Neetel Inside ニートノベル
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五月五日、とうとうこの日が来た。
俺は、五月二日の夜に最後の非常食カップ麺をみつけた。
そのカップ麺はアキバに行く前に買ったやつでなくしていたはずだが奇跡的に見つかったものである。
で、俺はそのカップ麺を五月三日に食べた。
今までのどんな料理よりもうまく感じた。
さて、いま俺はATMの前にいる。
残金をみる。
金が入っていた。
さすがは我が父と母、ここはちゃんとしているな。
さて、金も取ったし急がなければ学校に間に合わない。
俺は、ここ最近徹夜続きなのだ。
腹が減ると本当に眠れない。実感したな。
眠れないから起きているのだが最終的に寝てしまう。午前四時か五時くらいに。
「つーか、本当に間に合わないかも」
余裕で間に合った。

昼、俺は少し多めにどころの話ではないほどの飯をかった。
フードファイター目指すつもりかって言われそうなほどの量を。
「おまえ、フードファイター目指すのかよ」
そこに、見事に予想どおりに桐谷が相槌を入れた。
「そんなわけないだろ」
「本当かよ・・・」
「あたりまえだ。今まで食わずにきたからすげー腹が減ってんの」
「お前、そんな勢いで買って食ってくと金もなくなるし、それに太るぞ」
「ふん、その程度で太ったりはせんよ、桐谷氏よ」
「あほっ」
桐谷に軽く頭をはたかれた。こいつ、磨けば最高のツッコミしになるのでは。
あほな事を考える。そこで、ある事を思い出す。
「そうだ、鈴木に桐谷。一つ聞いていいか?」
「なに?」
「なんだよ」
「お前らってバイトしてる?」
「俺は一応してるよ」
「僕はしてないな」
「そうか、なぁ桐谷。なんかいいアルバイト紹介してくれよ」
「いいアルバイトたって、どんなのがいいんだ?」
「手っ取り早く金が稼げるとこ」
「あのな・・・・いや、まてよ。一箇所だけあるぞとっておきの場所が」
「まじか!?」
「あぁ、確か火、木、土にくるだけで一日五万くらいのいいアルバイトがな」
「それは、すげーな」
「だろ!場所も今書いてやるよ」
「ちょっと、待て。おまえ何か隠してるだろ」
「なんのことだよ」
「とぼけんなよ。一日五万とかありえねーだろ。わけありだろそのバイト」
「まぁ、いってみれば分かるからさ」
「たくよ、まぁいいや。それより早く地図書けよ」
「分かってるっつーの」
「場所はちなみにどこ?」
「アキバ」

秋葉原の裏通り。今は夕方なのにここだけ真っ暗。
しかし、俺様は勇気はとても持っているのだ。しかも暗闇にはものすごく慣れている。
理由は、小学校のころから深夜に家を抜け出し真っ暗の中散歩とか色々したからな。
都会と違い、田舎は本当に暗い。だから、暗闇には慣れっこ。
「さて、いざ突入!おぉー」
さて、いきなりの階段だ。
ちょっと大き目のビルだと思うが正面には入り口がなく裏道にこっそりと階段がある。
「さて、メモに何か書いてあるな・・・なになに、階段があるからとにかく昇れ」
適当だ。とても、適当だ。
「桐谷の野郎・・・気にせず進むしかないな」
階段を一歩一歩慎重にけれどもすばやく昇る。
昇り終えると目の前に扉。
ちょっと大きい。
「さてと、ここだな。絶対にここだな。桐谷メモの絵にこれと同じ感じの扉がある。つーか、あいつ絵下手だなー」
ノックをする。
「はーい、誰かしら?用は何?」
中から女の人の声が聞こえる。
「あーえーと、ここでアルバイトがしたくて紹介してもらってきたんですが」
「え、アルバイト希望の子?入って入って」
俺は、ちょっと大きめの扉を開け中に入る。
「ゴホッ、ゴホッ・・・汚なー」
中に入ると目の前にはごみ屋敷が広がっていた。
「ごめんね、ちょっと散らかってるのよ」
「いやいや、ちょっとどころではないですよ」
さっきと同じ女の人の声が聞こえる。
姿が現れる。目の前にはものすごい美人がいた。
何条よりはちょっと短い青い綺麗な髪に、唇の下にほくろがありほどよい小顔。
でるところはものすごくでており、締まるところはものすごく締まっている。
大人の魅力のある女性だ。
「あなたが、バイト希望さん?」
「はい、赤城 龍刀です」
「そう。よろしくね赤城さん。私は、古大 秋(こだい あき)秋って呼んでちょうだい」
「秋さんよろしくおねがいします」
軽いあいさつと握手をした。
これから、どんなアルバイトをするのかものすごく気になる。
まぁ、予想はついてるけど。

       

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