Neetel Inside 文芸新都
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この作品ができるまで

11月初旬
企画参加、題材が「0℃」と決まる。しかし手をつける気配なし。

11/17
うだうだを日々を過ごしたあと、流石にやばい。書き始めなければと必死にネタを書き始める。
―下記がその時の紙に書いたメモです。つっこみどころだらけです―

「0℃」
セルシウス度
氷の凝固点→凍る
冷めるほどに水は固型となっていく(?)→時間が止まる(?)
氷と水という二つが唯一同時に存在できる温度(ツイッターで「0℃とはなんぞや?」と呟いたら貰った言葉)

―ざっくばらんな物語のネタ
①想いは遂げられていない時が最も熱を持っている。遂げればあとは下がるだけ。そうやってやがてこの想いが凍り付くのを恐れる男の話。

②触れると相手の温度を奪い、凍らせてしまう。「雪女」と呼ばれた少女と、彼女に興味をもった男との、互いに距離を取り合っての恋の話。←その後これを骨格として採用する

③氷が凝固する様、それはまるで時が止まっているようだ。そう魅力を感じた男は、やがて自分の大切なもの、美しいものの時を止めて、最も美しい時で止めるべきだと考え始める。



②の結末構想:触れることの喜びを教えたい男は、彼女の手を取り「死してもこの想いのまま時が止まるなら、君と居続けられる」と考え、そして凍る。想い人を凍らせてしまった事、そしてそうまでして自分を愛してくれた男を愛し続けようと、彼女は全てを凍らせて、眠りについた(自分は凍れない)。数日後、音信不通となった事が気になり、扉が開かないことで警察が呼ばれる。扉を開けると、そこには凍りついた少女(何故か凍りついている)と男が互いに身を寄せているのだった。←凍りついた様の描写を強く。

・擬人化で、氷と水をお互いに出会えない、会いたいという間柄にした話にしてみる。


11/18
とりあえずせっかく結末まで考えたしその先を考えようと、人物設定を考え始める(まあほぼ没になったわけですが……)

・露野修……人付き合いの悪い少女の内の人柄(動物や花に対して献身的)を見て惹かれる。初めての恋という感情を感じ、つき放そうとする彼女にそれでも近づこうとする。触れると凍ると言われても、それでも近くにいたいと告白し、そして最後は氷漬けとなる。

・日野陽子……小さなころに突然発症した病気で母を氷漬けにして以来、家族から距離を置き、離れの小屋に住む。素肌で触れるとその物の温度を奪い取ってしまい、やがて凍らせてしまう。あまり人と関わらないようにしていたが、自分の日課を見て以来付きまとう露野を鬱陶しく思いながらも、惹かれていく。
自分を認め、露野と共に凍ってしまおうと思い、自ら小屋を凍らせ、そのまま眠ることで彼女は凍死する。その時露野と手を合わせて水をかけ、離れることがないようにする。


11/20(多分この日でした。メモ紛失した為記憶が曖昧です。すみません)
書かなきゃなーと思いつつ設定がいまいち気に入らず放置。バイトでのんびりとレジを打っているときに「ああ、手記形式にしよう」と思いつき、そこからレジを打ちながらメモに設定を書きなぐるという暴挙に出る。うまくカモフラージュするため、店内を回っている時間では新書コーナーで二、三冊本を抜き取って確認するフリをしつつネタのメモをとるというテクニカルな行為に出てみる。意外と楽しかった。正直怒られても何も言えなかった

・もうひとりの女性の暗躍で男性を奪われてしまう。だが男性は主人公のもとに戻ってきて、そのまま凍る。ラストで実は凍っていたのは三人という展開にして、ひきつった形相で氷漬けになった女性を書いて終わらせる。
・恋人を作った男性。だが主人公は諦めきれず結果彼を凍らせてしまう。幸せそうな主人公の凍死体と、氷漬けで苦しむ男性の姿が小屋の中にあって終わり。


11/22
本腰を入れて書き始める。書き始めた時はホラーっぽい形式で終わらせようと本気で考えていた。しかし手記風で主人公を書いているうちに、これはむしろハッピーエンドっぽく終わらせてもいいんじゃないかと考え始め、先に結末として刑事の「これはハッピーエンドとみていいのだろうか」から三行分くらいを書き、そこに繋がるように書こうと思い立つ。

11/23
一日フルだと思ったら色々な出来事が重なり、結果帰宅が九時頃となる。これはやばいんじゃねー? とか思いつつ自作品の短編を上げる。

11/24
大体7000文字くらい。話としてはラスト書けば終わりくらいまで出来上がる。このあたりで「遅筆締切に間に合わなかったら懺悔ラジオ」に「誤字とかあったらラジオ参加しろ」と某先生に参加条件を追加される。ほんとだったら結構焦るけど、ほんとにされそう。

11/25
どうにか話がまとまる。6000前後でまとめようと思ってたら10500字でフィニッシュ。大体二倍くらいになったでござる。

11/27
折角だからと、作品を紙に印刷して鉛筆とかで推敲する方法をとってみる。更新作品だと紙の問題もあってやりにくい方法だからか新鮮に感じる。あとは液晶で見るのとまた違った風に見えて、どこどこの文章なんか温かみがないなぁとか、色々と感情の入り方まで気にするようになる。

12/2
推敲完了。ひとまずはこれで完成でいいんじゃないかなと思いつつ、そういえば制作日誌みたいなのをつけてないと思い立ち、これを書く。
タイトルが思いつかない。なんだよ「雪人魚姫」って。人魚姫とか話に全く入ってこないのに仮タイトルとしても酷過ぎるよ。

12/7
タイトルが決まらない。古語を使ってタイトルを作ろうと思い立ち、初めに「なべていとおし」というのを考える。普通であることを愛おしく思うという意味合いだが、いまいちピンとこないしそもそも文法平気なのかなとか悩み、却下。

古語辞典を取り出して適当にひきながら言葉を探す。
「袖の雫……ほう涙か……」
「袖にあまる……袖に包みきれないほどの涙……。雪でなんかないかなぁ……霰(あられ)!!あられいいじゃん!!」
――こうしてタイトルが「袖に余るは霰なり」となったとさ。

これにて完成。

・まとめ
日誌のような形式で出来上がるまで書きましたが、正直僕のこの手のつけなさとかいろいろと参考にならないくらい適当さがにじみ出ています。こんな風に書く輩がいるのかくらいで受け止めてください。

       

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