Neetel Inside ニートノベル
表紙

見開き   最大化      

 コンコンと朝日差し込む部屋に朝日が差し込む、その部屋の住人であるミルという青年が眠そうに重い眼をこすった。
 そう、朝が来たのだ、そしてこの家のお使え係のイクリも来たのだ。
 イクリとは、幼いころこの家に来た、100%人口細胞からなるアンドロイドだ、知識が豊富で容姿端麗、そのうえプロポーションも美しい曲線美を誇るまさに芸術品のような女性だ。
 眠たいけどそろそろ起きるしかないだろう、彼女が入ってくる。
 そういえば今日は彼女の誕生日だっけ・・・。

「おはようございます、ミルさん」
「おはよう、イクリ」

 毎日交わされる挨拶だが、今日は少し違和感を覚える、その原因は昨日買って来たイクリへの誕生日プレゼントがあるからだ、ちなみに渡すチャンスは朝しかない」

「ぶっひ~~~!御主人様!イクリさん!おはようぶひ~~~!!」

 朝からぶひぶひ言ってるこいつはペット豚の『トロトン』だ、豚のクセによく喋る、喋るといってもやはり豚みたいなのでそんなに長く話せない、疲れてくると日本語ではなく豚語を話すのだ、なでなでしてやる。

「ぶっひ~~~~!!!」

 豚は喜んだ、オレそれを見て朝の日常が始まったのだなと認識した。
 よし!イクリにプレゼントを渡すぞ!昨日買ったこのフリルのエプロンをな!裸エプロンの時に栄えるこのフリルのエプロンをなぁ!!
 という事でさっそく渡す事にする。

「ミルさん、どうしました?」

 勘付かれたか、彼女は普通に聞いてきた、このオレの裸エプロンへの執着は気づかれていないであろう、うむ、気づかれていないさ。

「イクリ」
「はい、何かお飲み物でお持ちしましょうか?」
「誕生日おめでとう!」
「え、、、、あ、ありがとうございます!」
「これ、オレからのプレゼント」
「うわ、なんですかこれ、ありがとうございます!」
「裸エプロン」
「はい?」

 だからさぁ・・・なんで正直に言っちゃう訳?『裸エプロン』だなんて本人の前で・・・。

「裸・・・エプロン?」
「いや、肌がエピローグを迎えそうなんだ、ほらオレ昨日徹夜でチアガールをズブズブに犯す動画でびゅーびゅー射(だ)してたから」

 人前で意味のわからないくらい正直に話してしまうオレの悪い癖出る、今から精神を鍛えに北極横断したい衝動に駆られた。

「チアガール・・・犯す・・・びゅー、びゅー・・・?」
「いや、なんでもないんだよ、イクリ、キミをおかずに今夜は抜こうだなんて考えてないさ。」

 もうわかった、今のオレは絶好調だ!なんでもできるさ、きっと神になったんだな、目の前でイクリの表情が青くなっているのはきっと神の身業、運命だったのだよ!

「イクリ!」
「?」
「SEXさせろ」

       刹那

「ぶっひ~~~!!!!御主人様~~~~!!!!!」

 オレはふっとんだ、格闘ゲームの空中コンボの始動並にふっとんだ、そう、彼女の右腕で。

「朝から何言ってるんですか!まだ夢でも見てるんですか!?」
「ごめんよ、SEXしたいけど、どうやら夢を見ているみたいだ」
「もう!お盛んなのはわかりましたから!!朝食ができているので居間に来てくださいね!まったく、もう知らない!!あほぅっ!!!」

 バタン!とドアを閉めて出て行く彼女。
 あぁ、オレなにやってるんだろう、アホなのかなぁ?

「御主人様、大丈夫ぶひ?」
「トロトン・・・」
「イクリさん怒ってたけど、プレゼント持っていったぶひ、よかったぶひね」

 なでなでしてやる。

「ぶっひ~~~!!!」

 豚も喜び、イクリも喜んでいる、いいじゃないか、こんな日常で。
 朝の何気ない会話に微笑しつつ今日の身支度をするミルであった。

       

表紙
Tweet

Neetsha