Neetel Inside 文芸新都
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ポンチ短編集
女流武者 御剣桜華 第七幕 決闘、桜華対東雅!!

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 襲い掛かる雲之介の武士を倒し、備前城の天守閣を目指す鋼獅朗たちと合流した桜華たちは、備前の領主である雲之介がいる天守閣を目指していた。しかし天守閣へと続いている通路にも、雲之介の武士たちが侵入者を迎え撃つ態勢で待ち構えていた。
 「いたぞ!備前の城に潜入した武士たちだ!!そいつを叩き切れ!」
雲之介の武士たちが一斉に鋼獅朗たちに襲い掛かってきた。すると家臣たちが刀を構え、一気に雲之輔の武士を迎え撃つ。桜華も刀を構えて雲之介の武士に立ち向かっていく。
 「相手が女でも、俺は容赦しないぜ・・。存分に楽しませてもらうぜ!!」
雲之介の武士がそう言って身構えると、一気に桜華に向かっていく。桜華は素早い動きで相手の懐に入り、背後に回った。
 「女でも容赦はしない・・。そうだな。戦いというものに男女は関係ないわ。ならば容赦なく斬らせてもらう!!」
桜華は渾身の力を込め、雲之介の武士を背後から突く。その一撃により、雲之介の武士はその場に倒れた。
 「お・・おのれ・・。雲之介様っ・・!侵入者を・・倒せませんでした。無念なり・・!!」
その言葉を最後に、雲之介の武士は倒れた。

 鋼獅朗とその家臣たちの活躍により、天守閣へと続く道を守護する雲之介の武士を倒しながらようやく天守閣へとたどり着いた。
 「桜華よ・・ケガはないかね?よければこの塗り薬を塗っていくがよい。すこし染みるがよく効くぞ。」
鋼獅朗がそう言うと、桜花は首を縦に振り、了承のサインを送る。すると道具袋の中から塗り薬を取り出し、戦いで傷ついた場所に塗り始める。
 「あうっ!!」
鋼獅朗は傷のある箇所に塗り薬を塗ると、桜華は顔を顰めながら痛みに耐えていた・・。
 「戦いで腕と足の辺りに傷を負っているようだな。大丈夫だ。この塗り薬があれば痛みは治まるだろう。こんな状態でよく戦えたな・・。」
鋼獅朗がそう言うと、桜華は安心した表情で答える。
 「ありがとうございます鋼獅朗様・・。これで再び戦いに戻れる。すまない、すこしだけ休ませてくれぬか。」
 桜華がそう言うと、鋼獅朗が家臣たちの方を向く。長い戦いで疲れ果てた家臣たちを心配したのか、鋼獅朗が桜華に答える。
 「そうだな。家臣たちは長い戦いで疲れているようなので、しばらく休憩をすることになる。冥那殿、見張りをよろしく頼んだぞ。」
鋼獅朗は冥那に見張りを任せ、家臣たちの疲れを癒すため、敵の武士に見つからない場所で休憩をとることにした。

 備前の城の騒乱に気付き、雲之介のいる天守閣の大広間に一人の武士が駆け込んできた。
「はぁはぁ・・・。雲之介様、何者かがこの城に忍び込んだ模様です。すでに討死したものが何人もいるようです!」
武士の言葉に、椅子に深く腰をかけている雲之介が答える。
 「おお、お前か・・お前の名は確か・・柳生東雅(やぎゅうあづまさ)だったなぁ・・。お前は昔長門の港を襲っていた武士だったのぉ・・。平民たちにやられそうになったところを私が拾い、我が家臣となったのだ。さぁ、行くがよい東雅よ、やつらを天守閣に近づけるでないぞ・・。」
雲之介がそう言うと、東雅が答える。
 「ははっ!!ありがたき幸せ・・・。雲之介様、必ずや侵入者の首を討ち取ってまいりますぞ!家臣の中でも腕の立つ私には、不可能なものはない!!」
東雅がそう言って大広間を去ると、他の家臣と共に天守閣へと続く道へと向かっていった・・。

 一方鋼獅朗と家臣たちはひと時の休息を終え、備前城の天守閣へと進むする鋼獅朗たちの目の前には雲之介の武士が立ちはだかっていた。
 「くそ・・天守閣はもう目の前だというのに・・邪魔が入ったか!!家臣たちよ、ここはお前らに任せる!私はお前たちが戦っている間に天守閣へ向かう!」
鋼獅朗が家臣たちにそう言うと、家臣たちが一斉に雲之介の武士に立ち向かっていく。家臣たちが向かってくる中、東雅は桜華の方を向き、そう呟く。
 「あいつ・・まさか女なのか・・!!男のように見えるが・・?もし女ならば、私の敵ではない!」
東雅の独り言を聞いていた桜華は、すぐさま東雅に答える。
 「何を言うか・・私は女だ!私は男ではない・・断じてだ!」
桜華の言葉を聞いた東雅は、桜華の元へと歩き出した。そのことを不審に思った桜華は、刀を構え警戒する態勢に入る。
 「な・・何のつもりだ!!私と戦うつもりか!?もし戦うのなら、私は容赦しないぞ・・。」
桜華の言葉に、東雅は刀を手に、さらに桜華に近づく。そのことに怒りを感じた桜華は一度素振りをして
東雅を威嚇する。
 「私は大勢の武士と戦うのが嫌いなのでな・・。すこし離れた場所で決闘を始めよう。私は侵入者を殺すように雲之介に命令されているのでね・・。」
東雅の言葉に、桜華は怒りの表情で答える。
 「いいだろう・・。お前の言うとおり、離れた場所で決闘を行おうではないか・・。」
桜華は東雅の要求をしぶしぶ了承し、決闘の場所へと移動するのであった。

 一方家臣たちと雲之介の武士の戦いの間に、鋼獅朗は敵の目をかいくぐり、雲之介の待つ天守閣へとたどり着いた。
 「雲之介!お前を倒すために・・今日まで生きてきた・・今こそ決着をつけようではないか。私の祖国・・この備前を取り戻すためになっ!!」
鋼獅朗は刀を手にし、雲之介の首を討ち取るべく、攻撃の態勢をとる。その姿を見ていた雲之介は鋼獅朗にそう言う。
 「あせるな・・。この備前は昔の龍牙領だ・・しかし今は私の領地・剛雷領だ。備前を奪い返せばよい・・できるものならなっ!!!」
雲之介は大きな棍棒を構え、一気に鋼獅朗を迎え撃つ態勢に入るのであった・・。

 一方桜華は東雅につれられ、決闘の場所へとやってきた。決闘の場所は雲之介の武士の練習場であった。二人は刀を構え、迎え撃つ態勢に入っていた。
「ここなら気分が落ち着く・・。決闘の場所としては最適だ。君・・桜華と言ったな。今ここで、貴様の首を討ち取る!!」
 東雅は一気に桜華の首を討ち取るべく、すぐさま攻撃を仕掛ける。しかし、桜華は素早い身のこなしで東雅の斬撃を交わすと、すぐさま反撃に入る。
 「ならばこちらもそなたの首を討ち取る!!喰らえっ!!」
桜華は刀を構え、東雅に向かっていく。桜華の刀が東雅の頭魔で来た瞬間、東雅は刀を構え、桜華の攻撃を防いだ。
 「なかなかやるな・・。だが、私のほうが一歩上だなっ!!」
鍔迫り合いの中、東雅は腕に渾身の力を込め、桜華の刀を押す。その一撃により、桜華は後ろへと仰け反ったが、すぐに態勢を立て直す。
 「なんと言う強さだ・・雲之介の武士の中でも優秀の強さだな貴様・・ならばこちらも手合わせ願おうか!!」
桜華は自分の覇気を高めながら、東雅に立ち向かっていくのであった。

突如現れた雲之介の家臣の中でも格段に強き武士、東雅!
桜華はこの強敵を前に、どう戦う!!

       

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