Neetel Inside 文芸新都
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■コラム 第7回

◆オールドファッションド
 昔、作者が片想いをしている相手と何度かバーに行ったのですが、そろそろ帰ろうかなという空気が流れ始めたとき、必ずこれを頼むようにしていました。
「それ好きだね」
 そう言われるたびに作者は「うん、そうだね」と答えていました。
 正直、作者はオールドファッションドがそれほど好きじゃありません。面倒だし、同じ味の再現なんてできませんから。
 ですが、帰りたくなかったのです。ずっとその人といたかった、でもそれを素直に言えない、だから最後にオールドファッションドを頼んで時間稼ぎをしていたんです。
 その相手は、今は一児のお母さんです。もちろん作者の妻ではありません。もしどこかのタイミングで作者に勇気があれば……オールドファッションドを頼まなくても、ずっといっしょに時間を過ごせた、そんな現在があったのかもしれません。
 ――というネタがあるんですが、誰が使ってくれませんか?

◆遊園地を作りたい
 作中バーテンダーが言っていたことはすべて、作者の創作観念です。
 作者は娯楽を提供したい。読者に楽しんでもらいたい、ただそれだけが目的で、信念でもあります。もちろん感動で泣いてもらえたり、リョナで恐怖してもらえたり、エロで興奮してもらえていれば感無量です。
 そして最後は余韻を残さず、作品(フィクション)を現実(ノンフィクション)に引きずらない、でもできれば記憶の片隅にでも残っている、そんな作品を作りたい。それが遊園地を作りたい、なのです。

       

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