Neetel Inside ニートノベル
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yu-gi-oh island
第二話

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第二話 『決闘』


 ピーーーッ ピーーーッ ピーーーッ ピーーーッ ピーーーッ

 ルールブックを読み終え、歩き始めてから約40分、俺はまだ森の中にいる。
地図には最初の位置が書かれていて、デュエルベースはそこから北に5キロ程の
地点にあった。それだけの距離があるなら到着までに他の参加者に出会える
だろうし、早い内にゴールに近づいておくに越したことはないと思ったので
決闘盤のデュエリストサーチ機能をONにして、目的地まで真っすぐ歩いて行く
ことにした。しかし40近く歩いたにもかかわらず、いまだ他の参加者には
出会わない。大抵の場合一勝すれば通過というこの予選のルールからして、
参加者は思いの他少ないのかもしれない。

 ピーーーッ ピーーーッ ピーーーッ ピピピピピピピッ

 そんなことを考えているとデュエリストサーチが反応を示した。どうやら
この近くに他の参加者がいるようだ。向こうもデュエリストサーチを使っている
はずなのですぐに顔を合わせることになるだろう。

― さて、遂にこの大会で最初の決闘か。極端に相性が悪い相手とかじゃないと
 いいんだが。 ―

 ガサッ
 右の茂みから物音がしたのでそちらを見ると。長身の男が茂みの奥から
 現れた。

「お前、参加者か?」

 男が問う。いかにも柄が悪そうな上に、筋骨隆々で決闘者よりも
リアルファイターと言った方がしっくり来るような風貌をしていた、
正直怖かったが、ここで怯えた素振りをみせてはならない。

「ああ、そうだ。あんたもそうなんだろ?ここで一戦交えないか?」

 平静を装い、いかにも自分が好戦的な決闘者であるかのように問いを返した。

「良いだろう。俺もそのつもりだった。手間が省けたぜ。」

 男はニヤリと笑いながらそう答え、決闘盤を展開して構えた。
俺もそれに応えて決闘盤を構えると二つの決闘盤からもはや聞きなれた
あの声が響いた。

「ピピピッ ピピッ 参加者二名ヲ確認 
 デュエリストナンバー2308葉柴猛選手
 デュエリストナンバー2332佐藤太郎選手 両者ニ間違イアリマセンカ?」

「ああ。」 「間違いない。」

「ソレデハ デュエルノルールヲ設定シマス 両者希望スルルールハ
 アリマスカ?」

「特には無い。」 「俺もだ。」

「デハ LP DP共ニ8000シングルマッチノ スタンダードルールデ
 構イマセンカ?」

「構わない。」 「俺もそれでいい。」

「ソレデハ アラタメマシテ  ― デュエルスタンバイ ― 」

「「決闘!!」」

       

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