Neetel Inside 文芸新都
表紙

チャリティー・マラソン
まとめて読む

見開き   最大化      


     

チャリティー・マラソン

     


     

《1》
チャリティー・マラソンに参加することになりました。
「よーい・・・パンッ」
スタート地点に並んだ筒の中からランナーたちが一斉に押し出されました。
押し出されて転がったランナーがまた筒に回収されていきます。
趣向を凝らしたスタートの演出に、沿道の人々は大いに盛りあがります。

     


     

《2》
ほのみは、ちゃんとスタートしないと不公平にならないか気になりました。
チャリティーだから順位にこだわらないのだとしたらよくないと思いました。
ほのみはもんどりうつランナーたちを尻目に急いで走りました。

     


     

《3》
前の人が次々とローラーすべり台をすべっていくので、ほのみも続きました。
ローラーにおしりの骨が当たって痛いけれど、我慢してすべっていきます。
眼下に広がる街の灯りが夕闇に映え、とても綺麗です。

     


     

《4》
ローラーすべり台を下りるとまた一般道です。
あたりはいよいよ暗くなってきました。
大きな4本杉の前をランナーたちが通過してゆくのが見えます。
ほのみもようやく4本杉に近づいてきました。

     


     

《5》
「あっ」
近くまで来ると、なんと杉は、杉ではなく闇でした。

     


     

《6》
ほのみは急いで闇の前を通り過ぎようとしました。
その時です。
「イタッ」
ほのみは足の裏に痛みを感じて動けなくなりました。
慌てて見てみると、足の裏にジグソーパズルのピースがめり込んでいました。

     


     

《7》
ほのみは足に刺さっていたのがただのジグソーパズルだったので、ほっとして足の裏から剥がしました。
そしてまた走り出しました。
遠くに給水所が見えてきて、ランナーたちがたむろっているのが見えました。

     


     

《8》
給水所まで来ると、みんなが水道の周りに集まって、石けんで顔を洗ったり、目を洗ったりしていたので、
ほのみも石けんで顔を洗いました。

     


     

《9》
給水所の先にはお菓子が盛られたお盆が置いてありました。
みんな好き好きに取って走っていくので、ほのみもお菓子を選びました。
珍しいきのこの山があったので、新商品かなと思ってわくわくしながらふたつ取りました。
それからとっても大きなチョコバナナがあったので、それも二本取りました。

     


     

《10》
ほのみは走りながら早速チョコバナナにかぶりつきました。
(あれ?)
どうやら中身はバナナではないようです。
何だかしばらく考えてみて、ようやくわかりました。
中身は焼いたナスでした。
一瞬吐きそうになりましたが、ナスがほくほくしていてそう悪くもないような気がしてきました。
コンビニから出てきたお兄さんが
「知らなかったの?」
とクスクス笑っています。
もう一本ホワイトチョコがかかったナスがあったので、うぶな友達にプレゼントしたらおもしろいぞ、と思いました。

     


     

       

表紙

はなほの 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha