Neetel Inside ニートノベル
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second life
序章

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 二回目の人生があったらどうなるのか・・・。
そんなことを考えながら、一人雪の降るクリスマス前日の交差点で真っ赤な空を見上げ目をつむった。

 意識が戻るとそこは見知らぬ天井
色々な機械が体に引っ付いている
そのまま目をつむる。
どういうわけか、俺は赤ん坊になっていた
そして、俺の母親であるだろう人の隣で静かにテレビを眺めていた
一つのニュースで俺は飛び上がるほど驚愕した
実際には飛び上がれないんだが、
その内容が先日ある交差点で事故を起こし死亡した大学生のことだった。
その大学生こそ俺自身だったから驚いた
なぜかは分からんが俺は記憶を持ったまま生まれ変わったのかもしれない
この、夫婦の息子として

 とうとう一歳になり歩き出せるようになった。
格段に自由度が増したが、遊ぶものといえばつまらんモノばかり・・・嫌になるね
しかし、ここで変に自らの知識を披露すると大変なことになりそうなのでやめておいた。
最近では母親と一緒に毎日のようにある公園へと行っている
俗にいう、公園デビューだな
そこで、俺はいろんなところの子供と走り回って遊ぶでもなく、木陰に一人座って走り回る子供を眺めている。


 二歳になった、
お隣に西嶋一家が越してきた。
ちなみに、俺の名前は二条 星(にじょう せい)だ
母親とかはまぁー、二条母とか二条父とかでいいだろう
西嶋一家の一人娘の西嶋 幸(にしじま ゆき)は丁度俺と同い年だ。
そこから、毎日のように遊ぶようになった
俺のことを星と呼び、俺はゆきと呼ぶようにしている。
知り合って一年ちょいのときだ。

「ねぇ、しぇい・・・しぇいってあんまりしゃべらないね」

あまり呂律のまわらない口調で話しかけてきた

「あぁ、まぁーな。俺は子供じゃないんでな」

ついでに言うと、俺は前の人生ではそれなりに勉強してきたので大人顔負けのどーでもいい知識も持ってたりする。
しかも、幸のやつは俺を星とよべないからしぇいになる
なんか、嫌だ。

「こどもって・・・しぇい私と同じでこどもじゃない」

「そうだなそうだな、」

「もー、しょんなこといって・・・・ばーーきゃ」

本当にこいつは可愛い。
ばーーきゃなんて・・・可愛ぃすぎるだろ!!
ひとつ、俺はロリコンではない、断じて

それから一年がまたたった。
俺は両親が共働きなため保育所に、幸は幼稚園に入った。
今でも休日は幸と遊ぶが、保育所は幸がいないので暇つぶしもできない
それで、俺は両親からお金を貸してくださいと頭を下げ金を貰いシャーペンと中学生からの問題集を買った。
親は金を借りるときにはかなり驚いていた
だって、そうだろう・・・四歳の餓鬼が一万円もねだるからだ。
俺はそれ以降保育所では問題集を隅でひっそり解きながら時間をつぶした
あるとき、一人の女の子がお漏らしをし泣き出した。

「うえぇぇええぇぇぇん」

「だ、だいじょぶだから・・・えっと、えっと」

泣き出した女の子をなだめようとその友人であろう女の子が必死にどうにかしようとしていた
そこに先生と数人の男の子がきた

「やーいやーい、お漏らし女ーーーー」

「おしっこくせぇーぞ、おもらしーー」

と冷やかしを何回も入れる
そのたびにお漏らしをした女の子は声を大きくして泣いた。
先生もどうしようかとあせっていた
そこで俺は一人バケツと雑巾を取りに動いた。

「おい、泣き止めよ・・・そこどけ、いま拭くから」

「うっ・・・グス・・う、うん、、、、、、」

それから俺は手際よくオシッコを処理し女の子をなだめ、
先生には着替えを用意させ冷やかした男の子をお漏らしは変なことじゃないと説得し・・なんだか大変だった。
俺が暇つぶしの問題集をしているとお漏らしをした女の子が話しかけてきた

「あ・・の、このまえはあ、、あり、がとう」

「あぁ、あれな。別に構わないさ」

「そ、そう・・・・。」

「あ、えーと・・・俺は二条 星。君は?」

「あ、・・・しずく・・・いわき しずく・・・」

磐木 雫(いわき しずく)だそうだ。
漢字はネームプレートに小さく書いてあった

「そっか、磐木な。よろしく、磐木」

「あ・・・えっと、いわきじゃなくて・・・そ、の」

「ん、なんだ?」

「あ、の・・・しずくってよんで」

「あぁ、そうか。よろしく、雫」

「う・・・・うん!//////////」

雫は走り去ってしまった。
それ以降、雫は暇つぶし中の俺によく話しかけてくるようになった。
さすがの俺も話しかけてくる女の子を無下にもできず、相手をするようになった
それから、俺は保育所では雫と休日には幸と遊んで過ごした。
ある、休日に幸がおままごとをしようと言い出した

「はい、あなた。きょうの・・・えーっと、」

「晩御飯な、」

「う、うん。ばんごはんは、なんとハンバーグです」

「あぁ、おもちゃだけどな」

「もー、せいはひどいよー。まいかい、まいかいふいんきこわして」

「悪い、悪い」

「そんなんじゃ、およめさんできないぞー」

「いいんだよ、」

「よくない!!そうだ!わたしがおよめさんになったげる」

「はいはい、そうですか」

「むーーー、せいのばか!!」

「ばかっ!痛ぇだろ」

おままごとセットを投げつけられた。
なんなんだ、こいつは
最近はやっと星とまともに呼ぶようになってきて嬉しい限りだが、変なところで怒ってよくわからん。

そして、保育所では雫と読書をしながら過ごすようになった。
もともと、おとなしめな女の子の雫は基本は読書をするそうだ
先生に読んでもらってたのが俺に変わった

「むかし、むかしあるところに―――――――」

「ふふふ♪」

雫は俺が適当に読む本を毎回楽しそうに聞いてくれる
とても、微笑ましいし嬉しく思う。

それから数年、小学校に入学するときが来た。
雫も、幸も当然のように同じ小学校だ
これから、どうなることやら・・・・。

       

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