Neetel Inside ニートノベル
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こうして世界は回っていくのかもしれない
命より重いもの?

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「以上で作戦の説明を終了する」
隊長はそう言って4回目最後のブリーフィングを締めた。
「それにしても、護送車を襲うのは中々の手間になりそうだな」
俺が率直な感想を呟くと傭兵仲間のジャンが首を竦めながらこちらに寄ってきた。
「何言ってんだよ、お前のところはマシだろうが」
「俺は先発隊だぜ、かなり死にやすい」
「その分報酬もガッポリだろうが」
「違いない」
ジャンは笑いながら去っていった。俺はジャンみたいに一発ドカンと言うことはしない。
堅実に稼いで、傭兵で名を挙げてからどこぞの騎士団に入るのが夢だ。
無論、最初は騎士団を何件か受けたが全部落ちた。あのときはかなりショックだった。曲がりなりにも腕にはかなり自信があったからだ。
そして騎士団の一人に傭兵になることを勧められ現在に至る。
「まぁ、こんな自分等から攻める仕事なんて滅多にないけどな。これじゃあ帝国の騎士団には入れんだろうな」
無論、最初はこんな仕事断るつもりだったんだが、『ギルド』のおやっさんにどうしてもって言われたので縦に振るしかなかった。
「まぁ、世話になってるしここらで恩を返さないとな」
作戦は明日の明朝。護衛は2個小隊規模らしい。どこで情報を手に入れてるのかわからないが、ほかの面子に話を聞いたところ確かな筋かららしい。
この業界は情報が命だから、ほぼ失敗はないだろう。
俺の任務は先発部隊の奇襲が終了し、本部隊が乱戦を形勢した後に護送されている『ロック・ハワード氏』を安全な場所まで連れ出すことだ。
聞くところによると共和国の重役らしい。なぜ捕まっているのかは知らないが、まぁこれで共和国に恩を売ることができれば騎士団に入れるかもしれない。
「よしっ!」
そうと決まれば明日は早い。もう寝るとしよう。
明日は俺の命運を分ける日に違いない。

       

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