Neetel Inside 文芸新都
表紙

僕と彼女のタイム・リープ
第一話「僕と彼女のラプソディ」

見開き   最大化      

 人間はいつだってないものねだりをする生き物だという。貧しい暇人はお金をほしがり多忙な事業家は時間をほしがる。人はいつだって自分が持っていないものをほしがるものだ。まあ持ってるものなんかわざわざ欲しいとは思わないからこれは真理なんだろう。そういうわけで、とても平凡とは言えない僕、大沢さとる十四歳が今一番ほしいものは「日常」だ。
 終業の鐘が鳴り響くやいなや僕を悩ませる権化である長谷川さんは僕の席までやってきて「ねぇ大沢君、今日暇?」と尋ねた。あとあと考えればこのときには僕はとてつもなく嫌な予感をびんびん感じていた。あいにく感応能力に関しては不得意なんだけれど。
 僕は恐る恐る答えた。
「特に用はないけど」
「そう」僕の返事を聞いて彼女は顔をほころばせた。「じゃあ、これからまた付き合ってくれる?」
 どうやら嫌な予感は的中したらしい。
「どうして、また」
「理由はあとで教えるから」
 逃げる暇もなかった。
 長谷川さんは素早く僕の腕を掴みそして無理やり僕を引っ張った。急激に襲い掛かる強烈な吐き気と眩暈。視界は極彩色にちかちか点滅を繰り返す。
 意識が一瞬消失し、そして──
                        
 気が付けば僕はさっきとは違う場所にいた。そして多分、「時間」も違う。
 別に驚きもしない。また、だからだ。

                *

 僕と長谷川さんの出会い──出会いっていうとなんか恋愛めいてるけど──それは中学一年のとき入学式が終わってその帰り道、突然彼女が話しかけてきて「私、タイムリーパーなの」と言った。
 だからといって別に僕は長谷川さんのことを不思議少女とか妄想が過ぎてるとか頭がいっちゃってるとかそういう風には思わなかった。確かに突然話しかけられたのは驚いたけど言っていることは簡単に信じた。なぜなら、僕も同じようなものだからだ。
 超能力者、っていうのは多分誰でも知っていると思う。僕らは簡単に言ってしまえばそれだ。普通の人とは違う不思議な力を使える変わった人たち。だからといって世界を救った覚えもなければ人体解剖をされた記憶もないし、まぁ普通の人たちと同じような人生を送っているのではないかと思う。
 でも、やっぱり普通の人はタイムリープなんて体験しないよなぁ。

 僕は吐き気や頭の激痛を堪えつつ、あたりを見回す。薄く茜色に染まった校内。リノリウムの床がどこまでも続いている、廊下だ。どうやら放課後らしい。携帯電話で現在の日時を確認する。僕がさっきまでいた『時間』からは昨日の、四時だ。
 ちなみにタイムリープって言うのはその時の意識をそのまま持ったまま過去の自分に戻れる、というものだ。タイムスリップと違って同じ時間に同じ人間が二人もいるってことにはならないからいわゆるパラドックスってやつは起きない。長谷川さんは自分も時間移動できるほか他の人も少しだけなら一緒にリープすることができる。ただ、体に多大な負担がかかるからあんまり頻繁には使えないけれど。
 これを使えばなんだって悪用できる。例えばテストなんて問題を見て覚えてからまたやり直すことだってできる。前にそういうようなことを長谷川さんに言ったら、
「あのね大沢君。私はタイムリープをそういうことに使うのは別に卑怯だとは思わない。なんていっても生まれ持った能力なんだから。だけど、勉強っていうのは自力でやるからこそ意味があるの。そんなことをしたらなんのために学校に行くのかわからないじゃない」
 と言われた。そんな長谷川さんはさすがに頭がよくて常に学年トップをキープしているのだけれど、十ドル賭けてもいい、絶対一回くらいは使ってると僕は思うね。

 とりあえず周りには長谷川さんはいないみたいだ。理由はあとで話すって言ったから彼女がどうしたいのかはわからない。今、携帯で連絡をとることはできるけど、僕はそうしなかった。わざわざ僕を連れていたってことは僕が必要なんだろうと思う。でも自分から手伝おうとは思わないし、そこまでする義理はない。さっさと帰って見逃してしまったテレビでも見よう。
 ちょうどそのとき前方からクラスメイトの木下が「おお、大沢じゃねえか。さっさと帰ろうぜ」と声をかけてきた。うん、やっぱり帰ろう。ごめんね、長谷川さん。
 そういうわけで僕は木下と一緒に脱履所で靴を履き替えて外に出た。他愛のない世間話。そうそうあのときの我らが担任国語教師和田は面白かったよな、なんて。
 そしたらやっぱりというかなんというかカッターシャツの襟を掴まれた。足を止めた僕に気が付いて振り返った木下の顔が真っ青になる。
「すっ、すまんな大沢。俺、やっぱり一人で帰るわ!」
 そして一目散に走り去るクラスメイト木下。振り返れば案の定居たのは長谷川さんだ。長く伸ばした髪が顔にかかって世にも恐ろしい形相をしている。僕も逃げたくなった。
「どこへ行くの、大沢君」
 地獄から這い上がってきたかのようなハスキーボイス。普段から白い肌がよりいっそう白くなって静脈の青がうっすらと見えるくらいだ。
「ど、どうしたの長谷川さん。顔色が悪いよ」
「そりゃ一日に二回もリープすれば顔色も悪くなるわ……。ねぇ大沢君。なんで帰ろうとしたの?」
 ぎくり、と僕は身を凍らせた。でも長谷川さんは別にそんなことどうでもいいかのように、
「とにかく、急ぐの。そのためにはどうしてもあなたの力が必要なのよ。手伝ってくれるよね?」
 もちろん、というか断れないんだけど。
 長谷川さんはふらふらとした足取りで駐輪場に向かった。僕も長谷川さんも自転車通学はしていないはずなんだけど……。
「鍵を開けなさい」ぴしりっと長谷川さんは言い放った。むろん彼女が指差しているのは他人の自転車だ。「あなたならできるでしょう?」
 断ったら多分赤ん坊のころまでリープされるんじゃないだろうか、なんて思った。
 しょうがなく僕は鍵穴に手をかざす。不可視の力が働いて、安物のチェーンロックはあっさりと開いた。
 僕の力は至って単純だ。いわゆるサイコキネシス、見えない超常の力でスプーンを曲げたり水の入ったコップの中身だけを動かしたり。もっともオーソドックスなあれだ。せいぜいかくし芸程度なので日常生活に役には立たないし、あんまり使いすぎると疲労してしまう。
 僕らみたいなESP能力者は普段はそのことを隠して過ごしている。世界には思った以上にESPはいるもので、そういう人たちの組合なんかもある。そういうつながりで長谷川さんは僕が超能力者だってことを知ったんだろうし、僕は何度か彼女のリープにお世話になっていて彼女も僕の力を使ったりもする。まぁだから今回みたいな事も慣れてはいるんだけど……。
「早く、急いで!」
 人を馬車馬の如くせかす長谷川さんはパクったチャリンコの荷台にちょこんと腰掛け、僕といえば言われるがままにペダルをこぎ続けている。ああ、憧れていた女の子とのタンデム。確かに長谷川さんは男子も女子にもコアな人気がある。なのに、全然楽しくないのはなんでだろう。
「そこ、右!」
 そう言われてあわててハンドルを切る。目的地も知らされてないし、どうしてこうも急いでいるかもわからない。うかつに聞いたら刺されそうな勢いだ。めちゃくちゃなスピードで夕暮れの町内を駆け回る。
「そこは、左!」
 そういわれて曲がると、ふいに背後に感じていた長谷川さんの重さが消えてしまった。まさか振り落としてしまったのではと青くなって見てみれば、長谷川さんは自転車からの速度を保ったまま見事な着地を決めて足を踏み出しそのまま路地へかけていった。「そこで待ってて!」と遠くから彼女の声。
 ええっと、僕はどうすればいいのかな。
 手持ち無沙汰のまま僕は自転車をその場に止めてただただ立ち尽くす。寒い。夏はもう終わって秋も半ばだ。遠くからひぐらしの鳴き声が聞こえてくる。さすがに日中に学ランを着るのは暑いけど、夕方にもなればシャツだけじゃきついものがある。
 二の腕をさすって寒さをまぎらわせること五分。前から長谷川さんが重い足取りと暗い顔つきで歩いてきた。絶望的な表情で僕に言う。
「間に合わなかったわ……」
 やっぱり。
「そっか……、残念だったね」
 僕は殊勝にも長谷川さんを励まそうとした。我ながら健気だと思う。
 だけど、さすが長谷川さんは一筋縄じゃいかない。長谷川さんはカーディガンの袖をぎゅっと握りしめて思いつめた顔で言った。
「わたし、あきらめきれない……」
「え?」
「ねぇ、大沢君。あなたには本当に悪いとは思うけれど、もうちょっとだけ私の手伝いしてくれない?」
 多分、断ったら殺される、なんて思った。
「うん、わかった」
 多少棒読みぎみで答えると長谷川さんは少しばかりの笑みを浮かべ、
「さすがに一日に三回はきついわ。じゃあ、また明日ね」
 手をふりふり別れをつげて、長谷川さんはオレンジ色の街に溶け込んでゆく。置き去りにされた僕一人。
 
 えーと、とりあえずこの自転車、どうしようか?

                *

 次の日の放課後、復讐を誓った長谷川さんは雪辱を果たすため僕に話しかけてきた。昨日から気になっていたことを尋ねてみた。
「ねぇ、そんなにがんばってさ、なにがあったの?」
 長谷川さんは顔色一つ変えずに、
「全てが終わってから話すわ」口を挟む間もなく続けて、「今は言えないの。でも、間に合わないとわたし、絶対後悔すると思うの」
 彼女の顔はいままでになく真剣だった。そして僕はシリアスなことをわざわざ問いただすほどデリカシーがないわけじゃない。
「わかったよ、行こう」
 それを聞いた長谷川さんは女神のように微笑んだ。ああ、素直に笑った顔はそんなに可憐だというのに、
「じゃあ、行くね」
 僕の腕を手をつかむ長谷川さん。またもや襲い来る吐き気と眩暈と頭痛。
 ──そんな可憐に微笑んだ長谷川さんを恐ろしいと感じるのはなぜなんだろう。

 気が付いたときに立っていたのは昨日と同じ場所、同じ時間だった。夕暮れの廊下だ。立ちくらみをなんとか堪えて長谷川さんが現れるのを待つ。
「おお、大沢じゃねえか。さっさと帰ろうぜ」
 やはり昨日と同じく木下が声をかけてきた。何度経験しても同じことが繰り返されるのには感動を覚える。右手を大きく振る木下。そして左肩を何者かにつかまれる木下。怪訝に振り返った木下はそこにいるなまじ美人だけに妖怪みたいな形相になっている長谷川さんを見てオーバーにも腰を抜かして倒れた。
「ひっ」
 短く悲鳴をあげて、ほうほうのていで逃げ出す木下。すまん、君の行く末に幸運があることを祈る。
 彼の肩をつかんだ張本人である長谷川さんは「そんなに怖がらなくてもいいじゃない」と不満そうに呟いた。いや……長谷川さん……、その顔で肩をつかまれたら下手すれば失神する人だっていると思うよ。そんなことは間違っても言わないけど。
「急ぎましょう。昨日よりも早く行かなくちゃいけないわ」
 僕は黙って了解し、駐輪場へ駆ける。もはや罪の意識なんて感じていない。躊躇せずに僕は鍵をこじ開けスタンドを蹴り上げる。すでに荷台に座っている長谷川さんを乗せて、僕らは夕暮れの街へ走り出した。
「ねぇ大沢君。あなたの力で空とか飛べないの?」
「僕はE.T.じゃないよ、長谷川さん!」
 昨日通った道だ。迷わないでスムーズにコーナーを攻める。気分は走り屋だ。赤信号もなんのその、自転車窃盗・二人乗り・信号無視、もう僕はご先祖様に顔向けができないだろう。
「そこは左に曲がって!」
「え、でも」
「いいから曲がって!」
 近道をしようというのだろうか、長谷川さんは昨日とは違うルートを僕に指示した。だけど、この道って、
「こっちは公園だよ!」
 そうなのだ。ここは池を中心に森で囲まれた記念公園。確かに車の通りはないけれど舗装されてない道じゃ到底スピードなんて出ない。長谷川さん痛恨のミスだ。
「いいから、真っ直ぐ!」
 そう言われたら仕方がない。僕は遊具が乱立する公園を子供を巧みにかわしつつ言われるがまま直進した。目の前にあるのは、池。まさか。
「空は飛べなくても池くらいならサイコキネシスで渡れるでしょう!」
 なんと。さすが長谷川さんは発想が違うや、なんて感嘆している場合じゃない。確かにこの池を突っ切れば大幅なショートカットになる。僕はコップの中の水をぐにぐに浮かせたりもできるけど、いくらなんでもそんなの、
「無茶だよ、長谷川さん!」
「無茶だけど無理じゃないでしょ! いいから行きなさい!」
 もう、やけくそだった。

「うああああああああ!」
 雄たけびを上げつつ池の中央、つまり水面を爆走する僕。サイコキネシスでタイヤと接している水に粘性を持たせさらに不可視の力で僕らの重力を軽減、ついでに誰にも見えないように周りに視覚スクランブルフィールドを展開。もうなんていうか限界なんて当に超えてる。僕が出来るのはせいぜいかくし芸程度のことで、水面を渡るのは忍者か中国の修行僧だけで十分だ。あいにく僕はそのどちらでもない。
「がんばって、大沢君!」
 そりゃあがんばるさ。でないとこのまま沈むんだから。
 鏡のように夕暮れを茜色に反射する水面を滑るように僕らの自転車が駆けてゆく。
 もう力が尽きようとしたところで、僕らを乗せた自転車はようやく池の岸に着いた。
 一気に力が抜けた僕は注意を怠り地面の段差にタイヤを引っかける。前輪が運動を止め、僕らは前に回転、投げ出される。
 スローモーションになる視覚。長谷川さんがその勢いを利用し前方に空高く飛翔していくのが確かに見えた。はためくスカート、揺れる長い髪。すごい、さすがだよ長谷川さん。そしてその姿はとても美しかった。
 反転、衝突、激痛。
 墜落した僕は顔面を地面にしたたかぶつけた。痛い。サイコキネシスで受身をとったけれど痛いものは痛い。視界の隅で長谷川さんが見事な着地を決めて流れるように走っていくのが見えた。これならきっと間に合うだろう。間に合ってもらわなきゃ困る。
 僕は体をよじって仰向けになった。秋の夕暮れは美しい茜色で空を染めていた。そう遠くない場所でひぐらしの鳴く声が聞こえる。僕らがどうしようと自然は昨日リープしたときと同じだった。何度経験しても感動を覚える世界と時間の偉大さ。これが体験できるんだから超能力者も案外悪くないのかもしれない、なんて思った。僕はもう動けそうにないけれど。

 ひたすら空を見続けること五分。長谷川さんは両手に小箱を持ちスキップをしながらやってきた。僕はなんとか立ち上がり声をかける。
「間に合った?」
「うん、おかげさまで。大沢君、本当にごめんね」
 長谷川さんはご機嫌な様子でニコニコ笑っている。そうか、間に合ったのか、その笑顔も素敵だよ長谷川さん。でも、気になることが一つ、
「ところで長谷川さん。結局なにがそんなに間に合いたかったの?」
「それはね、大沢君」
 長谷川さんは誇らしげに手に持った小箱を掲げた。
「じゃーん。超人気店『ラ・ルーチェ』の夏季限定桃のミルフィーユ。今日が限定の最後の日で、これを食べない限り私の夏は永遠に終わらないの」
 ──ああ、そうだった。
「今日でお終いだなんて知ったのはリープ三回前の明日で、どうしてもあきらめられなかったから一人でリープしたんだけど、もう売り切れちゃってて。なんとかして間に合うには大沢君が必要だったの。ありがとね、大沢君」
 僕と長谷川さんは別に恋人でもなんでもない、僕らが話すのは互いに必要としたときだけ。そして長谷川さんは自分の欲求を満たすためならなんでもする人なんだ。久しぶりだったからすっかり忘れていたよ。
 嬉しそうに笑ってくるくる回っている長谷川さん。僕はもはや怒りさえ感じない。
 サイコキネシスを使いすぎた事とあまりの情けなさに僕の意識は薄れゆく。待ちきれないのか挨拶もそこそこに颯爽と手を振りつつ去ってゆく長谷川さん。その場に崩れ落ちる僕。
 このまま街と一緒に夕焼けになって消えてしまいたい、なんて思った。

                *

 昨日、瀕死の状態で家に帰った僕は泥のように眠りにつき、翌朝なんとかがんばって学校に来た。まったく昨日はひどい目にあった。僕はただ平凡な毎日を送りたいだけなのに。
「大沢君」
 登校一番、自分の席に着くなり長谷川さんが僕のところへやってきて声をかけてきた。とっさに身構えてしまった僕を見て長谷川さんは苦笑いを浮かべ、
「昨日はごめんね。わたしのわがままで色々負担かけちゃって。本当に悪いと思っているの」
 そう言って、ぺこりと頭を下げる長谷川さん。
 別に僕は長谷川さんにどれだけ利用されようと怒ったりはしない。それは別に僕にマゾヒズムの気があるわけじゃなくて、僕らみたいな異端な存在はお互いに手を取り合って助け合わなくちゃいけないからだ。だから僕は笑顔でこう答える。
「別に気にしてないよ」
「そう、よかった」
 そう言って微笑む長谷川さん、その手にはなにやら小包が握られている。
「これね、昨日のお礼にって思ってクッキー焼いてきたの」
 なんと。僕は望外の出来事に喜びを隠さずそれを受け取った。
「ありがとう、長谷川さん! これ、今食べてもいい?」
「どうぞ」
 包みを開けるとそこにはいい感じに焼き色が付いたクッキーがたくさん入っている。口に入れると芳醇なバターの香りがいっぱいに広がり、お世辞ぬきにおいしかった。
「おいしい?」
 長谷川さんは微笑をたたえて尋ねてきた。
「おいしいよ、長谷川さん!」
「そう、よかった」
 長谷川さんはそれを聞いて微笑んだ。満月のような白い肌と三日月のように笑う目と唇。それはやはり女神のように美しかった。
 だけど、なんでだろう。その笑みを見て僕はなぜだか恐ろしく感じてしまうのは──
「ねぇ、大沢君。折り入って頼みがあるの」
 一歩踏み込んできて嬉しそうにそう言う長谷川さん。その手はすでに僕の腕をつかんでいる。 ああ、そうだ。なんとなくはじめから嫌な予感はしていたんだ。
「今日も、付き合ってほしいんだけど」
 感じる頭痛、眩暈、吐き気、反転する世界。また、だ。もう驚きもしない。
 ただ、こう思うだけだ。

 嗚呼、麗しの日常よ、今いずこへ。 

       

表紙

いずる 先生に励ましのお便りを送ろう!!

〒みんなの感想を読む

Tweet

Neetsha