Neetel Inside ニートノベル
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てらにいと!
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 こんにちは
 田中です。
 都会でニートしてます。
 働いたら負けです。
 とは言いつつも、親に買い物を頼まれました。
 26歳ですが、実は初めてのおつかいです。ててーん。
 渡された買い物メモには一言

 「面白いもの希望」

 「巫山戯るな」と、言いたいのですが、このおつかいは引きこもりがちの私の健康状態を、
 気にしてくれている母の『散歩してこい命令』なのです。
 むげにはできません。と、そんなことを思いながら出かける今日この頃。

           *
こんにちは
神主です。
賽銭で食いつないでます。
神主兼巫女です。
親の寺を継ぎましたが、他界した親に聞いてなかったことがあります。

「このお寺は何をまつっていますか?」

「巫山戯るな」と言われるやもしれません。
しかし世の中そんなものです。
掃除でもしてこようかな。等と考えてる中学生です。


     



家の前の通りを右に曲がって、違う景色あると思って後三度曲がるけど、やっぱり元に戻ってたり。


とかいうnowheregirlみたいなことをしばらくしていたが、なんかめんどくさくなって
左に曲がってみた。
そこに近所のお爺さんが倒れていた。大変だ。
「大丈夫ですか?」と、とりあえず訪ねてみた。
「……………。」
「…………………………。」返事がない。意識不明の重体だった。
先を急ごう。


二つほど十字路を突っ切っていくと、
そこに巫女装束の人が倒れていた。
またか、と思いつつ
「大丈夫ですか?」と、とりあえず訪ねてみた。
すると、腕がぴくりと動いて
「…ぅう……………銀杏お化けが………ぐふっ。」
と言って本当に動かなくなった。
俺の中の『面白いもの』の条件を満たしているので、
家に持ち帰った。

     

それを親に見せると誘拐とまちがわれたようで、勘当を言い渡された
そんな俺は、行く当てもなく公園でふらふらしている。
一時間ほど。
三時間だったかもしれない。
まあ、勘当されて、行く当てが無くやることもない俺には一時間だろうが三時間だろうがそうは変わった気がしない。
所詮カップラーメン20個か60個のちがいだ。それだけあったらどのみち食べる前に腐っちまう。
と、無駄なことを考えていると、「うーん」というかわいらしいこえがきこえた。どうやら起きたらしい。
とりあえず
「だいじょうぶか?」と訪ねると
「……………誰ですあなたは人間ですか?」と疑いのまなざしを向けてくるので
「田中であり人間だ。純粋なホモサピエンスです。倒れているおまえをたすけた」と倒置法を使って答えると
不思議そうな顔をして
「私を助けた純粋なホモ?」と返してきた、何でそこで切るんだよ。
俺は「違う」と断ってから
「どうしてたおれてたんだ?」と聞いた
しかし
「銀杏お化けが故に」
意味のわからない答えが返ってきた。
寝言翻訳機を要請する。
本気で意味がわからない。
「おまえは何だ」
「寺の神主兼巫女です」
「ヘーそうな……………は?」
一瞬頭がこんがらがった。
「寺?」
「はい」
「巫女って神社じゃね?」
「客寄せのための工夫です。私の親が考えました、和洋折衷というやつです」
「双方少なくとも洋ではないぞ」とつっこむと
「気にしないでください。それよりも恩人」と適当に流された
「なんだ」と聞くと
「助けられたお礼がしたいです。なにかきぼうはありますか?」
欲しいものか、あったっけ?………………………………………………………………………………あるな、超ありありだ。

「きまりました?」と、聞いてくる美しい笑顔の少女に向かって
「おまえを拾ったら無くした宿を借りたい」と言うと、
「意味がわかりません」
即答だった。まあ確かに端折りすぎた感じはあったな。
「まあ、あれだ、なんだ?えーと、おまえを拾って家に行ったら児童誘拐だと思われて勘当されたんだ」
と、俺は事の成り行きを説明した。
「え?恩人はロリコンだったんですか?ならば宿は貸せません、貞操のピンチです」
「何でそうなる」
「恩人の名字が安田だからです!」きっぱり言われた。しかしそうか、まあ確かに安田だったら仕方ないな。
いやまて、
「俺は田中だ」
「そうなんですか、ならいいです。宿を貸しましょう」凄い。なにこの子悪びれない。悪びれるそぶりがない。
「ありがとう」と感謝の言葉を述べると、
「ただし条件があります」と言ってきた
「なんだ」めんどくさいと思いつつも訪ねると少女は、

「うちの社の神になってください」

とても気持ちのいい笑顔でそういいはなった。
俺が言えることは一つ





「どうやって?」


       

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