Neetel Inside ニートノベル
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「ミルさん、今まで・・・本当に、、、ありがとう、ございました。」

 オレのお使え係であるイクリはそう言った、最後の言葉だった、何もできなかった俺はその場に立ち尽くした。
 なぜだ?彼女はこの場所にいてはいけない?突然のオレの両親からの研究所の都合でイクリはこの家から出ていかなければいけない、つまり、くだらない現実がそこにはあった。

「御主人様・・・」

 ペット豚のトロトンもオレの事を心配している、当然だ、オレもイクリも、今まで見せたことのない顔をしていたのだろう、誰か。

「御主人様、朝ごはん、、、イクリさんが最後に作ってくれた朝ごはんあるぶひよ。。。」
「最後とか言うな!!!!!!!」
「ぶひっ!・・・御主人様・・・。」

 誰か---。

「オレは、、、、」

 誰か------

「どうすれば、、いい?」

 ----助けてくれ----
 
「御主人様・・・」

 その時トロトンはぐっっと自分の気持ちを押さえ冷静さを誰よりも取り戻した。

「御主人様、簡単ぶひよ」
「・・・どうすれば・・・いい?」
「イクリさんを追えばいいぶひ!」

「追う?イクリを?」
「そうぶひ、追ってイクリさんを止めるぶひ!」
「追って、、、止めて、、、って、」
「ぶひ?」
「止めて、、、って、どうやればいい?止めるって、、、どうすればいい?」
「御主人様、それは、僕よりも御主人様の方が知ってるはずぶひ、僕はここ数年で飼われているだけ、でも」
「」
「ご主人様とイクリさんは何年ずっと一緒にいたぶひ、だから」
「」
「イクリさんの事を知っているのは、一番知っているのは、僕ではなく御主人様ぶひ!」
「」
「今まで、どういう時にイクリさんは喜んだぶひ?」
「」
「今までどういう時に怒ったぶひ?」
「」
「どういう時に、、、」

「」


「笑ったぶひ?」


「・・・!!」


 オレは走った、全力で、そう、彼女の元に、彼女の笑顔に会いに。

       

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