Neetel Inside ニートノベル
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yu-gi-oh island
第一話

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第一話 『アイランド』


「ピピッ ピピピッ スタート地点ニ到着シマシタ 確認ノタメデュエルディスクノ
 Aボタンヲオシテクダサイ」
 
 やけに大きいアラームとロボットのような声で俺は眠りから覚めた。

― スタート地点?何のことだ?解らない。いや、そんなことよりも・・・・・・
 ・・・・・・眠い。 ―

眠りから覚めたと言ってもまだ目は閉じている。声の言っている事は
よくわからないし何より眠いのでもう少し眠ることにしよう・・・・・・・

「ピピッ Aボタンヲオシテクダサイ ピピッ Aボタンヲオシテクダサイ」

― 五月蠅い。眠いんだ、静かにしてくれ。 ―

「ピーーッ 到着ノ確認ガサレマセン 転送ニ失敗シタト見ナシ機密保持ノタメ
 デュエルディスクヲ爆破シマス」

 爆破!? そのあまりに危険な単語を聞いて、俺は飛び起きた。

― ヤバい。確認?Aボタン?どうすればいい? ―

寝起きで頭がはっきりしないの事もありパニックになりかけるが、
ふと腕に不自然な重みがある事に気付いた。目を向けて見ればそこには
いくつかのボタンが付いた板状の機械がついていた。
これだ!と思いすぐさまAと書かれたボタンを押すと・・・

「ピーッ 入力ヲ確認爆破ヲ中止シマス スタート地点へノ到着ヲ確認 
 デュエリストナンバー2308葉柴猛選手ノ アイランド参加ヲ認メマス」

「ふぅ、どうやら間にあったみたいだな。」

 安堵のため息をつく。爆発は免れたらしい。しかし今のメッセージを
聞く限り。寝なおすことは出来なさそうだ。すっかり冴えてしまった頭で考える。
『アイランド』・・・・・・
たしかに自分はそういう名前のデュエル大会に参加した。会場に行き、受付で
手続きをし、ナンバーを貰った。だがそこからが全く思いだせない。
周囲を見渡す限りどうやらここは森の中のようだ。さっきまで土の上に
倒れていたらしく背中が冷たい。それに微かだが波の音がする。アイランドの
名前どうり島なのかもしれない。

― もしかしてアニメの王国編みたいな大会なのか?
 アニメ?・・・・・ッ!そういえば ―

 腕についているこの機械をよく見れば初代遊戯王のアニメに出てきた
海馬コーポレーション製の決闘盤にそっくりだった。どうやらさっきの
声もこの決闘盤のスピーカーから聞こえていたようだ。

― 決闘盤・・・・・ もしかしてアニメみたいに立体映像がでたりするのか?
 ・・・あり得るな。さっきのメッセージは転送と言っていた。言葉遊びかも
 しれないが、本当にそれだけの技術があるのかもしれない・・・・・・・・・
 ・・・もしかしてかなりヤバいところに来てしまったのか? ―

 そんなことを考えていると決闘盤から新しいメッセージが聞こえてきた。

「ピピピピピピピッ コレヨリデュエル大会『アイランド』予選ヲ開始シマス
 予選ノ舞台ハコノ島ノエリア23全体 12時間以内ニ16000DPヲ稼ギ
 エリア23中央ノデュエルベースニ辿リツイテクダサイ ナオ島ノ地図ヤ
 DPニツイテノ説明 デュエルディスクノ取扱説明書等ハ支給サレタ
 バックパックニ入ッテイマス ソレデハ
          ― デュエルスタンバイ ―  」

 メッセージは終った。もう一度周囲を(こんどは自分の近くを)見ると
自分の後ろに赤いバックパックがあるのを見つけた。へこんでいるところを
見るとどうやらこれを枕にして寝ていたらしい。バックパックを手に取って
起き上がり今後のことを考える。この大会は得体が知れない。しかし、この
大会以外に具体的な行動の指針がないのも事実だ。どうしようかと悩んでいると
決闘盤にデッキがセットされているのに気付いた。外して中身をたしかめると
自分がいつも使っているデッキだった。それを見ていると少しずつだが勇気が
湧いてくるような気がした。

― よし。取りあえず大会を勝ち進もう。いくら得体の知れない大会でも
 デュエルに変わりないならある程度戦えるだろう ―

 ようやく覚悟が決まった。自分はこの大会を勝ち抜く。そのためには、

― 取りあえずルールの確認から始めよう。 ―

そう思いバックパックから地図とそれらしい冊子を取りだし
その辺の木に持たれかかって読み始めた。


 こうして、俺の『アイランド』が始った。



 

 












 
 

       

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