「え、やだ、やっ……ん、あアァ」
ぐにぐにと揉みほぐし、執拗に乳首を引っ掻く。羞恥と嫌悪しかなかった立川はるかに別の感情が宿り始める。
『これはくすぐりのトラップ。一時的に行動を妨害するトラップなんですが……
先ほどのねばねばの粘液がローションの効果を生み出しているようですね』
触手は遠慮なしに立川はるかを迫る。それはただ純粋にくすぐらせるのが目的なのだろう。しかし、事態はそう単純なものではない。首輪が言っていた通り、粘液がローションとなりまったく違う効果をもたらしていた。
「や、あ、あ、ア、はぁ、ん……!」
『あらあら、えっちぃ声出てますよ? どうしたんですか?』
「だま、だまれぇ……ふぁ、ふぁあああああっ」
気づけば身体中を覆うように触手が床から飛び出していた。どれもが立川はるかの肌を舐め、這い、粘液で汚していく。
立川はるかも戦士である以前に人間。少なからず性欲ぐらいは備えている。それが今、2つのトラップによって目覚めようとしていた。
「ダメ、もう、それ以上は……」
(も、もっと……あぅ、なんでおねだりなんて……)
無数の触手はある一箇所だけを避けていた。その一箇所とは、女性器。そこだけは少しも触れられていなかった。
それが好意なのか悪意なのかはわからない。どちらにせよ、立川はるかは我慢の限界だった。
「おねがい、わたしの――」
口にしてしまう。その寸前で触手は床の中へと引っ込んだ。
ぐったりと床に座り込む立川はるか。その呼吸は荒く、艶かしい。
「うっ、ふぅ……はぁ、はァ」
『ご気分は良いみたいですね』
首輪は面白いことをひらめき、(首輪なので顔はないけれど)ニヤリとほくそ笑んだ。
立川はるかに気づかれることなく、首輪はこっそりと『都合の良いトラップを作り出し、起動させた』。
「うっ……!」
首輪の暗躍なんて知るはずもない。身体の異変でトラップに引っかかったことを理解した。
立川はるかの身体は、まるで他人のものになったかのように動かなくなってしまった。
『おやおやぁ~? トラップに引っかかったみたいですねぇ~』
「ウソだ……だって、何もなかったのに……」
『体温感知とか、そういう最先端なトラップなんじゃないッスかね』
「そんなめちゃくちゃな、ヒッ」
操り人形のように、右手が自分の意志とは無関係に動く。
『ああでも、そのトラップはかなりラッキーです、アタリと言ってもいいでしょう。
……今自分が最もしたいことを実行してくれるんです』
「最もしたいこと……!?」
『そうですよ。空を飛びたいと思っていたら飛べるようになる、夢のようなトラップです』
「ぐっ……やめ、やめろぉ……」
最もしたいこと。立川はるかは思い描いていたことに戦慄してしまう。
どれだけ抗おうとも身体は言うことを聞いてくれない。座り込んだまま、下品に脚を開いてしまう。
「ダメ、ぜったい……ダメ……!」
そんな願いはむなしく響くだけ。右手に持った棍棒、その柄をゆっくりと股間に近づけていく。
『あら? あらあらあら? もしかして……?』
「やだ、見るな、見るなぁ……」
ぐりっ
「ひうっ」
膣口に柄が押しつけられる。先端がやや膨らんだ棍棒は、意に反して理想的な形だった。
先ほど浴びた粘液と、別の効果をもたらしたくすぐりのトラップ。それらが立川はるかの身体をほぐし、快感を高め、オンナの部分を目覚めさせてしまった。
あとはただ、手前に引くだけ。
ぐちゅっ
「アッ」
膨らんだ先端が、入った。
ずっ、ズズ、ズッ
「いっ、いた、痛……!」
手は勝手に進めていく。
そして。
ぶちん
【立川はるかは非処女になりました】
『えっ、初めてだったんですか?』
「だ、だまれぇ……」
『あははは、トラップに引っかかって、興奮して、それで棍棒を突っ込みたくなったのですか? ハハハ、こりゃ愉快だ』
「くそっ、ク……ああ、ふぁあああああっ」
もともと戦士という職業なので、痛さを我慢するクセがついている。これも同じなのだろうか、身体を突き抜ける痛さは一瞬だけ、あとは波打つように快感が襲ってきていた。
「いやだ……いやな、はずなのにぃ……」
『ほら、もっと素直になったらどうですか? 大丈夫です、意識はともかく行動はトラップの効果なんですから。あなたは、悪くないんです』
「悪く、ない?」
『そうですよ。どうせリセットもされたら身体だって処女に元通り。
なので。
あなたは。
悪くない。
自分の欲求に流されなさい』
その言葉で理性が切れたのだろう。ずるずると動かしていただけの棍棒のストロークが、どんどんと早くなっていった。
立川はるかの口から、甲高く甘ったるい喘ぎ声が漏れる。
「あア、いい、いいのぉ」
『そう、そうです。素直に、正直に、受け入れればいいのです』
「あー、アー、ん、んっ、ん!」
『ふふふアハハハ、意識が切れそうなったら“イく”って言うんですよっ』
「い、イイ、いいいいっ」
『ほら、言いなさい!』
「イく、わたし、イッ、イっくぅうっぅぅうううぅうぅっ!」
びくんっ。大きく身体を震わせ、立川はるかはゴロリと寝転がった。
気を失ったのだろう。光りのない目で天井を見つめているだけだった。
『あらら、これは行動不能と見ていいんでしょうね。
ではここまでということで。私もそこそこ楽しめて満足です』
【ゲームオーバー】