Neetel Inside 文芸新都
表紙

新都社作家でParanoia
その2.ダイスの女神って奴は信じるものにのみ微笑むんだぜ?

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切法師「ここはアルファコンプレックスのとある住居街。今朝も完璧で幸福な市民達が一日の奉仕のため、完璧な朝を迎えます。さて、まずは全員ダイスロール」
ジョー(敏捷! 俺の値は低いが起きてみせるっ!)
<コロコロ……>
皇帝13>>>>10 ジョー9>>>>6 720>>>>19 小鳥19>>>>5 K20>>>>16
ジョー「よし、成功。っと全員成功かよ」
切法師「caution!<こーしょん> メンバーの中に禁止されたスキルを所持しているプレーヤーがいるようです」
7「は?」
皇帝「今の起床判定じゃなかったの?!」
切法師「私がいつ起床のために敏捷ロールをしてほしいといいましたか?」
皇帝「ぐっ……確かに」
ジョー「ふむ」(敏捷判定かと思ったけどスキルばれってことはあつかましさ? いや、もしかしたら感受で失敗した可能性も? ってことは……だめだ、可能性がたくさんありすぎて分からん。いや、よくよく考えれば仲間の二人以外から考えたほうがいい。なにせ情報共有は戦いにおいて最も優先されるべき事だからな。って事はダイスの目から見て違法スキル持ちはK?)
切法師「では改めまして朝の判定を行いましょう」
ジョー「で、今度はなにで判定っすか?(ぶっちゃけ敏捷低いからそれ以外で起床できたらいいんだけどな)」
切法師「今回は全員起床しています」
ジョー「お?(これで敏捷はないはず)」
皇帝「じゃあ何で判定を?」
切法師「完璧な市民は清潔でなければなりません! 全員歯磨きをしましょう! さあ、器用さでロール!」
ジョー「器用さだとおおおお?!(1しかねえ!)」
皇帝・7・小鳥・K<コロコロ……>
皇帝11>>>>10 74>>>>4 小鳥18>>>>15 K17>>>>6
7「歯磨き……(歯磨きに器用さっているの?)」
切法師「さあ市民ジョーもロール!」
ジョー「こいっこいっこいっ!」<コロコロ……>
ジョー1>>>>1
ジョー「うおおおおおおおお!!」
K「悪運の強い奴だな(しかもクリティカルだし……)」
ジョー「ワシにはダイスの女神の加護があるんだよ!!!!!」
K(*女神*の加護ね)
ジョー「しかもクリティカル! これはかつる!」
K(うざいしクリティカル判定が下る前につぶすか?)
ジョー「サンキュー女神様! 愛してる!」
K「おや? 市民ジョー。この世界におわす神はコンピューター様ただ一人のはずですが、それ以外の神を信じるだなんてもしかしてあなた、*反逆者*なのでは? と言ってレーザー銃を取り出します」
ジョー「なん……」
7「僕も気になります。なぜコンピューター様以外を信じておられるのですか? といってレーザー銃を取り出します」
ジョー「なに?!(裏切りやがった?!)」
K「さて、理由を説明願いましょう?」ニヤニヤ
切法師(なんでこいつら始まってもないのに殺しあい始めるんだよ……進まないだろ)
ジョー「それ……はだな。ほら、ダイス。コンピューター様の中にあるダイスシステムのことを言ってるんだよ」
K「ほうほう」
ジョー「だからダイスの女神ってのは間接的にコンピューター様超天使って言ってる様なもんなの。だからワシは無実。無罪。冤罪!」
K「わかりました。といってレーザー銃をしまいます(なかなか考えてはいるが問題はこれ以上の深追いで下手に恨み買いたくないし、ここはいったん下がってみようかな。さてさて、どうする? 7)」
ジョー「ま、完璧だからな(ほっ。焦ったわーっべーわーでも何とか切り抜けたしクリティカル判定おとなしくもらっとこう)」
7「ZAPZAPZAP>>>>ジョー」
ジョー「なんやて?!」
切法師「市民7の放った完璧なレーザー光線により、一瞬で市民ジョーは消し炭になってしまいました。クローンナンバー+1です」
7「ダイスシステムだなんて普通知りえない情報を知っているなんて、きっと反逆者だったんだ。仲間の中に反逆者がいたなんて恐ろしい。といって崩れ落ちます」
K「へぇ(まさかそっちか)」ニヤニヤ
7(きちんと切法師さんのアドバイス通り処刑してから理由言ったし完璧だっ!)
皇帝(すごい嬉しそうだけどKがわざわざそれを言わなかった理由には、気づいてないんだろうなあ……)
7『ジョーさん皇帝さん。今回は流れ上処刑しましたけど、これは敵の目を欺くためで、決して裏切ったわけではないですよ!』
ジョー-2『なるほど。なら我慢しよう。もともと不注意だったのが悪いんやし』
皇帝『敵の目を欺くための処刑、か。それなら7、今から起こる事も、きっと許してくれるよね?』
7『今から起こる事?』
皇帝「おやおや? 市民7はなぜ普通知りえない情報を*知って*いたんですか?」
7「なっ(た、確かにそうだ)」
皇帝「といってレーザー銃を取り出します」
K「へぇ(これを見逃すんならまだ付け入る隙と思ったんだけど、一回のプレイでなかなかどうして分かってるじゃないか)」
7「そ、それは」
皇帝「黙るってことは! ZAPZAPZAP>>>>7」
切法師「市民皇帝の早撃ちにより瞬きの間に市民7は消し炭になりました。クローンナンバー+1です」
7「あらら」
K「まだゲーム始まってすぐなのに二人死ぬとかハードだなwwww」
切法師「まったくですねwww(あれほど深追いはダメだって忠告したのに)」
小鳥(こいつらKOEEEEEEEEEEE。何なのこのゲーム。何で歯磨きだけでこんなに殺伐としてんの?! 動画と違うんだけど?!)
皇帝(ここでも眉ひとつ動かないとは、プロはやはり恐ろしいな)
7(完璧だと思ったんだけどなあ)
切法師「さて、不穏分子二人がいなくなった後、残った三人はR&Dの開発した最新型電動歯ブラシですばやく完璧に身支度を済ますことができました」
K「*R&D製*の歯ブラシですか?」
切法師「そうです」
K「ではもって行きます(R&D製だし)」
皇帝「え? 歯ブラシだよ?」
K「歯ブラシマニアなんだよ」
小鳥「えと、じゃあ私ももって行きます(なんとなく)」
皇帝「え? じゃあ僕も(プロが持っていくんだし間違いはないでしょ)」
切法師「あー……じゃあ三人は身支度を済ませた後、なぜか歯ブラシを片手に持ったまま外に出ます。と、ここに新しい二人のクローンが送られてきます。今度はきっと上手くやってくれるでしょう」
ジョー-2・7-2「今度の私はきっと完璧です!」
切法師「さて、集合した五人ですが、朝食に向かわなければなりません」
皇帝「現在時刻と朝食の終了時間は分かりますか?」
切法師「もちろん。現在時刻は身支度の際にいざこざがあったせいで時間は起床から少し過ぎた7時30分です。そして、朝食の終了時間は8時ぴったりです」
皇帝「そこまで徒歩で向かった際の所要時間は?」
切法師「歩けば30分ですね」
皇帝「なるほどじゃ、歩けばいいのかな?」
K(いやいや、これは30分で到達できると見せかけて何かあるパターン。もしくは、終了時刻についても意味がないってオチだろ)
皇帝「どうする?」
K(ここは助けてやるかな? 今回は結社ミッションありってことは少しは協力していかないとクリアできないミッションを与えられるだろうし)「そうだな。GM、歩いて30分って事は普通に走れば20分くらいでいけますよね?」
切法師「もちろんです(わざわざ否定しにくい聞き方しやがって。足もいでやろうか)」
K「朝食*終了時間*が8時だからそれより早くつく必要があるし、走ったほうがいいと思うけどどうかな?」
皇帝「うーん『どうする? 二人とも』」
ジョー-2『あっさり手助けするなんて何か裏があるだろ常識的に考えて』
7-2『なぜか歯ブラシ持ってますしね』
皇帝「じゃ*全力*で走ります」
7-2・ジョー-2「同じく*全力*で走ります」
K「へ?」
小鳥「わ、私も全力で向かいます!」
K「ちょ、おいおい」
切法師「四人は全力で向かう。市民Kはどうしますか?」
K「あーわかった! わかったよ。同じく全力で向かいます」
切法師「全速力で走る五人、と、ここで道が二手に分かれています。右の道はIR市民がたくさん走っています。左の道はR市民が歩いています。さて、どうしますか?」
皇帝「両方の道の色は分かりますか?」
切法師「右の道の色は黒、左は赤ですね」
ジョー-2「じゃ、俺が右の道にいるIR市民に声をかけます」
切法師「いいでしょう。IR市民は必死の形相で市民ジョーに挨拶をします」
ジョー-2「おいIRのゴミ屑。R市民の使う食堂の位置を教えろといってレーザー銃を取り出します」
切法師「IR市民はあわてて食堂の位置を教えてくれます」
ジョー-2「ふむ。このやり取りは他のプレーヤーに見えていますか?」
切法師「一人で声をかけたので見えてはいますが内容は聞こえていないようですね」
ジョー-2『じゃあ、皇帝と7にこの情報を教えます』
切法師『いいでしょう』
ジョー-2「情報を得た俺は全力で赤の道を走り抜ける。切法師さん! 他の人間を振り払うことは可能か?」
切法師「いいでしょう。市民ジョーとの敏捷対抗ロールで敗北した人間はついていけなかったということで」
<コロコロ……>
ジョー9>>>>2
ジョー-2「お」
切法師「差は7ですか。では、差がそれ以上の人のみ成功とします」
<コロコロ……>
皇帝13>>>>5 720>>>>6 小鳥19>>>>16 K20>>>>18
切法師「8、14、3、2で差が7より大きい市民皇帝と市民7が市民ジョーについていくことができましたがそれ以外は市民ジョーを見失ってしまいます」
皇帝「イエス!」
切法師「一応これでバラバラになりましたので一旦、個別シーンに入ります」

--小鳥・K

切法師「さて、残された二人はどうしますか?」
小鳥「えと、このまま走れば朝食には間に合いそうですか?」
切法師「そうですね、ここから走って10分程度ですかね」
K「ここまで*全力*で走ってきたので時間短縮が出来ているはずなので当初の到着時間よりもちろん早くつく事ができますよね?」
小鳥「あ、確かに。普通に走って20分で残りを普通に走って10分だから半分は全力で走った事になるよね?」
K「そうそう。全力と普通が同じ速度なわけないしきっと時間短縮されてるよね。なんたって完璧な市民の僕らが全力出したんだし」
小鳥「そうだ!そうだ! 完璧なる市民の全力はすごいんだ!」
切法師「むむむ、まあいいでしょう。そのロールプレイを認めて時間を5分短縮できたということで、現時刻を7時35分にします」
K「そういえば二人のうちどちらかはこれから行く食堂への道を知ってますか?」
切法師「もちろん。毎日通っているので問題なくたどり着く事ができるでしょう(だからジョーは隠しても意味なかったんですけどね。移動でこれ以上クローンナンバー増やすのは今後に支障が出ますし今回はさっさとついてもらいましょう)」
小鳥「じゃ、走っていったほうがいいのかな?」
K「そうだね。ちなみに、赤と黒の道では時間が違ったり行き先、もしくは危険度が違うんですか?」
切法師「それは分かりませんがIR市民たちは、とにかくみな必死の形相で走っています」
K「なるほど(黒の道は遠回りなのかな?)」
小鳥「じゃ、赤の道を私は行きたいと思います(多分黒のほうは遠回りなんだろうし)」
K「僕もそれで」
切法師「わかりました。ではいったんシーンを切るので二人は待機してください(適当にサイコロ転がして判定してる風に見せればいいかな?)」
小鳥・K「はーい(無事つけますように!)」

--皇帝・ジョー-2・7-2

切法師「さて、二人を振り切った三人は予定時刻より早く食堂につく事ができました。現在時刻は7時40分です」
皇帝「おー」
切法師「食事終了まで残り20分ですがどうしますか?」
ジョー-2「どうする?」
皇帝「罠でも仕掛ける?」
ジョー-2「っつっても三人のスキル見た感じ、破壊工作とか違法改造は物がないとなんともできないよな」
7-2「じゃ、椅子とかどうですか?」
皇帝「うーん。いいアイディアだけど、どこに座るかわかんないし改造のリスクのほうが高いかな」
ジョー-2「他に何か出来るもの……」
7-2「あっ! アレがあるじゃないですか!」
皇帝「アレ?」
7-2「確かR&Dの製品は爆発するんでしょ? なら、その歯ブラシですよ」
皇帝「ああ、そういえばもってたね。忘れてたよ」
ジョー-2「じゃ、早速工作を……」
皇帝「まって。えと、切法師さん。違法改造のスキルって名前の通り違法ですよね?」
切法師「ま、見つかるとよくはないですね」
皇帝「じゃ、隠れてやらないと」
ジョー-2「でも、俺らに隠密もちっていなくね?」
皇帝「……」
7-2「人影のないところに移動は可能ですか?」
切法師「可能です」
7-2「じゃ、そこでやりましょう!」
ジョー-2「人気のないところで違法改造と破壊工作を歯ブラシに対して行うぜ!」
切法師「では、ダイスを」
ジョー-2「いや、まだワシのロールプレイは終わっていない! 三人で行う事によりより効率的かつ効果的に安全に完璧な物ができるに違いない!」
切法師「ふむ。その場合全員が1ロールプレイしたとみなして時間経過を行いまずかよろしいですか?」
皇帝「ちなみに終わった後でも食事は取れる時間ですか?」
切法師「可能でしょう」
皇帝「じゃ、やろうか」
切法師「では、歯ブラシをどうしますか?」
ジョー-2「うーん(考えてなかったわ)」
7-2「ドリルクローで!」
皇帝・ジョー-2「?!」
切法師「ど、ドリルクローですか? いいでしょう。面白いので自動成功にして差し上げます。時間も二人が到着する前に終わったという事にします」
7-2「わーい」
ジョー-2(歯ブラシをドリルクローってあれか?ブラシが超速回転して天を貫いちゃう感じなの?)
切法師「おめでとうございます。ポケットサイズのドリルクローができました。どなたが持ちますか?」
7-2「何武器に分類されますか? やっぱり格闘ですか?」
切法師「そうですね。格闘武器のスキルで扱える事にしましょう。攻撃力がプラスされ、ある程度の壁なら簡単に貫くことができるでしょう。ただし、一回使うと壊れてしまう事にしますね」
7-2「僕は格闘武器スキルないんでお二人でどうぞ」
皇帝「そうだなー(壁を簡単に貫くってこれ、持ってるのばれたら確実にやばい系だよね……)」
ジョー-2「ワシが持つ! ドリル! 男のロマン! ドリドリドリ!」
皇帝「そう? じゃあジョーが持ってっていいよ(よかった)」
ジョー-2「マジで? やったぜ!」
切法師「では、市民ジョーがドリルクローを所持します。では、二人を合流させますね」
ジョー「ほーい(今宵、虎鉄は血に飢えておる)」チュィィィィン

--合流

切法師「さてさて。という事で問題なく、五人は食堂前で合流しました。現在時刻は7時45分です」
K「無事到着か(合流ってことは三人は先についてたな)」
切法師「食事はもう始まっているようで中からは食器の音が聞こえてきます」
小鳥「優秀な市民である私は率先して朝食をとるため食堂内へと向かいます」
皇帝「同じく優秀で完璧な市民である私も、食堂内へと足早に向かいます(一人では行かせない!)」
ジョー-2「ちょー優秀かつ完璧な市民の私も急いで食堂内へと向かいます」
7-2「優秀かつ幸福で完璧な私も走って食堂内へと向かいます」
K「あー優秀で完璧かつ幸福な私は完璧に安全に迅速にすばやい動作で食堂内へと向かい席に着きます」
切法師「いいでしょう。では全員食堂に入りました」(何でこいつら走ってんだ)



今回のまとめ
・ジョーCN+1 7によるZAP 装備ドリルクロー(歯ブラシ)を入手
・7CN+1 皇帝によるZAP
・全員走って食堂に入ったぞ



次回 死闘、食堂編

       

表紙

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Neetsha