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ニコ生漂流記
【ファイル3:リアルアタック】

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【ニコ生漂流記】3 
【ファイル3:リアルアタック】
【記録:翔平】

まず私はこのレポートを書こうか書くまいか、かなり迷った
なぜなら、この記事を書くことで、
実際にそれをやってみようと思う者が現れないとも、
かぎらないからである。
しかし、そんな危険を含めて伝えたいと思い書くことにした。


”囲い”


生主がある程度人気になってくると現れる、
いわゆる固定のファンである。
その囲いにもいろいろな種類があり、
生主に対していいコメントをする”良リスナー”
逆に悪いコメントや煽りを書き込みをする”アンチ”
生主とともに放送をクリエイトする”コメント職人”
その3種類の中にもかなりの役割がある。

ある程度、名前をつけてみると

○良リスナー
・はじめてなのでなにもわかりません..:初見
・ずっとあなたを見てます・・・:古参
・空気を読んだ聞き専門:ROM専
・生主をとにかく下手誉め:よいしょ
・生主に話題を提供:リクエスター
・生主が離籍中に他リスナーに話題を提供:コネクター
・タイムシフト専門:タイムシフター
・生主の質問や疑問に対してすばやく答える:ググッター
・怒涛のなれあい連続コメント:マシンガン

●アンチ
・はじめてなのでよくワカラナイです^^^^:初見詐欺
・悪意のコメント流し:荒らし
・他リスターや配信者を煽る:ビューザー
・一番気になるのは生主のパンツの色:セクハラー
・画面を埋め尽くす悪質弾幕:ブラインダー
・ローカルネタを飛ばしリアル暴く:特定厨
・俺が一番最強:喧嘩凸

◎コメント職人
・画面を盛り上げる:弾幕職人
・歌詞を先読み:歌詞職人
・話題に合ったAAを即作成:AA職人
・大文字弾幕でキモチを代弁:文字職人
・ドット絵でイラスト弾幕:ドット絵職人
・コメントを使ったアニメーション:アニメ職人

のような感じである。
まだまだ他にもいるため、見つけたら是非報告してくれ。


囲いについて運営でもこのような仕組みがある。BSPだ。
生主はコミュニティのレベルが、ある程度上昇すれば
バックステージパス(通称BSPビーエスピー)と呼ばれる権利を
リスナーに与えることが出来る。
BSPの権利をもらったリスナーは通常のコメントとは異なった
BSPコメントを打つことができるようになるというものだ。

そのコメントの違いはというと、一度見たら一目瞭然で
一般コメントが画面に対して匿名で投稿されるのに対して、
BSPコメントは生放送画面の下部から
ひょっこりとコメントが現れる。しかもユーザー名が表示される。
つまりBSPとは通常のリスナーとは異なった生主との
接点をもつ上位のリスナーであることを、
他のリスナーに見せつけることができるのだ。
このBSPを異性に与えた場合リスナーの優劣を決定付けて、
リスナーの嫉妬心を刺激するため、古参リスナーがBSP選びの一件で
超絶アンチになることも少なくはない。

そのため、生主はこのBSP権限を与えるリスナーを
厳選する必要があり、リアルの友人や、
他のコミュニティを抱える友好な生主がBSPの場合が多い。

とまぁ、ここらへんで囲いの種類についてのレポートを終わり
囲いリスナーとして生放送を体験したレポートへ移る。


私は声真似生主をいろいろ探し、
自分の気に入る生主をいくつか見つけた。
私が生主を選ぶ条件はいくつがあるが。主に1つだけだ
”面白いか面白くないか”
である。その要素を分解していったら、
・性別
・声質
・コメント拾いの上手さ
・アクティブリスナーのあんばい
・得意とする放送と得意ではない放送とのギャップ
他にも100ほどの要素が色々とあるが、
根本的には”面白いか面白くないか”というところにしぼられる。

私が最初に親密になった生主は男性で、高校生であった。
声真似配信をやっており、多からず少なからずというリスナーの中で
徐々に凸を続けていった。

凸というのは前の話でいったとおり、”凸待ち”タグをつけた放送で
リスナーが生主にネット通話を送ることで
生主リスナーの絡みが見られる。
凸にはいくつか種類あり代表的なものを説明すると
・ふつうに雑談:雑談凸
・生主に自慢の歌声を。:カラオケ凸
・持ちネタを披露:ネタ凸
・口げんかを吹っかける:喧嘩凸
・とりあえずかけてみた:ノープラン
等があり、放送によっては凸した後、
通話を切る前に、凸後のメニューとして
・自分のコミュニティや動画を宣伝:宣伝落ち
・無茶なネタを要求される(○○の真似をして等):無茶ぶり
・逆にこっちが無茶振りをする:逆無茶ぶり
・ネタ台詞とともに通話切断:ネタ落ち
など、凸のマナーやルールなどを取り決めている放送も見られる。

とにかく私は、放送中に彼に凸を繰り返すことで、
彼と仲良くなっていった。
そして会議というものに突っ込まれた。
会議というのは複数人が同時に話せるスカイプの機能で、
生主や凸者同士が複数同時に馴れ合える。
そのころ、私の持ちネタやトークスキルがなかったため、
あまり話は、盛り上がらず、微妙な空気になり、
彼とはそれっきりだ。

つぎに親密になったのは関西の女子高生であった。
私も関西に住んでいたため、関西あるある話、などで盛り上がったり、
「お前こんなネタできそうやない?」といわれ、ネタの発掘などもされた。
非常に人当たりの良い子で、どんな凸にも関西弁を巧みに操り対応し
リスナーに優劣をつけることで、異性リスナー嫉妬心をくすぐり、
アクティブ数を稼いでいく放送スタイルであった。
そのうち、関西でカラオケOFF会を開くこととなったが
それが悪夢のはじまりであった。

OFF会とはネットで知り合った友達とリアルで会って
話をしようじゃないかという会議である。
2ちゃんねる等で大規模OFFや突発OFFなどが有名である。
私もVIPPER全盛期時代にいくつか大規模OFF会に参加していたため
だいたいの流れや注意事項は掴んでいた。
がニコ生のOFF会はこれが始めてであった。

OFF会、当日となった
前日一人で徹底的に身の振り方や持ちネタを練習しての参加である。
今日の俺が面白く無いわけがない!

集合場所には少し遅れていった。
なぜなら、少なくても変な空気になるし
多すぎてボッチになるとその後の身の振り方が厳しくなるからである。
生主さんの顔は分かっていたし、コチラの顔も覚えてもらっていたので
すぐに打ち解けた。リスナーさんでコテハンを残している人も結構いた。
ぱっと見イケメン。
ぱっと見コミュ障。
ぱっと見キモオタ。
ぱっと見リア充。
ぱっと見メンヘラ。
いろいろなキャラクターの男女が10数人が集まり、
OFF会開始時間になったため、カラオケ屋に入った。

OFF会中の生主さんの対応はすばらしいの一言で、
分けられたカラオケ部屋を、頻繁に行き来して、ぼっちに気をつかったり、
ネタを披露中に一緒にネタをかぶせてくれたり、
リスナーにかなり、気を使ってきてくれ、
OFF会、途中参加のリスナーもすぐに打ち解けた
若干10数歳の小娘が初対面の人に親切にできるとは
おもっていなかったので驚いたと同時に
大変楽しい時間をすごすことが出来た。

そして、OFF会がおわったあと数人で集まってどこか行こうという話になり、
5・6にんほどで近くの餃子の王将に入り、夕食をとった。
そして、夕食中の話の流れで、その生主と数名を引き連れて”私の家”で
生放送をしようということになった。

私はネットゲームを何百時間も廃プレイできるようなパソコンが複数あるので
色々な生放送エフェクトやツールを同時に使ってもラグが発生することが少ない
そして家は、一応、楽器・ミシンOKの学生マンションであったため
防音がしっかりしており、夜中に騒いでも大丈夫である。
その環境を知ってか知らないでか、一人暮らしの私の家で放送が決まったのだろう。

また、私の家と生主の家はかなり近所で歩いて帰れる距離らしかった。
そして私の家にむかう電車にOFF会アフター組み数名で乗っていたのだが、
同じ車両に見慣れた顔があった。OFF会にきた、ぱっと見キモオタである。
幸い気がついたのは私だけであったので、気にせずそっとしておいた。

私の家に到着するなり買っている砂ねずみをかまいだす生主達。
エロ本をさがすぱっと見リア充。地獄だ・・・。

早々とパソコンとマイクの設定をすませて、放送を開始した。

私たちはなにごともなく放送を終え、
まだ外は暗かったが、
早朝、生主が歩いて帰宅するというので玄関まで送っていき、
少々つかれたので数人で寝る準備をしていると
その生主から突然電話がかかってきた。
「変な人いる!!家にいれて!」と。
とりあえず家に入らせて、生主から理由を聞くと、
変な男に突然抱きつかれて名前をよばれて、怖くなり逃げてきたというのだ。
とりあえず、朝方だったが、警察をよんだ。
私の部屋は1階なのだが警察を待っている間に事は起こった。
いきなり窓側からガンガン!と蹴ってくる音がしたのだ。
見ると男が窓の外に立っており、コチラを見て興奮していた。
「あけろーーー○○はおれのvsjkんvkさんなんだよ!!」
とよく分からないことを叫んでいた、
一応私のうちの窓は防音性のあるワイヤー入りの強化ガラス(1枚14万)
だったのだが、次のその男の蹴りでそのガラスに白い亀裂が入った。

普段温厚な、私もさすがにそればっかりは許せず、憤慨して。
外から回り込んでその男を即座に取り押さえた。
私はかなりの数のマーシャルアーツの知識があったので
捕獲は容易かったが、相手が武器を持っていたらやばかったと
いまさらながら思う。その男をよくみたら、
OFF会に来て、電車の一緒の車両で見た、ぱっと見キモオタだった。
そう。私たちはずっと、その”囲い男”に尾行されていたのであった。
正直、そこまで生主に心酔し尾行という行為にまで昇華させた、
”囲い”という存在にゾッとした。

その後、警察に”囲い男”の身柄を引き渡し、
みんなで事情聴取をうけたあとには
すっかりOFF会の翌日の昼過ぎを回っていた。
かなり疲れてその日は家に帰るとすぐに寝てしまった。

生主さんはそれ以来、人間不信になったらしく、
コミュニティを消し、二度と生放送に顔を出すことは無かった。
気安く話しかけてくれた【彼女】から最後にかけてもらった言葉は
『私のせいで大変なことに巻き込んでしまってごめんなさい』であった。
それ以降、彼女がどうなったかはわからないが、
最近、mixiに顔を出してくれるようになり”ひとまず”といったところだ。

のちのち聞く話によるとその尾行してきた”囲い男”は、前にもそのような
”リアルアタック”をした前科があるらしいが、詳しくは分からない。

大阪という人のあふれる大都市で起きた些細な事件だが
今回の事件で、生放送のリアル割れとその危険性について
深く思い知らされることとなった。


・・・予告。
事件から数週間、同じような事件を調べて、
数多くの特定厨とのやり取りの中で、
ネットでのリアル割りを専門とした組織に誘われることとなる

次回 「組織 生主リアル特定中」 

       

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