Neetel Inside 文芸新都
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文芸新都で短歌よもうぜ企画会場
無様の塊・未練の残滓/犬野郎

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かさぶたを 治りかけては 剥き直す 血が出ることさえ 安心の種


一通の 最後のメールを 残してる 開くことさえ できないままで


辛くても 見苦しくても イタくても 結局それを やめられないまま


嘘のまま 嘘を嘘だと 言えぬまま 自分への嘘も 吐き続けたまま


知らぬ間に 離れた距離を 戻さない 鳴らぬケータイ たまに見るだけ


「結婚をした」と昔の知り合いに、聞いた時の僕は笑ってた


世界ごと 僕を殺して くれないか 苦笑交じりに 一人つぶやく


妄想を 久々にして 気が付いた 彼女の顔は とうに忘れた


想像で 勝手に見限り 省みぬ 人のこころの 皮算用かな





久しぶり 広い青空 仰ぎ見る 昔はもっと 見上げていたはず

       

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Neetsha