Neetel Inside ニートノベル
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朝、俺はいつもよりも二時間早く起き朝食を食べ、制服に着替え鞄をもちいつもよりも1時間半はやくに家を出た。
目的はただ一つ。それは、あの笹野の車を見るためだ。
いや、正確にはあの車を追いかけるのが目的だ。
なので、家から昨日車を見かけたところまでは自転車で来ていた。
目的の場所には三十分でついた。
早くきすぎてきてしまった。
俺は、1時間ずーっと自転車に乗ったまま昨日のあの場所で待ち続けた。
一時間後、とうとうあの車がやってきた。
一個手前の信号で止まっている。
俺は、自転車をこぐ準備をしてまった。
「きた」
車が目の前を過ぎると同時に俺は自転車を走らせた。
二ついった信号で左に曲がった。俺も追いかけて左に曲がる。
すぐさま次の信号が赤で止まる。俺は車の横に自転車をつけた。
車を見てみると、笹野がいた。その奥に・・・、もう一人、人がいたが顔がはっきり見えなかった。
他にもう二人向かい合うように座っていた。
どうなってるんだろうな、この車。
そんなことを思っていると、信号が青になった。
車をまた追いかける。
少し進んだところで、あることにきずいた。
車は、学校には向かっておらず他のところに向かっているようだ。
どこかは、わからないがこのまま追いかけてみよう。
少し進んだところで、車が停止した。
止まった場所を見てみると、そこは中学校だった。
俺は、車から少し距離を置き隠れるように覗いた。
車からは、金髪の男子と黒髪の女子が降りて正門をくぐりぬけていった。
車はすぐさま発進し、俺も追いかけることにした。
すこし、さっきの金髪と黒髪が気になるが、いまはほうっておいた。
「ぜぇ・・はー・・ぜぇ・・・はー」
さすがに疲れた。
車は少し速度を上げ頑張ってこいでも追いつかないぐらいになっていた。
何気に今日は車のとうりが少ない。
「な、・・なん・・で・・今日に限って・・はー・・車のとうりが・・ぜぇ・・はー・・すくないんだよ!」
俺は、今日に限って車がぜんぜんとうらないことを恨んだ。
結局、車は見えなくなるし、道には迷い・・・つーか、東京にきて一ヶ月もたたないのに道なんてわかるはずもなく、学校にも遅刻してしまった。

昼休み、俺は昨日と同じく鈴木と桐谷と昼飯を食っていた。
「きょうは、どっと疲れた」
「疲れたって、今日遅れてきたことと関係あんのか?」
「あぁ、聞くか?」
「あたりまえだろ」
「僕も聞きたいよ」
鈴木も乗っかってくる。
「実はな・・・・・・・・」
俺は、朝早く起きて車を追っかけたことを話した。
「お前、バカだろ」
「うるせーな、別にいいだろ」
「あのな、何で追いかけたんだよ」
「えーと、何かやりたかったから?」
「ま。理由ねーのかよ・・・本当にバカだろ」
「あぁ、そうですよ。バカデース」
「なんで、最後カタコトなんだよ」
「そうだよ、」
そんなことを言いながら、あとはたわいもない話で盛り上がる。

放課後、俺はまたも一人教室に残って・・・いや、笹野と二人教室に残っていた。
俺は、何を思ったのかまたもや笹野に声をかけていた。
「なぁ、また読んでんのか安吾捕物帖」
「なに?」
「いや、だから今日も一日中読んでんなーと」
「あなたには、関係ないでしょ。もう帰ったら」
「なんだよ、つめてーな」
「ふんっ」
笹野は、そっぽをむいてしまった。
俺は、そのまま笹野を見続ける。
「なに!?」
「いや、なんでも」
「用があるならさっさと言ったら」
「いや、安吾捕物帖おもしろいかなーと」
「そんなこと?えぇ、面白いわ」
「だよなー」
「もう、用は済んだんでしょ!帰ったら」
「なんだよ、少しぐらい話そうぜ」
「うるさいわね、あなたとなんか話さないわよ」
「はぁー、お前友達いる?」
「な、なによ!あなたには、関係ないでしょ」
「お前、いつも一人だけど学校楽しい?」
「楽しい?そんあの関係ないでしょ」
こいつは、なんなんだろうな。まぁ、俺もだけどな。
「はぁー、まぁ何でもいいや。お前さあの長い黒い車に乗ってきたろ、今日」
「は、長い車?なんのこと」
「いや、だから、・・・んー、昨日帰っときに乗った車で今日も学校にきたろ?」
「えぇ、そうよ。それがどうしたの?」
「いや、中が気になってな」
「別に気になることでもないでしょう」
「お前はそうだけどよ。一般庶民の俺は気になるわけよ」
「ふーん、まぁでも見せたりはしないけどね」
「いや、見せなくていいよ。どんな感じが聞かせてくれよ」
「あのねー、わかったわ。中は結句広いわね。それに私がいつも乗るところは向かうように席が並んでるわ」
「ほうほう」
「小型の冷蔵庫と、座席にパソコンが装着されてていつでもインターネットが使えるわ。それに・・・・」
「もう、十分です。ありがとうございます」
「なによ、もうちょっとあるわよ」
「いえ、もう十分。想像を超えすぎていて理解不能。もういい」
「はぁー、さよなら。もう帰るわね」
「あぁ、じゃあな」
そのまま笹野は教室を後にした。
「俺もそろそろ帰るとしますか」
俺も帰ることにした。しかし、俺は思い出してしまった。
今日は自転車で来ているということを
「ははっ、もうーなんでこうなるかな」
俺は、自転車でひとりさびしく帰宅した。
結局、あの金髪と黒髪はいったい誰なんだろーな。
家に着いたのは、夜の九時を回っていた。
行きは、ケータイで地図を見ながらで簡単だったがあいにくケータイの電源が切れてしまっていてまた道に迷いかえるのに二時間もかかってしまった。
「最悪だ」
俺は風呂にも入らずに寝た。

       

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