右近は神妙な顔で顎の無精髭を撫でている。
 長瀬先輩さんはというと、さきほど部の後輩によって保健室へ搬送されていった。 
「俺の解釈が外れていたと……」
 そういうことだよ右近。
 だから今後は自分の体のために、なすび妖精とお風呂に入るのは止めた方がいい。わかったね!と、強気になれない僕。デブ16歳マヨ好き。 
 っていうか、さっきから僕が一生懸命説明していること聞いてるの?
 保健室の先生が言っていたこと、ちゃんと君の耳にとどいているの?
「よしわかった。ならば俺はこのときをもって今一度立川さんのオッパイガーディアンとなることを誓おう」
 胸に手を当てるほどのことでもないと思うよ右近。
 ま……。君が立川女史のオッパイを守るのは構わないけど。
「でも右近、君自身もそのペットを……」
 どうにかしないといけないんだよ。
 ほれ、その、捨てるなりなんなり。
 あ、いや、嘘です。なんでもありません。
 怖い顔しないで。
 右近……。
 だから、またなんで脱ぎ始めるの。

「さ、風呂に入りなおしだ。先輩に変なことされちゃったしな」
「あ……そう」
 相変わらず脱いでもたたまない。
「にしても、長瀬先輩、一体いつになったら俺を女の友達として認めてくれるんだろう」

 ん?

「え、右近、それってどういう意味?」
 君は前に自分が女子であるのを隠すため、男としてアプローチした人間だと……。
「ああ、ブーちゃんは知らなかったな。長瀬先輩は俺とふれあうことで女子嫌いを克服しようとがんばっている真正ゲイ高校生だ」
「じ、じゃあ長瀬先輩さんは右近が女子だってこと――」
「もちろん。知ってるさ」 
 ……。
 そ、そんな。
 そんなゲイ高校生に本気モードで襲われるんじゃ右近、君はもう、女子として本当に遅れなんじゃ。
 そうですよね、保健室の先生……。

 
 つづく