Neetel Inside 文芸新都
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金で買った女たち
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 十九から二十三までの四年間、俺は風俗に通い詰めていた。使った金は百万近くになるはずで、若気の至りで済ませるには少々度が過ぎた額だ。
 当時の俺は間違いなく風俗に依存していた。女に触りたい、触られたいという願望を人一倍持っていながら、彼女を作ってセックスするなんてことは、おとぎ話と同じくらい遠い世界の出来事だと思っていたのだ。そんな自分にとって、風俗は夢の世界であり、風俗嬢は天使も同然だった。
 あれから長い時が過ぎ、女の身体への過度な執着は消えた。何人もの乳を揉んだし、いくつもの小さな手や口で射精した。だが、そうした記憶は似たものが混じり合い、少しずつ薄らいでいった。
 気持ちのいい思いもたくさんしたはずだが、記憶に残っているのは、後悔や痛み、そして屈辱を感じたものばかりだ。あの頃の俺は、単純な性欲の捌け口として風俗に行く余裕はなく、大げさな言い方をするなら救いを求めて風俗に通っていた。裸で戦場に立つようなものだったと思う。
 これまで風俗関係の話は誰ともしてこなかった。無防備を装う話はできても、本当の傷を見せるほどに信じられる誰かとは、まだ巡り会えていない。おそらくこれからも、そんな関係を築くことはないのだろう。
 幸い、俺は書くことを覚えた。精神的な露出癖を持つ自分にとって、一人で抱えてきた過去を晒け出すことは、激しい性的興奮を呼び覚ます行為だ。誰にも知られたくない秘密を衆目に晒すと思うだけで、股間が疼き、熱くなってくる。
 要するに俺は、読者諸君に公開オナニーの手伝いをさせるつもりでいるのだ。それが気に入らないのなら、この先は読まない方がいいだろう。俺は誰かの為にこの話を書くのではない。俺は俺のためにこの話を書くのだから。

       

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