Neetel Inside ニートノベル
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second life
小学校編

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 小学校入学式。
まさか、二度もこの門をくぐることになろうとは予想もしていなかったな
当たり前だが、死んで記憶持ったまま生まれ変わるかっつうの・・・たくっ。
一体全体神様は何がしたいのか、皆目見当もつかないな

 さて、小学校の入学式だけあって今年入学する一年生は全然落ち着きがない。
そして今回だからこそ気づくこともあった
校長の話が異様に短いことだ
相手が幼いせいかすごく短い。
あっという間の入学式だ

入学式の看板で記念撮影・・・よくやることだ

「あ、あの・・・星、くん?」

ふいに後ろから声をかけられてしまった
その声には聞き覚えがあった

「なんだ、雫もこの学校か」

「う、う・・ん。星くんもだね」

「まぁ、そうだな。あの保育所にいた奴の大半はこの小学校さ」

「えーと・・・うん」

「わるいわるい。・・・お、そうだ」

「んっ?」

「雫も一緒に写真撮らないか?」

「えっ、写真?い・・いい、のかな?」

「当たり前だろ、・・・・おーい、母さん。」

その後、俺は保育所の友達だから一緒に写真に入れてくれと頼み一緒に写真を撮った。
俺が雫を連れてくると幸が少し不機嫌になった
ま、頭を撫でるとすぐ機嫌が良くなるのだが・・・よくわからん。
写真を撮ったあとは各自家に帰宅となった。
 その帰りの途中幸が俺に雫のことを聞いてきた

「ねぇ、星・・・あの子って、何?」

「あの子・・・あぁ、雫な。保育所のときからの友達」

「おともだちね・・・それだけ?あの雫とかいう子とは」

「何言ってんだよ・・・それだけだよ」

「だ、だよね!うん、わかった。ゆるす」

「許すって・・・なんだよ;」

「な、なんでもない!」

「はいはい、そうですか」

そんな様子を俺の二人目?の母と父。それと、西嶋母と父がなんか微笑みながら見てくる
そんなに、子供がいいかね・・・。

さて、入学式も過ぎ学校に通うことになった。
休み時間は男子たちは外に出て走り回っている
俺と幸と雫はほとんどの休み時間を一緒に過ごした
最初は幸も雫もお互いぎこちなかったが、最近は仲もよくなってきた

そんな時だ、クラスの男子どもから外で遊ぼうと誘いを受けた。
俺は快く承諾、そとに出て鬼ごっこだとさ
そこで、俺は気づく・・・自分の体力のなさ、足の遅さ・・・その他諸々と。
俺はその日以降の昼休みを鉄棒付近で過ごすようにした。
トレーニングである。
前の時は正直腹が出ていたので、今からでも鍛えようと思い。鉄棒で日々筋トレだ

「ねぇ、星・・・こっちでおままごとしよう」

「そ、そうだよ。星くんもこっちで、遊ぼう」

「わ、わる・・・いなっ!俺は、、こう・・かいだ、けは・・・はぁ、したくないんだっ!」

そう言うと俺は全力疾走のランニングを始めた・・・。
あとで思うことだが、小一の時点でトレーニングなんていらないんだよな・・・とか、後々後悔するのだが。
今は、まだ気づかない俺

     

小学校一年の授業なんて最初は遊びのようなものだ
掃除とか給食の用意は上級生がやってくれる。
総合的に暇なのだ
それに、クラスには幸と雫がいない
俺一人、授業中は空を見上げながらなぜ生まれ変わったのかあらためて考えてしまう。
小さいころから、言葉も話せたし文字も書けたが
まわりへの披露はだいたい四歳くらいからしかしていない
そのおかげですこし勉強のできる子に収まった・・・。
そんなことを考えながら俺は授業を過ごす

今は、体を鍛えることに専念しているから体力的、運動能力的にはかなりのものだ
それで徒競争では負けなしだ
そんなことは関係ないのだが、それは別にいいだろう。

本格的に勉強と呼べるかわからんが国語、算数など授業らしいことが始まってきた
俺は授業中一人こっそりと問題集を解いている。
保育所からはじめたこれも今は高校生三年の問題だ
暇なときの方が多いから無理いってお金を貰い本も読むようにしていた
そんな日々を過ごしてはじめての席替え

「あんた、二条 星ってんでしょ?」

「あぁ、そうだけど、」

「あたしは、花島 綾音(はなじま あやね)よろしくね」

「よろしく」

俺は一言そういうと問題集に取り組む。
そこをじっと、じーっと花島は覗き込んでくる・・・。
最初はチラ見だったのが今は顔がものすごく近い

「おい、なんだよ。花島」

「あ、・・・っと、えーと、その・・・・な、何でもいいでしょ!!」

「おいおい、なんだよそれ」

そこに、花島が叫んでしまいクラスの皆から注目されてしまう
先生から軽いお叱りを受け、そのまま授業は進む。

「てか、アンタはなんでそんなわけ分からない問題なんてできるのよ」

「あぁ、それはできるからだ」

「意味分からないんだけど」

「いいだろ、何でも」

「良くない!だって、これ・・・・・って書いてあるでしょ」

「うわ、読めないのに書いてあるとかいうな。お前」

「わ、わるかったわね」

「そうか。あと、なんでやっているかというと暇だからだ」

「暇ね・・・授業やんないさいよ」

それで、会話は終了。
花島はそのご授業に集中して取り組む
小一の最初の方だからな、算数は数字から覚えるんだ。
今は足し算をやっている
花島は授業の問題をやらず、自分で持ってきたのだろう算数小一ドリルなるものをやっている。

「(自分も授業やってねーだろ)」

それから、一ヶ月くらい。
ものすごく簡単なテストなども始まりだした
テスト結果が返ってくるたびに花島は俺と点数で競ってくる
ま、毎回俺は100点で花島は98点とかが多い。
あとは互いに100点同士でお相子ということばかりだ

そんな感じで時は過ぎていく
掃除は上級生がやてくれるから、せめて最初のころは楽したい・・・けど、上級生の掃除はものすごく下手くそだった
いや、小学生だから仕方ないか・・・おれも小学生だが
俺は掃除するなら徹底的に、な方なので隅々まで一週間に一度、あとは普通に暇なときやっている
というわけで俺は掃除を一人放課後にやっている。
そんなときだ、先生が話しかけてきた

「二条君。掃除はまだやらなくていいんだよ。上級生がやってくれるから」

「いえ、隅とか掃き切れていなかったりしてますし。掃除できないわけでもないですし」

「いや、隅って・・・潔癖症?;」

「いえ、ただ放課後暇ですし教室は綺麗な方がいいでしょうし。ボランティアですよ」

「そ、そう。先生なんだか感動しちゃった。偉いね、二条君」

「いえ、ありがとうございます」

ちなみに先生は女性で今年大学卒業して初教師だ。
それから、先生ともちょくちょく話したり掃除したりしていった
そんな時、俺一人で教室掃除しようとトイレから戻ってくるとバケツの水をぶちまけてびしょ濡れになっていた中島がいた。

「なに、やってんだよ」

「あ、・・・な、なんでもないわよ」

「まぁ、いい。服脱げ、体育着に着替えろ」

「わかったわよ」

「あ、その前に体とか拭くためにタオル借りてくる」

「あ、・・・いっちゃた」

そして、タオルを取ってきて中島は濡れたところを拭き。
なぜ、びしょ濡れになったのか理由を聞いてみた

「そんなの、・・・あんたが先生に褒められたから」

「褒められたいのか?」

「ちがう、あんたが私より成績がいいのに」

「あのな、お前も成績はいいだろうに;」

「アンタが一番だからよ!」

「あのなぁ、・・・で、なんで掃除しようとしてたんだ?」

「あんたがやって評価上げてるから」

「あぁ、そゆこと」

つまり、花島は自分も掃除を評価を上げたいらしい
しかし、俺にこんなことを打ち明けてきた

「でもね、アタシ掃除なんてしたことなくて・・・やり方知らなくて」

「だからか、わかった」

「?」

「俺がやり方教えてやるから一緒にやろうぜ」

「っ!!あ ありがとう」

「おぉ、」

可愛いところあるな花島。
ま、見た目はものすごく可愛いのだが
将来は絶対に美人になるタイプだ。

そんなこんなで、俺と花島は一緒に掃除をする仲になった
相変わらず、テストの点数勝負は俺が無敗だが・・・。

     

それから、三年の月日が経った
俺と花島はずっと同じクラスだ、
途中で一回雫と同じクラスになったがな・・・。
でも、今はもう雫はいない
去年、三年生のころ親の突然の転勤とやらで転校だそうだ
九州の方に行くらしい
雫はまた会おうって言ってきた
まぁ、なにか縁があったら会えるかもしれないしな。

さて、そんなこんなで四年、長かったような短かったような
点数勝負に掃除、いまでも続けている
花島との関係はかなりの良好だ。
転生まえの俺にこんな可愛い女の子の知り合いはいなかったから
つっても、可愛いてのは子供としてのだがな
結構いい人生歩んでいるぜ!

また少し時はさかのぼり
今は5月、その一ヶ月前の春休み
俺は自分自身が事故にあった交差点にいた。
俺はそこである一人の女の子を見つけた
年の頃はたぶん16歳くらいだろうか
こんな交差点で一人黙祷していた、だから声をかけた
なぜなら、俺が事故・・・もといトラックに轢かれた理由だからだ。
実際は違うかもしれないが

俺はあの時、道路に飛び出しトラックに轢かれそうになった少女をたすけるため
俺自身も道路に飛び出した。
その結果死に、二度目の人生を経験している

さて、俺はこんにちは、と声をかけたのだが・・・・

「・・・・・」

声をかけられた本人は無視してくる
さらに数分、やっと瞼を上げこちらを見据えてくる

「なに、どうかした?」

そういってきた女の子に俺はあるひとつの質問をしてみた

「あんたは、ここで小さい頃トラックに轢かれそうになったことはあるか?」

「えっ!?」

「答えてくれ」

「あ、うん。確かにあるけど・・・でも、それ」

「それは、誰かに助けられたはずだ」

「そうだけど、なんでしってるの?」

「まぁ、色々あってな。それより、今幸せか?」

「急にどうしたの?小学生でしょ?」

「今は、関係ない。どうなんだ?」

「う~ん、幸せかな。だって、あの時助けられてなかったらまずこの場にもいないでしょ?」

「そうか、それだけ聞ければ十分だ。ありがとう」

「ふぇ?いやいや、どういう意味?」

「なんでもない、じゃあな。」

「あ、ちょっと!!!」

彼女はかなりの美人さんだ。
しっかりと、成長したみたいだ
助けられてよかったと思った
この出来事のおかげで、俺はほんの少しだけ救われた気がした。



       

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