「おはようございます、マスター」
「おはよう魔璃亜……なんで添い寝してるの?」
「なかなか起きなかったので」
「意味わからないよ……寝てる間に何かした?」
「してません」
「そっか……」
「十回ぐらいキスしただけです」
―――――――
「朝食です、童貞マスター」
「あ、ありがとう、作ってくれたんだ……
でも童貞って言い方はやめて」
「了解しました」
「こうやって朝から一緒にいると、夫婦みたいだなぁ」
「夫婦ではありません」
「うん……他のEDもこんな感じなのかな」
「マスター、注意書を読まなかったのですか」
「えっ?」
「他のEDのことを考えてはいけません。
自身の選んだEDと接することだけ、考えて下さい」
「ああ、うん、ごめん……。
でも他の隊員はどう接してるのか、
ちょっと気になるって言うか」
「二度目はありません……あなたは死にます」
「わかった、わかったから! 魔璃亜!
包丁持って近付いてこないで!」
―――――――
「今日の訓練はゲットポイントシステムのチェーン演習です」
「ふむふむ……なぁんだ楽勝だな。
首領蜂隊はどんなハードな訓練してるのかと思ってたぜ」
「シューターの間口を広める為に敷居は下げておきませんと。
60秒間お試しシステムとか」
「なんだそりゃ」
「優秀なパイロットにはハンデをつけるよう指示されてます」
「ん? ハンデって?」
「エキスパート仕様の水着です」
「お、おう……きれいだよ魔璃亜……ふう……」
「マスターも水着になりましょう」
「俺もかよ!」
「そしてこれがエキスパート仕様の機体です」
「座席がひとつしかないんだが……魔璃亜はどこに乗るんだ?」
「言わせんな恥ずかしい」
「やめてどいて! スクリーンが見えない!」
「受け入れなさい」
「うおおおおおっぱいやわらけ気持ちいいぃぃ」
「集中しましょう、私に」
「もう訓練どころじゃねーよ!」
―――――――
(ハードな訓練だった……さすが首領蜂隊だ……
おっぱいだらけで弾幕が見えなかった……ふう……)
「お疲れ様です、マスター。お昼のお弁当です。
私の手作りです。残さず食べて下さい」
「ちょ、多すぎね? 五人分くらいあるだろこれ」
「フグ刺しもあります」
「…………」
「はい、口を開けてあ~んして下さい」
「えっ? 魔璃亜が食べさせるの?
恥ずかしいよ! みんな見てるよ!」
「受け入れなさい」
「あ、あのさぁ……」
「伝えたい言葉はありますか?」
「やっぱりこれおかしくね?
他の隊員は仲間同士で飯食ってるよ。
EDと一緒に食べてるの俺だけなんだけど。
なんかすげー浮いてるっつーか」
「……いや、ですか」
「い、いやじゃないけど……でも……」
「ごめんなさい」
「えっ?」
「ごめん……なさい……」
「な、泣かないで泣かないで! そうだ、
このお弁当多過ぎるからみんなで食べようよ!」
「あなたは……死にます……」
「あああごめん魔璃亜ごめん俺が悪かったァァァァ!」