Neetel Inside ニートノベル
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あれから一週間がたった。
今では、普通に桐谷と鈴木と普通に遊ぶ友人となった。
しかし、鈴木と桐田に以外の友人は一切いない。
アドレス帳には高校の友達のアドレスはこの二人だけだ。
あとは、家族と中学の友達のみ。まぁ、まだ一週間だからな友達はまだまだ作れると俺は心の中で思い続けている。

今日は週明けの月曜、こういう日はものすごく憂鬱な気分になる。
今は、駅から校門に向かっている途中に馬鹿でかいっていったら変だが、あの、金持ちみたいなのがよく乗ってるようなながーい車が前をよぎっていった。
「あんなのが、本当にあるとは」
俺は、驚きのあまりすこし立ち止まってしまった。
まぁ、気にはしないが。
校門の前で桐谷がひとりだるそうに歩いてるのを発見した。
声でもかけてやるかと思った俺は、ふざけた勢いで気合を入れてやろうと桐谷の背中をめいいっぱい引っ叩いた。
「ようっ、きりた・・・うわっ」
力みすぎた。空ぶって転んでしまった。
周りの目が一斉に俺に注がれた。
死にたい。恥ずかしい。
「なに、やってんだ。リュウ」
「え、あ・・・なんでも」
恥ずかしさのあまり桐谷の目すら見れなかった。
俺って・・・・。
「まぁ、いいや。教室行こうぜ」
「だな、」
桐谷と一緒に教室に向かった。
ホームルームが終わると、俺は桐谷に今日の朝の車の話をした。
「なぁ、桐谷」
「なんだ?」
「あのー、なんかアニメとかでさあるじゃん、長い車?」
「はっ?なんのこと?」
「ほら、黒い長い車だよ」
「あぁ、あれか。 それがどした?」
「いや、朝に見たんだよ」
「おぉー、すげー」
「なんだよ、その反応」
「いや、俺だって見たことあるし」
「まじかよ!そうそう見れねーもんだろあんなの」
「やぁ、何の話をしてるの?」
後ろから、声をかけた。振り返ると鈴木が立っていた。
「あれだよ。金持ちがアニメとかなんかでよく乗ってる黒い長い車」
「あれね。それがどうかしたの?」
「あぁ、俺朝に見てさ」
「僕も見たことあるよ、最近だけど」
「本当かよ!?そう簡単に見れるもんなのかよ・・・」
「ちげーよばか」
「なんだよ桐谷」
「その車な、学校にいれば朝と放課後に必ず見れる」
「はぁ?なにいってんだよ、ありえねーだろ」
「あのな・・・」
予鈴がなった。1時間目は数学だ。予鈴とともに数学教師が入ってきた。
正直俺は、数学はちょい苦手だ。だが、寝るわけにもいかず淡々とノートに書き写していった。
昼休み、桐谷と鈴木と飯を食っていた。桐谷が朝の話の続きを話し出した。
「そうだ、朝の話だけどよ。リュウ」
「なに?」
「あの車だよ」
「あ、朝と放課後は絶対に見れるってやつだっけ?」
「そう、」
「でも、どうしてだよ?」
「その理由な、あいつなんだよ」
「あいつ?」
そう言われ指差した方向には、金髪で緑色の目をした美少女がいた。
「あいつ・・・だれ?」
しかし、俺はあの美少女をしらない。
「は!?知らないって、お前・・ほんと・・」
「な、なんだよ」
桐谷が頭を抑えて呆れた感じで俺を見てくる。イライラする。ぶっ飛ばしてやろうか。
「知らないんだ、リュウってあまり周りを見ないよね」
「はっ?鈴木までなに言ってんだよ」
「なにって、彼女凄く有名だよ」
「有名?」
「あのなー、お前自己紹介ちゃんと聞いてた?」
桐谷が聞いてくる。
自己紹介、それは睡魔との闘いだった。正直、まったく聞いてなかった。
「えーと、まったく聞いてなかったな;」
「はぁー、ならあいつのこと教えてやろうか?」
「なに、知り合いなの?」
「ちげーよ、ばか」
「じゃ、なんなんだよ」
「なんでもねーよ、つーか知りたくないの?」
「別に知りたくはねーよ」
「な、なんだと。おい、教えてやるよ」
「いや、いいって」
「うるせー、教えてやるよ」
「わ、わかったよ」
桐谷が軽くムキになってる。なんで、そんなに教えたがるのかわからん。
「あいつは、笹野 里沙(ささの りさ)。笹野って聞いたことあるだろ?」
「笹野?聞いたことねーよ、自己紹介聞いてねーから当たり前だろ」
「なっ、ありえねー。なぁ、鈴木」
「そうだね、僕でも知ってるのに」
「はっ?鈴木までなにいってんだ?」
桐谷と鈴木はなんだか呆れている。なぜだ?
「本当にしらねーの、リュウ」
「あたりまえだろ」
「はぁー、なら教えてやる。あいつは笹野グループのお嬢様だ」
「笹野グループ?」
「なにっ、笹野グループも知らないの!?」
「な、なんだよ。つーか、静かにしろ!目立ってる」
「あぁ、まさかな。笹野グループすら知らないってお前どうなってんだ」
「ど、どうって・・・・こう?」
俺は自分の顔を指差した。
「もぉ~、どうでもいいや」
「な、なんだよ、ったく」
「まぁ、でな。笹野グループっていうのは世界クラスの長大会社でな、まぁ超超大金持ちでな」
「で、それがどうした?」
「だから、つまりはあいつはその会社のお嬢様で超大金持ちなわけ」
「うんうん」
「わかった?」
「えーと、あいつが大会社のお嬢様で金持ちなんだろ」
「そう。で、お前が朝見た車の所有者ってことだよ」
「へー、ってなに!?」
「驚いたか?」
「いや、全然まったく」
「なっ、なっ、なんだよ!つまんねーな」
「はー、あいつがあのながーい車の所有者ね」
「だから、そういってんだろ」
「そう。あ、俺さいいこと思いついた」
「はっ!?」

放課後、俺は一人座りながら夕日を眺めていた。
しかし、一人といったが一人ではない。
笹野 里沙、あいつが残っている。
窓際のせきでひとり本を読んでいる。
俺は、席を立ち笹野の近くにいった。
「なぁ、」
笹野に声をかけた。
正直、しゃべりたいと思った。昼は誰ともしゃべらず本を読みながら昼食も食べずにずーと座っていた。
あとの、休み時間もそうだ。俺はこいつたぶん友達いないと思った。
まぁ、それは声をかける理由でもないし、きっかけでもない。
ただ、本が気になったから声をかけた。ただ、それだけだ。
だが、笹野からは予想もしてなかった言葉をいわれる。
「なに、あなた?私によう?」
「えっ、えーと」
「ないならあっちいってくれないかしら?忙しいの」
ありえん、つーかこんなやつなのか。
それに、忙しい?ただ本読んでるだけじゃね。
「えー、っと。本なによんでんだ」
「本?なんでもいいでしょ、あなたには関係ないわ」
「えー、いやほんのタイトルぐらい教えてくれてもよくね」
「まぁ、いいわ。明治開化 安吾捕物帖っていうの。推理モノよ」
「明治開化 安吾捕物帖ねー、おもしろい?」
「まぁまぁね」
「まぁまぁか・・・。」
俺は、明治開化 安吾捕物帖を知っているのだ。
さて、これでネタは確保した。あっ、ネタっつーのはいわゆる話題ってやつだ。
俺は、話題のことをネタと呼んでいる。
「あ、来たわね。さよなら」
「あ、あぁ」
笹野は鞄を持って教室をあとにした。
俺は、ながいあの車の
所有者が笹野だというのを思い出した。すぐさま、窓の外を見てみる
「あっ」
そこには、あの長い車とそれい乗り込もうとしていた笹野がいた。
「まじかよ」
俺は、すこし驚きながら家に帰宅した。



       

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