside ニートノベル
表紙

オタクな俺とお嬢様
2

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「おーーい、笹野どこに向かってんだよ」
笹野からの反応はなし。完全に無視。つーか、シカト状態じゃね。
いや、無視されるのは別に慣れてるからいいんだが・・・それより。
さっきから右側にあるこの高い白い壁は何?上のほうに鉄柵がついてるし。
侵入禁止みたいな感じだ。
しかも、この白い壁が現れてすでに結構歩いてる。
どれくらい長いんだと思った。
俺は笹野の後ろを歩いていたが途中から横を歩き出した。
それでも無言。辛いわけではないが・・・なんか重い、笹野との無言重い。
「笹野さーん。一体どこに向かってるんですか?」
「・・・・・・」
はい、無視。
ここで帰ってもいいがさすがに女の子を危険な夜道に一人にして帰るわけにはいかんしな。
どうするか・・・。一応、最後までついていこう。

少し歩くと何かが見えてきた。白い壁の終わりだろうか・・・。
あいにくと目がそんなに良くないから、よく見えん。
徐々に近づく、でっかい門が現れた。
「なんじゃ、これ」
びっくりした俺よそに笹野が切り出した。
「これ、私のお家よ」
「へぇ~、笹野の家・・・家――――――――!?」
「なに、驚いてるのよ?」
「いい、いやーだってこの白い壁・・・」
俺が歩いてきたのは、この門を中心とする半分だけだ。
ということは、あわせるとどんだけ広いんだよー。
まじか、まじなのか。とないにこんな広い場所が・・・しかも家!
でも、門から覗くと何も見えない。って、わけでもないが明かりが空にうっすら見えるだけ。
建物自体はまったく見えない。
しかし、一応俺の目的は達成された。笹野を家に送り届けた。ミッションコンプリートだ。
「そうか・・・笹野の家に着いたか。笹野じゃな、俺帰るわ」
俺はまた元に道を歩き出そうとしてあいさつをした。
そのとき、笹野に呼び止められてしまった。
これ以上何があるのか。
「ちょっと待ちなさい。よって行きなさいよ」
「はい!?」
笹野は頭がおかしくなってしまったらしい。
俺に家によって行けという。
どうしたんだ・・・何かの陰謀!?なんてあるわけねーか。
「なんで?」
「いいからきなさい!」
「別にかまわないけど」
そうすると笹野が門に近づく・・・急に門が開く。
「どうなってんだ?」
しかし、門をくぐると歩く距離は門のときよりは短いと思うがかなり長い。
やっと建物が見えてきたと思ったら・・・。
「デカイ・・・デカイ・・・デカイ」
「でかいでかい、うるさいわよ」
そういうと笹野は扉を開けた。
その瞬間扉の向こうから何かが飛んでくる?
いや、誰かはわからんが人が突っ込んでくる。しかも、なにか叫んでる。
「姉さんーーーーーーーーー!」
姉さんと叫んで突っ込んできていたのは男だった。
笹野に抱きつこうとしたのかはわからんが、あっさりかわされ地面をすべる。
「姉さん、何でよけるんだい?」
「うるさいわよ、道彦」
「だけど、姉さん」
道彦と呼ばれているらしいその男は笹野のことを姉さん・・・姉と呼んでいる。
つまりは姉弟か。
「姉さん、そこの男は一体なんなんだ!?」
道彦とかいうやつは俺を指差した。
なぜかすげー睨まれてる。
「あ、おれは笹野の友達の赤城、赤城龍刀。よろしくな」
手を差し出す。しかし、無視して俺の手を叩く。
握手はしないようだ。
「姉さんの友達?」
「そうだよ、なぁ笹野」
「そうね、友達よ」
「そんなのはどうでもいい」
「自分から聞いといてどうでもいいのかよ!」
なんか、ツッコんじまった。俺ってツッコミじゃなくてボケだと思うんだが。
そんなことはお構いなしに道彦はどんどん俺に質問してくる。
半分どころか全部、興奮しているのか何言ってるか分からん。
そして、うるさい。叫びすぎだ。
そんなとき、もう一人ドアからでてくる人がいた。
今度は女の子だ。
「お、お兄さま。お姉さまが困ってるから・・・その・・その辺にしたら・・・」
「ただいま、美花」
「あ、お姉さま。・・お・・・おかえりなさい」
「それより、道彦はいつまでもうるさいわよ。早く入りましょう」
「あ、・・姉さん。しかたない」
笹野たちが家に入っていく。
「早くしなさい、龍刀。」
「あぁ、」
何か、この先不安だらけだ。
不安だが、この家は探検してーな。庭も。
おもしろそうだ。

       

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