Neetel Inside ニートノベル
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かぜが悪化してしまった俺。結局、学校を一日休んで・・・と行きたかったが入学早々休むのもなー、と思いながら嫌々学校に行った。
普通に休めばいいのにもかかわらずにだ。
俺は、馬鹿なんだろう。
中学というよりは、小さい頃から風邪がよくわからなかった。
いや、病気、怪我すべてだ。
骨折したにもかかわらず、ねんざだと思い放置、その結果一年後休み時間にサッカーをしたら折ってしまった。
保健の先生に、骨折といわれ病院にいった。そこで、知った。おまけに2回骨折していることを。
俺は、そういうやつだ。病気にかかっても、まじめに学校にいった。
逆に、学校を休むときは大抵、というかすべて仮病・・・。
本当に俺は、バカなんだろう。
自分で、自分をバカ呼ばわりしている俺はバカ?とか考えている俺はバカ?なーんて学校の通学途中考えていたけど・・・学校につくとすぐ忘れた。
桐谷、鈴木といつものように話す。
いつものように昼飯を食べる。
でも、風邪。
話しているときも、飯食うときも、鼻水が止まらない。
そんな感じで一日を過ごした。
放課後、俺はいつものように笹野と話そうと思った。
話になっているかはわからないが。
笹野は今日も一人放課後の教室で本を読んでいる。
俺は、何も思わずにいつもどうり話しかける。
「よう、笹野。また、安吾捕物帖?」
「・・・」
返答がない。
俺って、なにかしたか。
何もしてないと思う。普通に話しかけてただけだと思うが。
「笹野さーん」
「・・・」
またも、返答なし。
こうなったら・・・・・話しかけ続けるしか方法がない。
「笹野ー、」
「・・・」
「笹野嬢」
「・・・」
「笹野姫ー、笹野やまー」
「・・・」
「ささ・・」
「うるさいわね!」
「おぉ、」
「なに?用でもあるの!?毎回話しかけてきて」
「いや、用はないけど・・・毎回話しかけてるのは」
「なに!?理由あるならいいなさい」
「では、僭越ながら言わせていただきます」
「前置きはいいから、さっさといいなさい」
「えー、っと。んじゃ。理由は簡単で、話したいなーみたいな感じ」
「はっ!?なにそれ?ふざけてるんじゃないわよね?」
「え、えー。これじゃ駄目なわけ?」
「だめね!もっと、ちゃんとした理由がないなら二度と話しかけないで」
「な、なんだよそれ。理由なきゃ話しかけちゃ駄目なん?」
「あたりまえでしょ」
「そうかー、・・・それじゃあ」
「なに?」
「お前が毎日一人で机に座りながら本を寂しく読んでいたから、かわいそうだなーなんて思ったんで声をかけました。これで、どうだ!?」
「かわいそう?あのね、私は別に寂しくもなんともないわよ」
「寂しくないねー」
笹野は、寂しくないといった。本当だろうか?そこらへんは本人しかわからないよなー。
「なんでもないなら、話しかけないでね」
「なんだよ、そんなツンケンすんなよ」
「あなたには、関係ないでしょ」
「いや、関係はないけどさー。話すぐらいならいいじゃん?」
「あなた、そんなに私と話したいの?」
「そうだな、・・・話したいかもな」
「なっ、・・・・・まぁ、そう思っているなら少しくらい話す程度ならいいわよ」
「おぉー、・・・」
以外だった。話すぐらいならいいといわれてしまった。
てっきり、『はなしなんて、あなたとしても何にもならないでしょ』みたいな、反対意見が言われると思っていた。
意外すぎて、言葉が出ない・・・ってこともなかった。
「で、今回読んでる本はなんなんだ?」
「この前の続き」
「前っていうと、安吾捕物帖だな。下巻?」
「えぇ、そうよ。あなた、読んだことあるの?」
「あるよ、上巻下巻両方読んだよ」
「へー、どうおもう?」
「どう、か・・・結構面白かった」
「そうね、上巻までしか読んでないけど面白いわね」
「あぁ、面白かった」
それからは、少しだけ安吾捕物帖の話で盛り上がった。
時間が来た。笹野のお迎えが来たのだ。
「あら、来たようね。それじゃ、さよなら」
「おう、さよなら。また、明日~」
少しだけ、笹野とまともな話ができただけでもかなりの進歩だ。
俺は、話している間ずっと鼻水がとまらなかったが、気力と根性で耐えた。
鼻はもう大洪水状態。
「ティッシュ」
鼻をかむ。ティッシュを箱ごと持ってきていてよかった。
中学の頃から、ずっと箱もって来ていてよかった。
しかし、箱丸々一つ使ってしまった。
「そういえば、これ最後だったっけ」
俺は、箱とかんだティッシュを捨て、帰りに薬局によって薬とティッシュを購入して帰った。
風邪は、とうぶん治りそうにない。
「はっくし、・・・いつごろ治るかね?」
俺は、鼻が大洪水のまま眠りについた。

       

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