Neetel Inside ニートノベル
表紙

T-れっくす
1st single 美少女はライトノベルスのなか

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「ヤバ!メチャ!クチャ!気持ちいい!自慰、自慰、自慰、自慰、GEEぃぃいいいいい~!!!」

放課後、ボクは家でKーPOPを聞きながらケツを振って自慰をしていた。2学期の始業式から2週間後、青木田達との決闘で負った傷は癒え始め、

ボクはやっと立ってオナニーが出来るまで回復していた。

「わん、つー、すりー、ふぉー、ふぁいぶ、しっくす、せぶん、エイ!おりゃ!!」

病院のナースを見て抑圧されていた欲望を床に置いたグラビアに大放射するとボクはベッドの上に大の字になった。

「はぁ~イったぁ~...やっと開放されたって感じかな。自制という名の鎖を解き放ったイメージ。そう、インメージ...」

天井を見ながら自慰の感想を振り返ることも忘れない。これぞオナニストの鑑。すると股間に置いてあった携帯のバイブ機能が作動した。

くぅ~、そろそろかかってくる頃だと思ったぜ!はぁはぁ言いながらボクはマッスからかかってきた電話に出た。

「あ、ティラノ?おまえ、今日の部活、どうしたんだよ?」
「部活?昨日言ってた『どすけべ探偵 東雲理莉栖』貸してくれ、っていう電話じゃないのかよ?」
「あんだよ、それ!三月ちゃんも呼んでるから急いでこいよな」

ぶつ、と電話が切れた。あれ?ボク部活なんかやってたっけ...?とりあえずボクは『どすけべ探偵 東雲理莉栖』というライトノベルをカバンに

入れると日が暮れ始めた通学路を歩いて学校に向かった。

「ども~、こにゃにゃち~...わ!」

ボクが第2音楽室のドアを開けるとテーブルを囲んだマッスとあつし君と三月さんが出迎えた。

「遅かったじゃねぇか!」
「放課後、ここに来いってメールしたじゃん。なんで家に帰ってるんだよ?」
「あつし君、それは家でせんずりをかくために...」
「あー!もう!鱒浦君!このバカに早く説明して!」
三月さんが悲鳴を上げるとマッスが立ち上がってボクに事の説明をした。

「夏休みに青木田達と決着つけたらこの部屋、俺達のモノにするって言ってたよな?軽音楽部部長の青木田は退学して、岡崎?は転校して、あとのもう
ひとりはいるのかいないのか、わかんない状態だ。これはもう、実質この部屋は俺達の所有物になるってことだ」

「そう、やっとおれの念願が叶ったんだ!」するとあつし君は席を立って入学当初に購入して部室に置いてあったドラムに擦り寄った。

「あいつらに変なこと、されてなかった~?ずっと心配してたんだよぉ~、ジェニファー」
「うわ、キモ」

ボクと三月さんがハモるとマッスが話を締めくくった。

「とにかく今日から新生軽音楽部活動開始だ!部員は俺達3人とマネージャーが三月さん。ラノベの主人公よろしく、こっから大いに世界を
盛り上げていこうぜ!!」

「そうなんだ。それじゃ、わたし手芸部にいくね」

拳を振り上げかけたボクとあつし君の横を通って三月さんが部屋を出て行った。...この子、こんなに空気の読めない子だったっけ?

残されたボクら3人は目でアイコンタクトをした。まず、何して遊ぶ?3人でジャムっちゃう?それともAV大鑑賞会??

まずは部屋の掃除だ、コラーーー!!!

マッスがモップを手に持ち、ボクが掃除機をかけ始め、あつし君がロッカーの片付けを始めた。

「うへー、この菓子、虫がたかってんじゃんかよぉー」「ミヤタ、熟女モノ好きすぎんだろー」

あつし君がブツブツ文句を言いながらゴミ袋にどしゃどしゃと前任者の持ち物を投げ入れる。

「あっちぃ~なぁ~、マッス、クーラーっていくらくらいすんの?」
「この部屋だと7、8万じゃねーの?そんなことより早く終わらせようぜ」

1時間後、第2音楽室はこざっぱりとした部屋に片付いた。「ふぇ~やっと終わったよ...」汗だくになったボクは椅子に座って息を吐き出した。

「あ、そういえばティラノ、昨日言ってたアレ、貸してくれるんだよね?」

あつし君が小声で話しかけてきた。「ああ、マッスじゃなくてあつし君だったけか」ボクはカバンの中にあった『どすけべ探偵 東雲理莉栖』を

机の上にどん、と置いた。それに気付いたマッスが手をくいくいさせてニヤける。

「...おいおい、おまえらまだそんなモンでシコってんのか。ナマの女はいいぞ~最高だ~」
「おーい、そんなこというなら一人くらい紹介してくれよ~イケメンく~ん」

ボクがマッスを小突くとボクら3人は男子特有のバカ話を始めた。辺りが暗くなり始め、話のネタが尽きるとボクはおもむろに置いてあった

自分のギターを手に取った。「お、ジャムでもする?」立ち上がるとするあつし君を見てボクは制止した。

ステージに上がるとボクは椅子に座る2人に向かって言った。

「あの、あの時は助けにきてくれてありがとな。みんなが来てくれなかったらもうすこしで俺、死んでたから」
「もういいよ。嫌なこと、思い出させんなよ」

言葉につまる俺にマッスが笑みを向ける。俺は2人に対する感謝の気持ちを形にすることにした。

「マッス、ちゃんとした曲、作ってきたぜ!聞いてくれ!『美少女はライトノベルスの中』!!」

おぉ~と2人が歓声を上げる。俺はギターをかき鳴らした。

「エブリディ、エビバディ 僕の彼女はそうさ ラノベの中

呼んでも 触っても出てこない 青色のありえない髪して笑う」

手芸部の帰りの三月さんが廊下からボクの姿を覗く。となりの子が手拍子を始めるとボクは2番の歌詞を早口で歌った。

「イッツオーライ、いつもオールライ 僕の彼女はそうさ 金髪碧眼

呼んでも 読んでも 呼んでも 読んでも 呼んでも 読んでも 呼んでも 読んでも イッツオーライ!」

「いぇ~えーえー、いぇ~えーえー、見てみたいな 感じてみたいな 超常現象

いぇ~えーえー、いぇ~えーえー、 いつだってそう、美少女はライトノベルスの中」

ボクがいぇ~というと観客からいぇ~と帰ってくる。手芸部以外にも帰宅する他の部活の生徒も部屋の中に入ってボクの歌を聴いていた。

「かっこいい~曲」「なんかandymoriっぽい」「でもちょっと歌詞が寂しくない?」「それがいいんだよ~非リア充っぽくて」

女子高生がボクの姿を見て好き勝手なことを言う。でもなんか、いい感じです。最後の歌詞を歌い、ギターをじゃかじゃかとかき鳴らすと

ボクはリスナーに感謝の気持ちを叫んだ。

「みんなありがとぅー!色々あったけどこっから世界目指して頑張っていくんでヨロシクー!!」

みんなが盛り上がると警備のおっさんが「おまえらまだ学校にいたのか!早く帰れ!!」と怒鳴り込んできたので蜘蛛の子を散らすように

ボクらは部室を後にした。「ティラノにあんな曲が作れるなんて意外だったな」帰り道であつし君が言った。

「は、ボクだって伊達にちんこいじくってた訳じゃない。ちゃんと流行の曲調を調べてみんなが気に入る曲を作る能力はあるんだよ」
「その割には尺の短い曲だったよな。コードも2つしか使ってなかったし」
「うるせぇな!とにかく明日からも、よろしく頼むぜ!相棒!!」

ボクは携帯をいじっているマッスの尻をぽん、と叩いた。こうしてボクの軽音楽部員としての初日が終わった。これからどんなことが起こるんだろう。

想像してみるんだよ。あ、おわりです。

       

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