Neetel Inside 文芸新都
表紙

僕を包んだ薔薇たち
警備員の先輩

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「う~トイレトイレ」

今トイレを求めて疾走している僕は、
警備会社でバイトをしているごく一般的な大学生。
強いて他の人と違う所を上げるとすれば、
大学を休学してるって事かなー、名前は佐藤栄作。
そんな訳で僕は夜勤バイトで溜まった尿意を、
コンビニのトイレで発散しようとしているのだった。
時刻は深夜一時、仕事開始から四時間が経過し、
定時通りならあと四時間で終わる、いわゆる折り返し地点だ。

今僕が現場から離れた場所に居ても職人に怒られないのは、トイレの許可を取っているから。
だが余り長くトイレに時間を取ると休憩していると勘違いされるかもしれないので、
僕は現場の職人達の目を気にしながら小走りに走っている。
四時間も立ち仕事をしている僕にとって、その行為は結構な苦痛になっていた。
できる事ならゆっくり飲み物でも飲みながら歩きたい気分だが、
そんな訳にもいかないのが身分の低い警備員の宿命である。
と、そんな事を考えていたら、手前の枝道から僕と同じ制服を着た男が出てくるのが見える。
その男は丹精で少し濃い顔とガッチリした毛深そうな体を持っていて、
僕はすぐにその男が一緒に車に乗って現場に来ていた隊員仲間だと気がつく。

「ウホッ!同じ警備会社の阿部さん!」

枝道からなぜ阿部さんが突然出てきたのか疑問は感じたのだが、
何となくトイレに出向いているに事に理由も無い申し訳なさを感じ、
………そして自身の尿意が結構限界まで来ていたのもあって、
軽く会釈してそのまま横を通り過ぎようとする事にした。
しかし、その歩みは彼の持つ一点の『おかしさ』に止められる。

阿部さんのチャックが全開になっている…。
一物は見えない。
だがネズミ色のボクサーパンツが丸見えだ。
一物の形を匂わせる、その湿っぽく丸い様で、
攻撃的に鋭角な空間が露出されている。
なぜかその空間は僕の視線を………。

その時、阿部さんが僕の視線に気づいていたかどうかは知らないが、
彼はそんな僕を構わない様に喋り始めた。

「小便ならそこでやってこないか?」
「あっ!!………は、はは、そうですね。
 コンビニはこっから結構遠いですもんね」

突如の阿部さんの声に脅かされた自分。
が、そこはそれなりに長い付き合いなので、それなりに取り繕って見せた。
確かにこの路地は夜になると人が殆ど通らないと聞く。
じゃあ行ってきますね、と言った感じで軽く会釈すると、
僕は暗闇で覆われた路地裏に入っていったのだった。

     

路地裏の排水溝に向けて一物を掴み向けると、
溜まった尿意を気分良く溝へ投げかけていく。
ここは路地裏のさらに路地裏といった感じの、
完全に周囲の視線を遮断した絶好の立ちションスポットだった。
試した訳では無いけど、きっとここからならどんな音も表の通りには聞こえないだろう。

「はぁ~~~、それにしても今日の現場も長引きそうだな…。
 たまにはもっと楽な仕事をしたいよ………」

そんな愚痴を誰に言うでもなく呟いていると、不意に黄色い水流にザラリとした音が混じる。
砂を擦る様なテンポの良い音が、僕の体をビクンと驚かせた。
瞬間的に危険を察知した僕の手は、尿意の残る一物を仕舞おうとする。

「………あ~いいのいいの、俺だよん佐藤君。
 コーヒーを買ってきたんだ」
「あ、阿部さんですかぁ~~。
 僕、誰かが来たのかって驚いちゃいましたよ」

よく聞いてみるとその足音は確かに普段聞きなれている足音で、
何よりもその声は阿部さんの低く長く伸びる様な声だった。
僕は強張っていた体をいたわる様に安堵のため息をつくと、
ナニを重力に逆らわせずにダランと下へ放ち、放尿を再開した。
横目で阿部さんが角から出てくるのを薄ら目で確認すると、
その両手にはなんとも嬉しく、温かそうなコーヒーが握られている。
そのまま左手を差し伸べてくる阿部さんに応える様に右手を差し向ける。

「今日は二時には気温がゼロ度になるなんて言ってたしな。
 ほらよ………このコーヒー缶で手と腹ん中あたためな」
「うわあ~、ありがとうございます。
 丁度寒いと思っ………て………あ………」

グニャリと妙に柔らかくて湿っぽくて、それでいて硬い。
僕の右手からそんな信号が送られた時、僕はまさかと思った。
しかし確認する様に僕の両目が捕らえている情報に間違いは無かった。
阿部さんの足元を見ると、温かそうなコーヒー缶が一缶、落ちている。
阿部さんの右手を見ると、温かそうなコーヒー缶を一缶、持っている。
阿部さんの左手を見ると、温かそうな黒いペニスを一本、持っている。

「あ………阿部さん………そんな………」
「どうした、お前の好きな甘いミルクコーヒーだぜ?
 さっさと手と腹の中をあたためない――――っとな!」
「ああ!」

阿部さんのガッチリした両手が僕の細い腕を容赦無く掴む。
強制的にその場に座らせれた僕の目の前に僕の右手が見えて、
そしてその中には間違いなく彼のサイズを疑う様なペニスがあった。

「ほら、ミルクコーヒーを飲む時は振ってからじゃないと、
 下に甘いのが溜まったままだって教えてやったろ?」
「あああ阿部さん!は、早く仕舞ってください!誰にも言いませんから!僕は誰にも………」
「何言ってる、先輩のオゴリを無視するなんて駄目だろ?」
「そ…そんな問題じゃ………」

その誰が見ても異様と思える行為は、完全に周囲の視線からは遮断されていた。
そう、ここからはどんな音も表の通りには聞こえそうになかったのだ。

     

夜の上空―――光る星達に包まれた暗闇。
その中心で光る月から視線を高度四十万km下げれば、
地球の日本という、小さな島国が照らされている。
猫が羽を休める鳥の傍を気兼ねなく通るその屋上の合間、
僅か1mはあるかないかというその裏路地に、
二人の男が普段では思えない程に体を照らし合わせていた。

「こ………これを擦れだなんて………そんなの!」

小柄な青年の佐藤は、右手に熱い感触を感じながら小声で精一杯に叫ぶ。

「おいおい?時間が無いから早くしてくれよ」

佐藤よりも一回りも二回りも大きく思える阿部の体は、
そんな佐藤の体をガッチリと捕らえていた。

「だから………その………ボク、ノンケなんです………」
「残念だったな、俺はノンケも食っちまう男なんだぜ?」
「そんなあ」

そう、未だに阿部さんの両腕は僕の腕をガッチリと捕らえていた。
こうも体格差があると、そうそう簡単に逃げられそうにない程に。

「で………でも………」

僕は未だに右手に阿部さんの一物を触りながら、判断を渋っていた。
いや、僕は駄目だとは宣言はしている。しかし阿部さんが一向に受け入れてくれない。
どうにかこの………阿部さんの一物を僕にしごかせようとして、
阿部さんは顔を力ませながら僕にイエスという答えを迫ってくる。
だが僕はどんなに頼まれてもコレをしごくつもりにはなれない。
となると、残す道は人を呼ぶか、阿部さんを説得するか。
しかし人を呼んでこんな状況見られてどう説明すれば良いか…。

「お前も結構、強情だなあ」

と、僕が考え事をしている間に痺れを切らしたかの様に、
彼は僕の右手をさらに強く押さえ付け、自分で前後運動を始めた。

ジュッ ジュッ ジュッ ジュッ

「い、いやだぁ………」

彼の一物からは既に多量のカウパー液が出ていた。
滑りも良好と言わんばかりに僕の目の前で動くペニスに僕は混乱してしまっていた。
何も言い返せず何も抵抗できずにただただ、見る事しか出来ていなかった。
そして阿部さんは、そんな隙を見逃さなかった。

「ほら………しょうがないから俺が飲ましてやるよ!」
「………へ?」

手でしごくのに飽きた様に僕の右手を壁に払いのけると、
阿部さんは両腕を押さえながら、ペニスを瞬時に僕の口へと突き出した。

「おぷう!おぷ!おぷ!ふうううううう!ううううううううううう!」

僕に思考する隙も与えない。空いていた口の中にスッポリと入ったペニスは、
僕の呼吸を妨げながら、喉奥の壁へと容赦なく進軍していた。

「うっ………なかなか良いぜ、お前のコップ。
 ぬめっとしてて、舌がザラザラだ………!」

コツン、と喉壁にペニスが触れる。
僕の口は完全に阿部さんの一物に犯されてしまっていた。

       

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