Neetel Inside ニートノベル
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折り返し、巻き戻る。
モノローグみたいな何か

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何事も物事には始まりというものがあると思うけど、僕はそれより前に予備動作みたいな、予告みたいな何かが存在しているとつねづね思う。
 小説で言うところの起承転結の《起》、序破急の《序》。もっとも僕は小説なんて読んだこと無いし、まして書いたこともない。むしろ文字を読んだらすぐ眠くなる性格なのでこの説明が適しているものかどうかもわからない。もし一個下の後輩である真白優奈にこのことを言えばおそらく『前置き含めての《起》であり《序》ですよ。先輩』と言う真っ当に聞こえるようなそんな言葉を返されるかもしれないけど……。
 まぁ返されたところで僕の頭は揺るぎなく、そのことをすぐに忘れるだろう。
 なぜこんなことを考えてるかだって? それはこれから始まるであろう展開への自分なりの心の整理と心構えだ。そのつもりだ。
 さておき、話を長くしすぎて僕が最初に何を考えるか忘れるくらいには冗長だったと反省しつつ、つまるところ僕が言いたいことは、僕宛に届いた怪しげな箱を開いたところで昨日あった真白ちゃんとの出来事が何のためかということも分かったし、嘘をつかれていたことも分かったということだ。まぁ嘘をつくこと自体この状況じゃ仕方ないとは思うけど、わざわざ真白ちゃんがこれに参加しているのがなぜなのかがわからなかった。暇だったのか、実は心の底で人を痛めつけたという気持ちがあったのか。
「まぁ大方……十中八九お金目当てでしょうけどね」
と、人の心を勝手に分析。正解率5%という折り紙つきである。
――200万。参加するだけで200万。とても破格だ、異常と言っても過言じゃない。まぁ必要経費と書いてるが十二分に余るだろうと思う。同じ一人暮らしの高校生の僕も心が揺れ動くくらいには大金だ。
 とりあえず、リビングで説明書をにらみながら考えながらそんなことを考えた。さて前置きの前置きはこれくらいにして昨日何が起きたかを思い出しながら創るとしよう。僕だけの能力を。
 そんなこんなで僕もお金目当てで参加することにした。
 別に自分自身で巻き込まれた真白ちゃんを助けるためだとかは微塵も思ってないんだけどね。

       

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