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そんな二人の花鳥風月
テーマ5「正月」

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★毒にも薬にもならない豆知識★
ゐ墨→ 引き篭もりちっくな吸血鬼。
リコ→ 天使ちっくな天使。


テーマ5「正月」


「新年です。1月です。お正月です」
「暇っスね。流石は正月」

「基本的に、ゐ墨君はいつも暇人でしょ?」
「それは聞き捨てならないですね。僕がこうしてぼーっとしているのも、正月だからこそですよ」

「ふむふむ?」
「正月とは即ち1年の始まりです。一年の計は元旦にアリ。つまり正月とは、己の信念を表明、体現する期間でもあるのです」

「何だかカッコいい事言ってるようで、言ってないよね。だって君、結局何もしてないだけじゃん」
「イエス」

「ヒッキー的には、何らいつもと変わらないよね。つまり、今年も一年ぼーっとだらだらして過ごしたいって言ってるわけでしょ?」
「… イエス」

「やっぱりさぁ、お正月といえばお餅ツキをしたり、初詣に行ったり、家族みんなでゲームをしたり、おせちを食べたり」
「あーあー聞きたくない。そんなポジティブな話は聞きたくないです」

「えー、まだほんの序の口だよ?」
「家族皆でwiiをプレイなんて鳥肌が立ちますね。よーしパパ頑張っちゃうぞーとか、反吐が出ますね」

「またそんな穿ったものの考え方をしてー。君のお正月に対するイメージはおかしいよ。絶対」
「例えば、正月ということで久しぶりに実家に帰省するとしますよね?」

「また藪から棒に。例えばだよね?」
「はい。で、久々に長年使っていた自分の部屋に入ると、既に物置部屋と化している」

「悲しいね。ありそうだけど」
「気を取り直し久々に親と話をすると、早く結婚しろだの、孫の顔が見たいだの言われ微妙にギクシャク」

「本当に例えばだよね?」
「更に、久しぶりに会う兄弟姉妹達はまるで別人のようにイメチェンしてて、あの頃の面影も無く愕然。その上、高額のお年玉を要求」

「それは、どう接したら良いか分からないね。でも、お年玉くらいは素直にあげよーよ」
「結局自分の居場所は既に無く、家族とも微妙な溝。仕方が無いので、一人でドラマの再放送を見ながらこたつで不貞寝。で、2,3日でその空気感に耐えられなくなり、逃げるようにして早々に帰っていく。以上」

「… ゐ墨君さ、正月にトラウマでもあるの?」
「何言ってるんですかリコさん。あくまで例え話ですよ」

「本当に?」
「ハハッ。別パターンもありますよ。聞きたいですか?」

「聞きたいような、聞きたくないような」
「実家住みのパターン。年始の挨拶で次から次へと波の様に親戚が押し寄せてくる。その間、いかにして何食わぬ顔でやり過ごすかの生存戦略を…」

「もういい、ゐ墨君、休め。もういいんだ」
「更に更に、毎年必ずどこかで起こる不幸な事故… 餅をのどに詰まらせ病院送りだワッショイ事件!! 正月から本人も家族も顔面真っ青っスよ」

「いや、うん。確かにそうだけど」
「陰と陽。光と影。つまり正月というイベントは、めでたいめでたいと言いながらも、裏で、この世の無常さ、生命の儚さを教えてくれる。そんなイベントだったのですよ!!」

「な、ナンダッテー」
「驚きですよね」

「ゐ墨君のそのテンションがね。何だかんだで浮かれてるんだね? 君もさ」
「… だって、お正月ですから」


お・し・ま・い

       

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